「キッチンカーの出店場所ってどこがいいんだろうか?」
「出店場所ってどうやって探したらいいの?」
「キッチンカーを出店するために費用は発生するの?いくら必要?」
こんな疑問を持っていませんか?
その気持ちはよく分かります。なぜなら、私もキッチンカーの開業準備を始めたときには、出店場所の探し方について、どこに出店できるのか?どうやって出店場所を確保したらいいのか?何も分からなかったからです。
知識ゼロ経験ゼロの状態から出店場所を確保してキッチンカーを開業した私が、キッチンカーの出店場所について知っておくべき情報をまとめました。
この記事では、
- キッチンカー運営者なら知っておくべき出店場所に関する知識
- 誰でもすぐに実行可能な出店場所を探す3種類の方法
- おすすめの出店場所11選
- 出店場所ごとの客層・おすすめメニュー・出店料の相場
をお伝えします。
キッチンカーの出店場所探しに迷わないための情報をまとめましたので、ぜひ最後までお読みください。
キッチンカーの出店場所に関する基礎知識
キッチンカーの出店場所探しを始める前に知っておくべき基礎知識として「出店場所の許可」と「出店料の種類と仕組み」について解説します。
出店にはその場所を管理する人の許可が必要
キッチンカーを出店するためには、キッチンカーの営業許可を保健所から取得することが必要です。これに加えて、出店場所を管理する組織(個人)からキッチンカー出店の許可をもらう必要があります。
ショッピングモールなどの商業施設では、その施設の管理事務所から許可をもらう形になりますし、イベントに出店する場合にはその主催者から許可をもらいます。但し、イベントなどでは主催者から依頼された企業・団体がキッチンカーの出店を取りまとめている場合があるので、必ずしもイベント主催者から直接許可をもらうわけではありません。
出店料には定額制と歩合制がある
キッチンカーを出店するときには、出店先に出店料の支払いが必要です。出店にかかる費用の金額は「定額制」「歩合制」「定額+歩合制」の3種類があります。
「定額制」の場合には、1日単位や時間単位で決まった金額を払います。例えば、1日:5千円、1時間当たり:1千円といった形で出店時間に応じて支払い、この場合は売上金額の大小が出店費用の大小には関係しません。
「歩合制」の場合は、「売上金額の15%」「売上金額の20%」といったように、あらかじめ決められた割合の金額を実際の売上金額に応じて支払います。「最低5千円」といった形で、売上金額が0円であっても支払わなければならない最低金額を設定している出店場所もあります。出店に必要な費用も織り込んだ上で利益が出る価格設定が必要です。
「定額+歩合制」は、「定額制」と「歩合制」が組み合わさったものです。「定額制」により必ず支払わなければならない費用がある上に、売上金額が大きくなればその分だけ「歩合制」により出店料の金額も大きくなるので、心理的には一番負担が大きく感じる人も多いでしょう。
キッチンカーの出店場所を探す代表的な3つの方法
キッチンカー事業で利益を出すためには、何よりもまずは出店場所を確保することが欠かせません。すぐに実践できて効果が高いキッチンカーの出店場所を探すための3種類の方法を解説します。
1.出店場所を仲介するサービスを利用する
キッチンカーの出店場所を仲介するサービスは全国で複数の企業によって提供されています。日本全国を対象に出店場所を紹介しているサービスと特定の地域に特化してキッチンカーの出店場所を紹介しているサービスの両方があります。
日本全国を対象とするサービスの例:
特定の地域に特化しているサービス:
- 関西移動販売車組合(関西地方に特化)
- 一般社団法人日本催事販売協会(関西地方に特化)
- 東海移動販売車組合(東海地方に特化)
- Chronus(クロノス)(愛知県・岐阜県・三重県に特化)
- 株式会社ASJ(アンドスマイルジャパン)(九州地方に特化)
- mobile kitchen モバキチ(北海道に特化)
- 千葉キッチンカー協同組合(千葉県に特化)
一つの仲介サービスに加入すれば、複数の出店場所の紹介を受けられます。また、「一般社団法人日本催事販売協会」のように、初めて出店する日には現地で出店をサポートしてくれる場合もあるので、特にキッチンカー開業直後は仲介サービスを利用する価値が高いといえます。
これらのサービスは一般的にWebサイトで情報を集めて、問い合わせる流れです。そんな中で「SHOP STOP」だけはキッチンカーの出店場所を探せるアプリをリリースしているので、自分の活動エリアに出店場所の候補があるかをアプリでも確認可能です。
サービスごとに加入条件(必要書類、加入料金など)や実際に出店したときの仲介手数料が異なるので、加入前には自分自身で詳細を確認する必要があります。
2.出店場所の管理者に連絡して情報を聞き出す
他のキッチンカーが出店しているのを見つけたら、その場所の管理者に連絡すれば出店に必要な情報を得られます。ショッピングモールであれば、その施設の総合案内に連絡すればよいですし、大学であれば代表電話に連絡すれば担当者に取り次いでもらえるでしょう。実際に私はこの方法で、必要な情報を聞き出せた経験があります。
イベントの場合はイベント主催者に連絡します。イベント主催するのは、各市町村・地域商工会議所・観光協会などである場合が多いので、ホームページなどで確認できるイベント情報から主催者を特定し、関係部署に直接連絡すれば必要な情報を教えてもらえるでしょう。
管理者である企業や主催者団体に直接連絡するのは、心理的ハードルが高く感じるかもしれません。ということは、多くの人も同じように感じて、実際に主催者に連絡する人の数は多くないと考えられます。したがって、この行動ができれば競合するキッチンカーに差をつけることにつながるでしょう。
なお、直接連絡する際には電話連絡が必須です。電話ならその場で必要な情報を聞き出せますし、他の方法(問い合わせフォーム、メールなど)では返信まで少なくても数日かかり、場合によっては返信がないこともあるからです。
以下の3つの記事では、「近畿大学」「名古屋モーターサイクルショー実行委員会事務局」「ブランチ博多パピヨンガーデン」に直接電話連絡して、出店に必要な情報を聞いたときのやり取りを紹介しています。
» 実際にやってみた!名古屋でキッチンカーの出店場所を確保する3つの方法
» 実際にやってみた!キッチンカーの出店場所を福岡で見つける方法3選!
3.競合相手の発信内容から出店場所を見つける
多くのキッチンカーがInstagramなどのSNSを中心に日々の活動を情報発信しています。Instagramでは実際に販売するメニューを紹介する写真が多くみられますが、投稿内容の中にはその日の出店場所や1カ月の出店予定を伝えているものもあります。
同じ都道府県や市町村で活動しているキッチンカーのアカウントは、SNS内検索で「地域名 キッチンカー」で検索すれば発見可能です。見つけたアカウントの投稿を一つずつ丁寧に見て出店場所に関する情報をリスト化していけば、新たに出店する場所の候補地のストックをドンドン増やせます。
今回紹介した3種類の方法は、実際に私が行ってきたものなので、一つずつ丁寧に実践すれば間違いなく出店場所を確保できるでしょう。今回の方法では探しきったので、さらに別の見つけ方を知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
キッチンカーの出店場所11選!出店料や探し方を解説
キッチンカーの出店場所の中でも、特に積極的に出店していきたい場所を厳選して11カ所紹介します。それぞれの場所について、出店をおすすめする曜日・時間帯・メニューの種類に加えて、出店料の目安と出店場所を探す方法を解説します。
1.各種イベント会場
キッチンカーで利益を上げるために絶対に欠かせない出店場所が各種イベント会場です。土日祝日は、一つでも多くのイベントに出店して、1円でも大きな金額を売り上げることがキッチンカー事業成功の肝といっても過言ではありません。
集客の心配なしだが、天候によっては赤字の場合も
イベントに出店する一番の利点は、イベント自体がお客様を呼んでくれるので、集客に頭を悩ませる必要がないことです。会場を訪れて自分のキッチンカーの前を通りがかった人をいかに1人でも多く、来店へとつなげるかに知恵を絞りましょう。
また、同じ人でもイベントに来場した際は、日常生活時に比べて財布のひもが緩くなる傾向があるのも、イベントでの売上金額が大きくなる要因の一つです。
イベント出店時には大きな売り上げを見込んで、食材の仕入れ量・仕込み量も通常より多くなります。その状態で、イベント当日が悪天候になり、イベントが中止または客足が極めて少なくなってしまうと、仕入れ量が多いだけに赤字になる可能性があります。イベント当日が万が一悪天候になったときの対処法をあらかじめ考えておくことが必要です。
出店料は定額制・歩合制の両方ある
イベントへの出店料は、一部の全国的にも有名な大型イベントを除き2千~1万円程度の「定額制」が多いといわれています。しかし、私が実際のイベント出店情報を調べた限りでは、ほとんどが「歩合制」でごく一部が「定額+歩合制」となっており、「定額制」のところはありませんでした。
「歩合制」の場合の出店にかかる費用は「売上金額の10%または15%」のところばかりでした。開催地域やキッチンカーの出店台数と「10%または15%」の間には因果関係が認められなかったので、主催者の意向で出店料は決まっているようです。
主催者への問い合わせと仲介サービスで出店を確保する
キッチンカーをイベントに出店するためには、主催者に連絡し出店に必要な手続きに関する情報を集めましょう。イベントホームページなどで主催者を確認し、直接電話で問い合わせて必要な情報を聞き出します。イベントの半年以上前から出店者を募集する場合もあるので、ドンドン前倒しで必要な情報を集めましょう。
キッチンカーの出店場所を仲介するサービスでもイベントに出店するキッチンカーを募集することがあります。例えば、モビマルでは出店台数が数台から10台ほどと、それほど大きくないイベントが中心となりますが、頻繁にイベントへの出店者を募集しています。主催者への直接連絡と並行して仲介サービスも上手く使いたいところです。
以下の記事では、愛知県名古屋市で開催されるイベント「名古屋モーターサイクルショー」にキッチンカー出店する方法を同イベントの「実行委員会事務局」に直接電話で聞き取りしたときのやり取りを紹介しています。
» 実際にやってみた!名古屋でキッチンカーの出店場所を確保する3つの方法
2.都市部のオフィス街
都市部などのオフィス街・ビル街でキッチンカーを出店する場合は、平日昼間のランチ営業が中心です。昼食として購入するので、販売に適しているのはカレー・丼物・お弁当など食事系メニューです。
ランチ出店には提供スピードの速さが必須です
オフィス街のランチ営業では売れる時間帯が12~13時に集中するので、限られた時間でいかに多くの人に販売できるかが利益を上げるカギになります。つまり、味・価格はもちろん、提供スピードの速さが絶対に欠かせない要因となります。
そのためには、キッチンカーで行う調理工程があらかじめ準備したメニューを温めて盛り付けるだけになるくらい、事前の入念な準備が必要です。また、限られた時間で販売量を増やすためには人員の補充とオペレーションの最適化も欠かせません。スタッフ間での意思統一はもちろん、キャッシュレス決済を準備するなどして、接客時間を少なくする工夫も重要です。
出店場所は仲介サービスが中心で歩合制が多い
オフィス街へのランチ出店のために、個人がビルのオーナーと交渉することはほぼなく、その出店場所を取り仕切る仲介サービスに加入して出店する機会をうかがうことになります。人通りが多い場所は安定した売り上げが見込める一方で、キッチンカー間の競争が激しいので、思うように出店できない可能性があります。
出店料は「歩合制」の場所がほとんどで、相場は「売上金額の15~20%」です。売上金額の20%を出店費用で支払うことを考えると、値段設定を高めにしてしっかりと利益が残るようにする、ランチ需要で数をとにかくたくさん売ることを考えるなどの戦略が必要になりそうです。
3.商業施設(ショッピングモール・大型スーパー・ホームセンター)
ショッピングモールや大型スーパーなどの商業施設もキッチンカー事業で利益を上げるためには欠かせない出店場所の一つです。このような商業施設は全国どこにでもあるので、全てのキッチンカー事業者が意識すべき出店場所といえます。
曜日を問わず人出は多く長時間の営業が基本
商業施設の魅力の一つはその集客力です。イベントほどの爆発力はないものの、毎日のように一定数の来客が見込めるのは、キッチンカーの出店場所として有望です。イベントへの出店と同様に、自分のお店の前を通りがかった人を呼び込む外装・のぼり・タペストリーなどの準備が欠かせません。
また、商業施設内の店舗との競合を避けるために禁止メニューを設けている場合があります。私も実際に問い合わせをした際に、「ラーメン」「うどん」「スムージー」は出店できませんと回答をもらったことがあります。禁止メニューの種類によっては、出店場所の見直しや販売メニューの変更が必要になることもあるでしょう。
また、1日の中で極端に来客数が多い(または少ない)時間帯がないので、基本的には長時間のキッチンカー営業が必要です。各施設の開店時間から閉店時間までの営業が、キッチンカー自体の営業時間となる場合が多いでしょう。
出店方法は店舗へ確認!出店料は定額制と歩合制の両方
キッチンカーを出店できる商業施設での出店手続きは、店舗によってさまざまです。仲介サービスを通して出店する場合もあれば、店舗と直接契約する場合もあるので、まずは出店したい商業施設の代表番号に連絡して、出店までの手順を確認しましょう。
例えば、仲介サービスの一つであるモビマルに登録すると、複数のショッピングモール・ドラッグストア・飲食店駐車場など商業施設での出店案内を受信できます。一方、大和リースが全国に展開している商業施設へのキッチンカー出店には、大和リースとの契約が必要となります。
その他、キッチンカーを全国のドン・キホーテに出店しようと思ったら、ドン・キホーテグループが運営するスペース活用サイト「自由市場(じゆういちば)」への登録が必要です。
ホームセンターCAINZ(カインズ)へのキッチンカー出店のためには、同社公式サイトから申し込んでビジネスパートナー審査に合格しなければなりません。
【参考】 ドン・キホーテに出店できる!自由市場の申し込みはこちらから
【参考】カインズのビジネスパートナー募集への申し込みはこちらから
出店料は「定額制」と「歩合制」の両方があります。「定額制」の場合は、平日は1日当たり3千~5千円、土日祝日は1日当たり5千~1万円が出店費用の相場です。一方、「歩合制」の場合は曜日に関係なく売上金額の10~15%が出店費用の相場となっています。
全国約170施設に出店できる「D-Space」
「D-Space」は大和リースが全国約170カ所に展開している商業施設の催事・イベント用レンタルスペースへの予約ができるサイトです。キッチンカーを出店する際にも、まずはこのサイトへの登録が必要です。一度「D-Space」への登録が完了すれば、その後は新たな登録なしでさまざまな商業施設に出店できます。
実際に「D-Space」で管理している施設にキッチンカーを出店するときには、「D-Space」への登録完了後に、出店したい施設へ連絡し現地での打ち合わせを経て、出店の流れとなります。出店料などは施設によって異なるので、打合せの際に確認が必要です。活動地域に「D-Space」で管理する施設が複数あれば、出店場所には困らないでしょう。
「D-Space」が管理するショッピングモールの一つである福岡県福岡市にある「ブランチ博多パピヨンガーデン」に直接電話連絡して、出店に必要な情報を確認しました。そのときのやり取りを以下の記事で紹介しています。
» 実際にやってみた!キッチンカーの出店場所を福岡で見つける方法3選!
4.駅前広場
JR・私鉄を問わず駅前広場もキッチンカーの出店場所候補です。主なターゲットは、出店する駅で下車してこれから帰宅する人や駅前のお店に買い物に来た人になります。したがって、主な出店時間は平日の夕方から夜にかけてとなります。土日祝日に出店する場合は、昼前から夕方(または夜)までの1日出店になる場合が多いのが特徴です。
夕飯用のもう一品や家族連れ向けの軽食が中心
平日は夕飯に一品加えるお惣菜メニューがよく売れる傾向にあり、買い物に一緒についてきた子どもたちをターゲットにクレープなどの簡単に食べられるスイーツ類もおすすめです。土日祝日については、食事系のメニューから軽食系・スイーツ系メニューをそろえておくと、1日中売り上げを確保できるでしょう。
もちろん、駅・曜日・時間ごとに乗客数や乗客の属性(会社員が多い、学生が多い、家族連れが多いなど)が異なるので、何度か同じ場所に出店することで、その場所・時間の顧客層にあったメニューを提供できるように試行錯誤を継続しましょう。
仲介サービス利用が基本で出店料は場所ごとに異なる
キッチンカーを出店できる駅前広場の情報は、出店場所の仲介サービスに登録すれば見つけられます。サービス内でも常に募集しているわけではないので、募集情報は随時チェックしましょう。
また、埼玉高速鉄道のように鉄道会社自体がキッチンカーの出店情報をアナウンスしている場合もあります。そのような情報を見つけたら、まずは鉄道会社に問い合わせることをおすすめします。
出店にかかる費用は場所によって異なります。「定額制」だと5千~1万円、「歩合制」だと売上金額の10~15%、そして「定額+歩合制」の場合は1千~3千円+売上金額の5~10%という条件が出店料の相場です。
5.公共施設(市役所・町村役場・公園)
キッチンカーの出店場所として市役所・区役所・町村役場などの公共庁舎のほかに、子育て支援センターなどの地域活動を支援する建物や地方自治体が管理する公園などの公共施設が使われる機会も多くみられます。出店時間はランチ需要が多い場所は昼食の時間帯、その他の場所は朝から夕方までの出店が基本です。
出店場所ごとに需要は大きく異なる
公共施設の中でも出店場所によって、客層・需要は大きく異なるので注意が必要です。例えば、市役所など公共庁舎に出店する場合は、圧倒的に平日のランチ営業が中心になります。準備するのは当然食事系メニューで、昼休みの限られた時間に一つでも多くの商品を提供できるスピードが必要です。
一方、子育て支援センターのように家族連れが訪れる建物前での出店の場合には、子ども向けの軽食メニュー(フライドポテト、唐揚げ、フランクフルトなど)や総菜メニューへの需要が高まります。ランチ時間に集中するというよりも、1日中満遍なくお客様が来るのが特徴です。
公園への出店は土日祝日が中心となり、朝から夕方までの出店が基本スケジュールです。家族連れが客層の中心なので、子どもが好きな軽食メニューを中心にクレープやアイスなどのスイーツ系メニューもそろえるのがおすすめです。公園への出店については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
» 公園でのキッチンカー出店完全ガイド!募集情報の探し方から許可取得まで
キッチンカーの募集窓口・出店料はさまざま
公共施設へのキッチンカー出店は、各施設を管理する地方自治体が直接募集する場合もあれば、仲介サービスを通して申し込む場合もあり、まちまちです。例えば、神奈川藤沢市ではキッチンカー事業者への支援事業として、市役所本庁舎市民広場での出店を継続的に実施しています。出店手続きは「藤沢市キッチンカー事業者連絡協議会」を通じて行う流れになっています。
【参考】市役所本庁舎市民広場における市内キッチンカー事業者支援事業|藤沢市公式ホームページ
東京都世田谷区の場合は、区内13カ所の公園を中心とした公共施設でのキッチンカー出店を「経済産業部 産業連携交流推進課」で一括で取り仕切っています。
【参考】区有地でキッチンカー等の移動販売を実施しています!|世田谷区公式サイト
一方、仲介サービスである「モビマル」のキッチンカー出店場所紹介ページを見ると、「東大阪市役所」「さいたま市子ども家庭総合センター」「和泉市コスモ中央公園」など、全国各地のさまざまな公共施設での出店実績を確認できます。
【参考】【自治体】キッチンカー出店場所紹介|モビマル公式サイト
出店料は、1日:5千~1万円の「定額制」と売上金額の10~15%の「歩合制」が中心ですが、中には「定額+歩合制」の場合もあります。
6.フェア会場(住宅展示場・携帯ショップ・カーディーラー)
土日祝日に開催されるフェア会場へのキッチンカー出店の特徴は「買取出店」であることです。「買取出店」とはキッチンカーの出店依頼をした企業と、あらかじめ「〇〇というメニュー△△食分を◇◇円で買い取る」という約束をした上で出店する方式になります。1日に50~100食分を用意して5万~10万円で買い取られるのが一般的です。
企業はフェア会場への集客の一環としてキッチンカー出店を依頼するので、代金を支払うのはキッチンカーの来客ではなく企業です。フェアへの来場者には「引換券」が渡され、キッチンカーでは「引換券」と交換する形で無料で商品を渡します。
販売するメニューは企業側から指定される場合がほとんどで、スイーツ系・軽食系といったジャンルを指定される場合もあれば、「クレープ」「たこ焼き」「フライドポテト」など定番メニューを中心に具体的なメニューが指定される場合もあります。
フェア会場への出店は、仲介サービスを通じて行うのが一般的で、1日の売上金額の10~15%を支払う「歩合制」で出店料を支払う場合が多いです。その他に、SNSのDMで企業側から出店依頼される場合もあります。その際には、出店手数料は不要なので、より大きな利益を上げることが可能です。
7.道の駅・サービスエリア
キッチンカーの出店場所としての道の駅・サービスエリアの特徴は、曜日・時間を問わずコンスタントに集客ができることです。もちろん、土日祝日の方が来客数は多くなりますが、平日でも一定人数の来客がありますし、時間帯は朝から夕方まで満遍なく人が訪問する場所です。
道の駅・サービスエリアには既に固定店舗の飲食店があるのが一般的なので、管理者の方からメニューについては指定もしくは禁止メニューの伝達があるでしょう。出店可能な中から1日を通して販売が期待できる軽食系・スイーツ系のメニューの販売がおすすめです。
道の駅・サービスエリアへの出店は仲介サービスで紹介されることは、ほとんどありません。したがって、道の駅・サービスエリアなどに直接電話して、キッチンカーを出店するためにはどのような手続きが必要かを確認する必要があります。
8.大学キャンパス・専門学校構内
大学キャンパス・専門学校構内へのキッチンカーの出店は、平日のランチ時間帯が中心です。また、若い学生が来客の中心なので、安めの価格設定とボリューム感のあるメニューが求められます。学校側から〇月〇日はご飯系で〇台、△月△日はスイーツ系で△台といった指定が示される場合もあります。
値段は安めが良いが学校の補助がある場合も
大学キャンパス・専門学校構内でのキッチンカー出店の基本は安くてボリュームのあるメニューです。出店募集の際に、学校から「ワンコイン(500円)のメニューを最低1種類は準備してください」「学割メニューを準備してください」といった条件が提示されることも少なくありません。
その一方で学校によっては、学生の購入を金銭的に補助する場合もあります。例えば、「学生が購入する際は、メニューの500円超過分(700円の場合は200円)を学校側で購入補助する」「学生は100円引きで販売し、値引き分は後日精算する」といった条件が実際に提示された事例もあります。
出店は学校へ直接連絡して手続きを確認する
大学キャンパス・専門学校構内への出店情報は学校に直接確認するのが一番確実です。学校ホームページで代表電話番号を確認し、そちらに電話すれば担当部署(担当者)へ取り次いでもらうことが可能です。
近畿大学のように問い合わせた結果、仲介サービス(近畿大学の場合は、一般社団法人日本催事販売協会)を通して出店する形になることが分かることもあります。また、仲介サービスに加入すると、その中で大学・専門学校での出店を募集することもあります。
出店料は「歩合制」「定額+歩合制」が多い
大学キャンパス・専門学校構内でのキッチンカー出店に必要な費用は、「歩合制」「定額+歩合制」が一般的です。「歩合制」の場合は、売上金額の10~15%、定額+歩合制」の場合は1千~3千円+売上金額の5~10%という条件が出店料の相場になります。
以下の記事では、「近畿大学」に直接電話連絡して、出店に必要な情報を聞いたときのやり取りを文章に起こして紹介しています。
9.観光施設(遊園地・動物園・水族館)
観光施設には、すでに固定店舗の飲食店・売店が設置されている場合がほとんどなので、キッチンカーを出店する際はメニューなどに制限を受けるのが一般的です。先方の条件を把握した上で、自分の希望と合致するかを確認する必要があります。
観光施設では1日を通して来店があるので、軽食系・スイーツ系のメニューが適しています。食事系のメニューを準備しながら軽食系・スイーツ系のメニューも一緒に販売するのもよいでしょう。また、家族連れが多い場所でもあるので、子ども向けのメニューの準備は必須です。
観光施設にキッチンカーを出店するための手続きは、施設の代表番号に電話して、担当部署につないでもらい確認します。仲介サービスで出店募集があるのはまれなので、自ら施設への電話が必要です。
10.アミューズメント施設(ゲームセンター・ボウリング場・パチンコ店)
アミューズメント施設にキッチンカーを出店するときは、それぞれの場所の来客層を意識した運営が必要です。ゲームセンター・ボウリング場であれば、ふらっと遊びに来た家族連れが多いので、子どもの好きな軽食系・スイーツ系のメニューが適しています。
一方、パチンコ店であればパチスロ・スロットを楽しむ合間に、サクッと食事をとりたい成人男性が多いので、食事系・軽食系のメニューが好まれるのが特徴です。スイーツ系の販売はイマイチで、パチンコ店の募集ページに「スイーツ系はあまり売れません」と、はっきり書かれている場合もあります。
キッチンカーのメニューが売れる時間帯も、施設によって異なります。ゲームセンター・ボウリング場は特にピークはなく1日を通してまんべんなく売れるのに対して、パチンコ店では、ランチの時間帯が中心の販売です。
アミューズメント施設でのキッチンカーの出店募集は、仲介サービスで見つけられます。店舗に直接問い合わせて、出店条件を確認することも可能です。キッチンカー出店にかかる費用は、1日:3千~5千円の「定額制」と売上金額の10~15%の「歩合制」が中心です。
11.住宅街(大型マンションエリア・団地)
平日のキッチンカー出店場所として住宅街は選択肢の一つです。ランチ需要と夕方の時間帯の夕食に加える総菜メニューや子ども向けメニューの需要が期待できます。駅前のマンションなど住民以外の人通りもある場所なら、土日祝日の出店にも適しています。
住宅街への出店は仲介サービスを通じて行うのが一般的です。一度に出店できる台数には限りがあるので頻繁なサイトチェックが欠かせません。出店にかかる費用は、「定額制」なら1日:5千~1万円、「歩合制」なら売上金額の10~15%が一般的です。
まとめ
代表的なキッチンカーの出店場所として、「各種イベント会場」「都市部のオフィス街」「商業施設」など11種類を紹介しました。それぞれの場所ごとに、客層・来客が集中する時間帯・求められるメニューが異なるので、自分の営業方針に適した場所を選んでキッチンカーを出店しましょう。
出店場所の探し方は、「仲介サービス」「管理者への直接連絡」「競合相手の発信内容」の代表的な3つをまずは取り組みましょう。出店する際には「定額制」「歩合制」などの形で出店料が発生します。経営計画の作成時には、出店料も忘れずに費用に加えましょう。
出店場所ごとのさらに詳しい情報も学べる、無料のキッチンカー開業セミナーは、全国5カ所(東京・大阪・名古屋・福岡・千葉)の会場とオンラインで随時開催中です。