ここでは成功する移動販売車(キッチンカー)を
製作する上での重要なポイントについてご紹介します。

(1)目的にあった車種を選ぶ

どんな車を選べばいいのかは、自分の売りたい場所・メニューによって決めることができます。逆を言えば、自分の売りたい場所・メニューがあれば、自然と選ぶ車輌が決まるということです。

 

主な車種を特長と合わせて紹介します。

1、オススメの車輌

・軽トラック

軽トラック・スタンダード_一番人気の定番キッチンカー(移動販売車)

 

ランチに出店し、小さめのイベントに出る場合の定番車種となります。男性、大柄の人でも立つことができますし、運転がしやすく、小回りがききます。

 

デメリットとしては、大型イベントの出店が難しいことです。大型イベントはたくさんの人に売れる可能性があるため、食材をいかに多く積めるかが売上に直結します。そのため、軽トラックのサイズでは積める食材の量がそこまで多く詰めないため、せっかくのチャンスであっても売上が限られてしまうことになります。

 

もし、軽トラックベースの車両のキッチンカーでイベントに出る場合は、もう一台荷物を運ぶだけの運搬車を用意したり、他の食材を外注する業者に食材を運んでもらうなどの工夫が必要です。

 

 

・1.5tトラック

★1.5tトラック・スタンダードブラック_04

平日はランチに出店し、土日は大型イベントに出る場合の定番車種となります。先の軽トラックと合わせて、2台定番としてオススメしています。

 

普通免許で運転ができ、一般の駐車場に停めることができる最大のサイズになります。また、生協や佐川急便が使用していた中古が市場に出回ることも多く入手しやすいです。

デメリットは、運転に慣れるまで少し時間がかかることですが、そこまで難しいことではありません。


また、二つ目のデメリットとしては、東京の都内ランチ出店などは、ビルの軒先きでの出店などが多いため、小さい軽トラックベースのものでないと出店できないことがあります。

しかし、イベントなどで大きな売上を狙う方にとっては、小さい障壁だと思いますので無視してもよいかもしれません。

 

・2tトラック


<画像>

 

大型イベントに出る場合に特にオススメの車輌です。2tあれば、多くの食材を積み込めますし、中のスペースを広く取れるのでオペレーションがしやすいです。そのため、イベント出店の際など高額の売上を上げることができます。

 

また、

○水族館・美術館・競馬場などすでに集客が見込めているような場所

○キッチンカーの移動があまりない上に営業スペースを広めに確保できる場所

 

を持っている法人に関しては2tトラックなど、大きい移動販売車(キッチンカー)をオススメしています。

 

2、オススメしていない車輌

・軽バン(エブリィなど)

 

<写真>

 

車内に立つことができないモデルはオススメしていません。その理由は、長時間働くと腰を痛める可能性が高いからです。腰痛に悩まされると長く続けることができません。

また、オペレーションスペースが狭い場所での長時間労働は疲れかたも強いのもおすすめしない理由になります。

 

営業場所の高さなどの理由で軽バンタイプのキッチンカーを利用する場合は、調理器具の配置や作業スペースの確保など、オペレーションのしやすさを独自に開発する必要があります。また、キッチンカーの外で休憩できるスペースを確保するのも大切なポイントになります。

 

3、1台目にはオススメしていない車輌

・クイックデリバリー

 

<写真>

 

トヨタがヤマト運輸のために製作した車種です。現在は生産が中止されているため新車がなく、中古のみになります。

 

デメリットとしては、

・その用途から中古で出てくる車輌は走行距離が長いものが多いこと
・価格は、そもそもめったに出てこないため高額(総費用としては500万円くらいが一般的)であり、かけるコストが大きいこと
全体的に整備が必要な車両が多いので、整備費用も多めにかかること

 

といった点があり、トータルコストを考えた場合、1台目にはオススメしていません。

 

・バスタイプ

 

<写真>

 

このタイプは、駐車場を確保することが大変なため、1台目にはオススメしていません。

ただし、日本にまだバスタイプのキッチンカーが少ないため、高額の予算を準備してでもブランディングしたい方にとってはチャンスかもしれません。例として、沖縄の人気ピザ屋であるバカールのバスのキッチンカーはどのイベントでも引っ張りだこです。しかし、製作コストはかなり高額になります。

 

(2)安すぎる中古車を購入する際はご注意


メンテナンス費用がこまめにかかる可能性があります。一番のリスクは、せっかく出店が決まっていたのに、急遽メンテナンスに出すことになり、キャンセルをしてしまうことです。そうなるとイベンターさんと関係性が悪くなり、その後の売上確保にも響いてしまいます。

 

安すぎるの定義ですが、私たちは100万円以下としています。よさそうに見えたとしても、ご自身が専門家でない限りは、購入しないことをオススメしています。安く手放したいというのはそれなりの理由がある、ということでもあるためです。

 

もしガッツがあってチャレンジしてみたいという場合は、必ず専門家を頼りましょう。もしいい中古車がでてきたときに最低限以下の項目はチェックしましょう。

 

==ネット上に出ているキッチンカーを購入する時に気をつけるべきこと==

 

・距離飛びはしていないか

中古キッチンカーだと、走行距離が(元々)軽車両だったものは8万キロ以内、普通車両のものは13万キロ以内を最低限の目安にしてもらいたいです。

しかし、例外もあります。例えば、10年前に初度年度登録されたトラックが1万キロ以内の走行距離の場合、その走行距離が本当かどうか疑ってみましょう。

 

実際は10万キロほど走っていて、メーターを改ざんしている可能性があるというものです。異常に安いのに、異常に走行距離が若いという中古キッチンカーは要注意です。

 

・ニコイチにはなっていないか

キッチンカーは改造車なので、改造が好き・得意な方が自作で作ることがあります。改造が上手な方は二つの車を使ってパーツを入れ替えたり、組み合わせて理想の車に改造することがありますが、こちらは車検に通らない可能性が高いです。

 

すごく格好良くて機能的だけど、車検が通らなくて道路を走れない。ということもあるので、気をつけましょう。

 

 

・足回りが過剰に劣化していないか

車の整備士が見るとすぐに分かる劣化度合いも、素人目にはなかなか分からないものです。例えば、車両下部が強めに錆びていてスタッドレスタイヤをはいているトラックがあるとすると、それは、東北地方や沿岸部で使われたトラックの可能性が高く、劣化度合いが強い可能性があります。

 

そのようなトラックは整備費用が高額にかかる可能性が出たり、整備頻度も上がってしまう可能性があります。そのため、なるべく、劣化度合いが強くないベーストラックを使っているキッチンカーを手に入れる必要があります。

 

 

・加工車登録はしてあるか

外見がキッチンカーであっても、陸運局に登録されている状態がトラックのものとキッチンカー(加工車)のものがあります。

 

陸運局にトラックとして登録してあるものの問題点としては、車検のたびにキッチンカーではなくトラックに戻して車検を通さなければいけないということです。

 

具体的には箱の無いトラックで車検を通し、荷台部分にキッチンボックスを荷物として載せているキッチンカーの場合、車検のたびにキッチンボックスを取り外して車検を取る必要があるということです。

また、この状態のキッチンカーは今後、法整備が進むと違法になる可能性も高く、そのキッチンカーがキッチンカー(加工車)として登録してあるかどうかも、確認する必要があります。

 

・加工車登録できる作りになっているか

加工車登録されていないキッチンカーの場合は、自分が購入して使い始める時に加工車登録をする必要があると考えて良いでしょう。

 

2018年5月段階では加工車登録をしていないキッチンカーを取り締まる動きは見受けませんが、今後、法整備が進むと加工車登録をされていないキッチンカーが運営できない可能性も無視できません。


ですので、加工車登録がされていない中古キッチンカーを購入する場合は、加工車登録ができるものなのかどうかを確認し、加工車登録をしてから使い始めることをおすすめします。

 

・保健所の営業許可が取れる仕様かどうか

キッチンカーの様に見えても、自分が営業をする地域の保健所の営業許可が取れないとキッチンカー営業ができません。ここでポイントになってくるのが、タンクの大きさとシンクの大きさです。

 

例えば、千葉の保健所では営業許可が出ていたキッチンカーであっても、東京や神奈川では営業許可がおりない可能性があります。なので、中古キッチンカーを購入する前に、保健所の許可関係について調べてから、営業許可がおりる前提での中古キッチンカーの購入をおすすめしています。

 

以上、中古キッチンカーを購入する時に気をつけるべきことでした。

 

(3)オペレーションのしやすさにこだわる

オペレーションのしやすいキッチンカーを選びましょう。
そのための視点は3つあります。

1、提供時間を短くできる内装と設備

売上は、お客さんがコンスタントに来てくれるという前提の上では、食材の数と提供時間によって決まります。そのため、食材を置ける充分なスペース、スムーズに料理を提供できる作業スペースのどちらも確保することが重要です。売上目標によっては2人以上で車内で作業するケースもあります。そのため、本当に必要なもの以外は置かず、できる限り広いスペースを確保することをオススメします。

 

・内装は自由に変更できる柔軟性がポイント

 

あるとき、移動販売車(キッチンカー)を直して欲しいという依頼をいただきました。
特長は以下です。

 

販売品:からあげ

車種:1.5tトラック

設備:唐揚げ機3台、大型冷蔵庫、その他

 

内部は1人通るのがやっとのスペースになっていました。このままでは作業がしにくく使い勝手が悪いことは一目で分かります。また、オーナーが実際にイベントに出店してみたところ、唐揚げ機は1台しか使わず、他の器具は作業台になってしまっていたとのことでした。

   

そのような状況に対して行った変更は2つです。

 

1つは、

3台あった唐揚げ機をすべて外し、作業台に変えました。その代わりに着脱式の揚げ機を置きました。依頼主さんもイベント出店の経験からそれで充分に通用することが分かっていたのです。

 

もう1つは、

揚げ機以外の器具を購入するということです。たくさん人が集まるイベントがあっても、すでに唐揚げの出店が決まっていたことがありました。そうするとせっかくのチャンスがあっても出店することができません。そのイベントでは丼ものの枠は空いていたのです。丼ぶり用の着脱式の器具を購入し、丼もの屋さんとして出店できるようにしました。

  

これらは言い換えると違うメニューも販売できる設備を整えておくと言えます。最初に専門器具を揃えるよりもコストを下げることができるのでオススメです。また、移動販売車(キッチンカー)を長く続けている方々の多くがこのやり方をとっています。

  

続けていく中で、このメニューであれば絶対いける!と分かった際には、専用機具を入れていくことをオススメします。

2、体力・健康面が消耗しない内装・設備

継続して移動販売を行うためには体力・健康面への配慮は欠かせません。
そのポイントを整理します。

 

・直立できるので腰痛になりにくい

 

例えば、レストランの厨房やカフェの提供スペースが、直立できない高さだとしたら、そこで数時間働くのは難しいと感じるのではないでしょうか。

 

車内での作業はレストランやカフェと変わらない質のメニューを提供したり、基本的に同じ体勢でやり続けるため、もし車内で直立できない、あるいは動きやすいスペースが確保できないタイプの車輌を選んだ場合は、座ったまま、あるいは腰を曲げた状態などあまり身動きが取れない中でやることになります。そうすると、負担が特にかかり、腰痛になりやすくなるのです。

 

そうならないためにも車内でも立てるタイプの車輌を選びましょう。動きやすく高さもあるキッチンは疲れにくく、楽しく継続でき、安定した利益確保にも繋がるのです。

 

・暑さ対策ができている

  

車内では調理をすることになるため、温度が上がります。また身体を動かすので体感温度も上がります。そのため、暑さの対策も欠かせません。水分補給をこまめにすることはもちろん行いましょう。また、よく冷房を導入する話を相談されあることがありますが、オススメしていません。その理由は、キッチンカーは販売窓が大きく作られているので、冷房をつけても外気として外に冷たい空気が逃げてしまうためです。

   

私たちがオススメしているのは保冷剤を羽につけた扇風機を入れることです。理想は、扇風機の風が顔に当たる位置に設置することです。扇風機は消費電力も冷房に比べて少ないというメリットもあります。また、風通しがよい作りにしておくというものポイントです。

例えば、ピザ窯をキッチンカーの中に入れる場合は、換気扇をいれるのもはもちろんですが、上部分から空気が逃げる様に工夫してあげてください。

 

(4)外装は車輌のデザインではなく、看板にこだわる

私はコストをかけるのであれば外装ではなく、看板にこだわることをオススメしています。実際に、長く続けているオーナーさんは外装ではなく看板にこだわっている人が多いです。その理由について紹介します。

1、外装は、看板を出すと隠れることが多いから

実際に移動販売車(キッチンカー)が出店しているイベントに行ってみると分かるのですが、車の外装は看板で隠れています。そのため、外装にいくらこだわろうとしても現場では看板で隠れてしまうため、看板に力をいれることをオススメしています

2、コストを下げられるから。

そもそも車輌をオールペイントするとコストがそれなりに高額になります。しかし、看板であれば低いコストで作れますし、季節ごと、メニューごとに看板を変えるだけで違う雰囲気のお店にできます。

以上の理由からコストをかけるのであれば、外装ではなく看板にかけることをオススメしています。

 

(番外編)看板づくりのポイント

看板づくりにもポイントがあるのでご紹介しますね。

1、外装は、看板を出すと隠れることが多いから

あるピザ屋さんのイベントがありました。そこではピザを出している移動販売車(キッチンカー)が2台並んでいました。片方は大行列だったのですがもう片方はほとんど並んでいませんでした。その違いは何だったかというと、看板の大きさでした。大行列の方が看板が大きく見やすかったのです。ですが実は、その並んでいないピザ屋さんの方がプロから見てもおいしいピザだったのです。味よりも看板の大きさ、見やすさが集客に大きく影響していることが分かる事例です。もちろん、味がよくなければリピートはしてもらえませんが、そもそもまず一度食べていただくために看板がいかに重要かが分かると思います。

 

2、商品紹介と金額は別にすること

大きく作る看板の内容は商品紹介に特化しましょう。何を売っているお店なのか、そして、それがおいしそうに見えること。それが大きい看板の目的です。細かいメニューや金額は近くに来たときに見えるようにしていればいいのです。また、金額については同じメニューであっても別のイベントでは価格を上げることができるなど、変動の余地があるため、書き直せたり、別の表記のものも用意しておくことがオススメだからです。

 

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