「キッチンカーをやっている人の年収ってどれくらいなのだろう?」

「ゼロからのスタートでもキッチンカーで売り上げってあがるの?」

「上手くキッチンカーで稼げている人とそうでない人の違いって何だろう?」

こんな悩みを抱えていませんか?

その気持ちはすごく分かります。

商売である以上、簡単には稼げませんし、必ずしも稼げるわけでもありません。

ただ、既にキッチンカー事業に取り組んでいる方たちの売り上げ・年収・利益率がどれくらいで、収入アップのためにどんな取り組みをしているのか、まずは知っておきたいですよね。

この記事では、

  • キッチンカー事業者の年収について
  • 売り上げアップに必要な7つのコツ
  • コストダウンに必要な3つのコツ
  • キッチンカー事業で稼げている人の共通点

について紹介します。

ぜひ最後までお読みください!

キッチンカーの年収は400万・月収33万!実体験をもとに解説

キッチンカー

キッチンカー事業に取り組んでいる人たちの平均年収(収入)は約700万円と言われています。ただし、実際にはキッチンカーの出店場所・稼働日数・メニュー・原価率・利益率などにより年収のばらつきは大きくなります。

年収1,000万円を超える人がいる一方で、その何分の一の収入に留まっているケースもあるのが現状です。平均年収が700万なのに対し、割合的に一番多いのは、年収(収入)400万~500万円の層と言われています。

著者のキッチンカー運営経験をもとに算出した年収収入400万円の例は次の通りです:

  • 売り上げ:960万円(1日の売り上げを土日6万円、平日2万円として、稼働日は土日(52週×2日)と月曜祝日(年に4日)、平日のうち3日(52週×3日)とした)
  • 原価:288万円(売り上げの30%)
  • 出店料:96万円(売り上げの10%)
  • バイト人件費:87万円(土日と月曜祝日のみ1名を1日8千円で雇用した)
  • その他雑費:87万円(売り上げの9%、燃料費など)

—–

  • 年収(収入):402万円(「売り上げー原価ー出店料ーバイト人件費ーその他雑費」で算出)
  • 月収:33万5千円

この場合の売上金額:960万円に対して、利益額(年収):402万円なので、利益率(利益額÷売上金額×100)は41.9%になります。

売上金額:960万円という数値は、客単価を1千円とすると、土日は60名、平日は20名の来客があれば、達成できる売上目標となります。そう考えると、実現は決して不可能ではない数字ではないでしょう。

キッチンカーの年収(収入)アップに必須の考え方

キッチンカーの収入(年収)アップに必須の考え方

キッチンカーの年収・月収は以下の式で算出できます。

年収(1年間の収入)= 1年間の売上金額 – 1年間の運営コスト

月収(1カ月の収入)= 1カ月の売上金額 – 1カ月の運営コスト

または

月収(1カ月の収入)= 年収(1年間の収入) ÷ 12

上記の式から分かるように、キッチンカーの年収(収入)をアップするためには、「売り上げを増やす」と「コストを下げる」という二つの解決方法があります。つまり、年収を50万円増やすためには、「コストは変わらず売り上げを50万円増やす」「売り上げは変わらずコストを50万円減らす」のどちらの方法でも可能です。

漠然とキッチンカーの年収(収入)を増やす、と考えるのではなく「売り上げを増やす」または「コストを下げる」と、具体的な目標を決めて施策を考え実行することが求められます。

キッチンカー売り上げアップのコツ7選

キッチンカー売り上げアップのコツ7選

キッチンカー事業の収入を上げるためには、1円でも売り上げをアップし、逆に1円でもコストをダウンする必要があります。こちらでは、売り上げアップのために欠かせない七つのコツを紹介します。

1.提供スピードを意識してメニューを選ぶ

キッチンカーの売り上げを伸ばすためには、いかに回転率を高くするかが重要です。例えば、同じ1千円の商品であっても、30分で15食の提供が可能なメニューと30食の提供が可能なメニューでは、売り上げが倍になります。

特に平日のランチ営業では、実際にお客様が来店されるのは20~30分に集中するので、この時間内にいかに注文をさばけるかが勝負です。したがって、メニュー選びの時点から提供スピードの速いものを選ぶことが重要です。

例えば、カレーライスや魯肉飯であれば、あらかじめ炊いたご飯とルウを準備しておけば、現場ではご飯とルウを順に盛り付ければ、注文から30秒とかからず提供可能です。提供スピードを上げるためには、オペレーションの面での工夫も必要となってきます。特に現場での調理工程を極力なくすために、キッチンカーが現地につくまでの事前の仕込みが重要となります。

その他にもキッチンスペースの動線確保や整理整頓の徹底により、調理が素早く行える環境作りも必要です。このようにメニュー選びからキッチンカーでの調理工程まで含めた、創意工夫により提供スピードが上がれば、売り上げも自然に上がっていきます。

2.オリジナリティのある定番メニューを販売する

キッチンカーで高い売り上げを確保するためには、提供スピード以外の面でもメニュー選びは重要です。メニューは多くの人に馴染みのある定番メニューをおすすめします。なぜなら、多くの人は「知らないメニューを扱うキッチンカー」と「よく知っているメニューを扱うキッチンカー」が横並びになっていたら、良く知っているメニューを選ぶ傾向にあるからです。

選択を間違えたくない心理が働き、このような結果となります。例えば、聞き馴染みもなく味も分からない「〇〇チキン」よりも「鶏の唐揚げ」の方が良いでしょう。

ただし、どこにでもある何の変哲もないメニューでは不十分で、オリジナリティが求められます。オリジナリティを付けるためにおすすめなのは「地元〇〇の野菜使用」や「有機栽培の原料のみ使用」といったように、食材の生産地や栽培法をアピールする方法です。これなら、簡単に定番メニューにオリジナリティをもたせられます。
キッチンカーで販売するのにおすすめの人気メニューについては、下記の記事で詳しく紹介しています。

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【2024年最新版】キッチンカーにおすすめの人気メニュー14選!売れるものはコレ!

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3.客単価が高くなるようにメニューを工夫する

キッチンカー

ひとりのお客様に使っていただく金額を大きくすることも、キッチンカーでの売り上げをアップには欠かせません。客単価を上げるには二つの考え方があり、一つ目はメニューそのものの金額を高くすることです。例えば、メニューに付加価値を付けることがこれにあたります。

何の変哲もないカレーライスよりも「〇〇ブランドの黒毛和牛使用カレーライス」の方が価格を高くできるでしょう。もっと、簡単な方法では「大盛り+200円」や「イチゴトッピング2倍+300円」のような付加価値の付け方もあります。

客単価を上げる二つ目の考え方は、セットメニューを作ることです。例えば、キッチンカーでクレープを販売する場合なら、このような感じです:

  • クレープ:500円
  • ドリンク:300円
  • クレープとドリンクセット:700円

セットメニューは異なるメニュー同士に限定されず、1個:500円の商品を2個で900円といった形でのセット販売もできます。基本メニューが決まったら、どのような付加価値が付けられるかを考え、客単価が高くなるよう工夫しましょう。

4.イベントを中心にとにかく出店場所を確保する

キッチンカーの売り上げアップのために、最も重要なことの一つが出店場所の確保です。当然ながら、出店できなければ、その日の売り上げはゼロになってしまいます。その中でも土日祝日は客足が多く、売り上げも平日とは大きく違うので、土日祝日の出店場所の確保は絶対に必要です。

土日祝日はできるだけ、イベントへの出店を目指しましょう。イベントには大小あり、来客数もまちまちですが、総じてイベントの来客者は財布のひもが緩みがちなので、大きな売り上げが期待できます。

某ロックフェスティバルに参加した知人は、開催期間の数日で1,000万円を超える売り上げを達成したそうです。もちろんそれだけの売り上げを可能にする、「メニュー作り」「人員配置」「オペレーション」をした彼の力も大きいですが、イベントの破壊力を知らされた出来事でした。

平日については、

  • スーパー
  • ドラッグストア
  • 大学
  • パチンコ店
  • オフィス街
  • 住宅街(特にマンションが集まっているところ)

などが出店場所の候補です。

イベントほど一気に売れませんが、定期的に同じ場所に出店できるようになれば、売り上げの安定につながります。更に固定客ができれば、より高いレベルでの売り上げの安定が期待できます。

最後にお伝えするのは出店場所の探し方です。イベントの場合は、主催する組織に当たりましょう。花火大会や夏祭りなど地域のイベントは「市役所・役場」「観光協会」「商工会議所」の主催がほとんどです。まずは、出店したい地域のこれらの組織に「キッチンカーが出店できるイベントはないか?」と聞いてみましょう。

私の場合も、問い合わせをした結果、イベントの時期や申込の時期について色々と教えてもらい、出店に繋がった経験があるので、おすすめの方法です。

平日も含めその他の探し方には、

  • ネット検索(「キッチンカー 出店募集 地域名」「キッチンカー 出店情報 地域名」などで検索)
  • マッチングサイトを利用(「キッチンカー 出店場所 マッチング」で検索すると複数のサイトが見つかります」
  • 良さそうな場所(お店)を見つけたら、直接交渉

などがあります。

キッチンカーの良いところは、移動が自由にできることです。実際に出店してみて、売り上げがイマイチであれば、場所を変えて試すことが何度でも可能です。最初のうちはドンドンさまざまなところで試してみて、自分に合った出店場所を見つけていきましょう。出店場所を確保する方法については、以下の記事で体験談を交えて詳しく解説しています。

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キッチンカー売り上げアップのコツ7選

5.出店場所と相性が良いメニューを販売する

キッチンカーで大きく売り上げるためには、出店場所とメニューの相性も考慮することが求められます。例えば、オフィス街でのランチ出店でスイーツ系メニューを販売しても、あまり大きな売り上げは期待できないでしょう。きちんと出店場所の需要(ランチ出店なら、昼ご飯を購入したい)を見極め、需要に適したメニュー販売が必要です。

ただし、必ずしも最初から出店場所に最適なメニューが販売できるわけではないので、どんどん試行錯誤を繰り返す姿勢が求められます。キッチンカーなら出店場所も販売メニューも気軽に変更できるので、さまざまな条件を試してみて「出店場所×販売メニュー」の最適解を見つけましょう。出店場所と販売メニューについては、以下の二つの記事で詳しく解説しています。

» キッチンカーの出店場所おすすめ11選!出店料と3種類の探し方を解説

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6.商品が一目で分かるのぼり・垂れ幕を設置する

キッチンカー

出店時に大事なのは、お店の前を通りかかった方が一目で何を売っているお店か分かることです。人間の心理として、何のお店かな?、とは思ってもわざわざ近づいて確かめようとはなりにくいので、見た目の分かりにくさは、お客様を逃しかねません

通りすがりでも分かるように、ノボリや垂れ幕(タペストリー)を設置しましょう。この際に料理の写真を掲載すると、より一層通りかかった方へのアピールとなります。実際の商品を撮影した画像データがあれば、簡単にネットでオリジナルデザインのノボリや垂れ幕を作成できます。

その他には、メニューを書いたA型看板などを設置するとお祭り感が出て、楽しい雰囲気を作れます。チャンスを逃さないためにも、見た目でのアピールは必ず行いましょう。

7.ホームページ・SNSで宣伝活動する

キッチンカーの売り上げアップのコツとして最後に紹介するのは、ホームページや各種SNSを使った宣伝活動です。キッチンカーは毎日のように出店場所が変わります。一度来てもらった、もしくは興味をもってくれた方たちに、来店してもらえるよう、Instagram、Twitter、Facebookで出店情報は随時アップしましょう

それぞれのサービスごとに利用している層が異なるので、できれば複数のSNSの利用をおすすめします。ちなみに、InstagramとFacebookは運営会社が一緒なので、最初に設定すれば、Instagramへの投稿が自動的にFacebookにも投稿されます。

投稿内容としては、日々の出店状況のほかに、月初めに1か月の出店スケジュールをお知らせすれば、興味を持ってくれている方たちへの告知としても有益です。SNSを通してイベント主催者から出店依頼が来ることもありますので、毎日のアップは手間がかかりますが、売り上げアップのためにも頑張ってやりましょう。

最後にホームページは、日々の情報発信よりも、ここを見ればこのキッチンカーの全てが分かります、といった情報の取りまとめ場所として使います。メニュー紹介、各月の出店予定はもちろん、どういった想いで取り組んでいるかなど、キッチンカー事業の資料としてホームページを活用しましょう。

もちろん、出店依頼など受け付けるための問い合わせフォームの設置もお忘れなく。現状、キッチンカー事業者でホームページを持っている人は少ないので、ホームページをもつと信用度も上がり、周りから頭一つ抜けた存在になれるでしょう。

キッチンカーのコストを抑えるコツ3選

キッチンカーのコストを抑えるコツ3選

キッチンカー事業の収入を上げるために、売り上げアップと同様に重要なのが、コストダウンです。こちらでは、コストダウンに直結する三つのコツを紹介します。

1.原価が安いメニューを選ぶ

どれだけ売り上げが高くても、材料費などの原価の割合が高ければ、最終的な収益は増えていきません。一般的に飲食業の原価率は25~35%と言われていますので、この数値を一つの目安にして、なるべく原価率を下げる努力が必要です。

一般的に粉ものと呼ばれるメニュー(たこ焼き、お好み焼き、クレープ、ピザ、焼きそばなど)は比較的原価が安く、かつ販売価格もそれなりの金額になるので、おすすめのジャンルです。

特にたこ焼き、クレープ、ピザはトッピングでアレンジがしやすいので、メニューのバリエーションを増やしたり、単価アップ、更には季節限定メニューなどのオリジナリティが出しやすい点もキッチンカーに向いています。

粉ものがキッチンカーメニューとして向いているもう一つの理由は、原材料の粉が常温保存できることです。常温保存できれば、保管場所も確保しやすいので、まとめ買いして仕入れ値を下げるといった工夫も活きやすくなります。

2.条件が良い仕入れ先を選定する

同じ商品であっても、売り手によって価格が異なります。複数の会社に相見積もりをとり、少しでも安い仕入れ先を選ぶことも原価を安くするためには必要です。その際には、まとめて仕入れることにより一つ当たりの単価を安くしてもらうなど、交渉時の工夫も必要です。

キッチンカーでは料理の材料のほかに、料理を提供するための容器やスプーンなどの消耗品も原価として考えなければなりません。こうした消耗品については、実際に取り寄せてみると、大きさや質感など思っていたのと違い、選び直しが必ず起きます。

なので、いきなり大量に注文して、結局使わずに破棄することにならないよう、まずは少ないロットで試してみることをおすすめします。

3.初期費用を抑える

キッチンカーの開業には300万~400万円の初期費用が必要となることが多いですが、この費用を抑えることもキッチンカーのコストダウンにつながります。

具体的な初期費用としては、

  • キッチンカー車両費(冷蔵庫、調理台、コンロなど調理備品含む)
  • 調理器具購入費(消耗品含む)
  • 食材購入費
  • ノボリ、垂れ幕、看板など販促物品購入費
  • 許可申請にかかる費用

などが最低限でも必要となります。

その他にも開業当初の運営費(出店料、アルバイト費用、燃料費など)も、あらかじめ用意しておかないといけません。このように開業時には何かと出費がかさみます。

まずは初期費用を抑えてキッチンカー事業を始めたいのであれば、車両を購入せずにレンタル(リース)して始められます。自分の状況に合わせて初期費用を抑え、事業の最初からしっかりと収益を上げていきましょう。

キッチンカーで稼いでいる人の共通点

キッチンカーで稼いでいる人の共通点

キッチンカーで稼いでいる人たちは、今回紹介した「売り上げアップ」「コストダウン」に繋がる努力を日々継続しています。もちろん、最初から上手くいくことばかりではないので、行動したけど思うような結果が得られないこともあります。それでも、腐らず試行錯誤し、改善を続けた先に今の状況があるのです。

実際に運営を始めると日々のオペレーションで精一杯になることも多いですが、平日のお客様が切れたタイミングなどを使い、考えること・行動することを止めないことが重要です。逆にこういった継続的な努力ができない人は、残念ながらキッチンカー事業が上手くいかないでしょう。

まとめ

キッチンカー事業者の平均的な年収は700万円ですが、実際に割合が多いのは400万~500万円です。収入を増やすために必要な七つの売り上げアップのコツと三つのコストダウンのコツを紹介しました。

キッチンカーで稼いでいる人は共通して、こうした売り上げアップとコストダウンの取り組みを日々継続しているのが特徴です。自分の努力次第で、稼げるのか稼げないのかが決まるところが、キッチンカー事業の難しいところでもあり、面白いところでもあります。

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