
「キッチンカーをレンタルして営業許可って取得できるのだろうか?」
「レンタルしたキッチンカーで開業するにはどんな手続きが必要なの?」
「キッチンカーをレンタルするときに気を付けるべき法律ってなんだろう?」
こんな疑問を持っていませんか?
その気持ちはよく分かります。なぜなら、私がキッチンカーの開業準備を進めているときに、レンタルすることも検討し、同じような疑問を感じたからです。
飲食業の経験ゼロから自力でキッチンカーを開業した経験のある私が、キッチンカーをレンタルして開業するために必要な情報を自分が開業したときの経験も踏まえてまとめました。
この記事では、
- キッチンカーをレンタルして営業許可を取得する手順
- キッチンカーをレンタルするときに違法にならないための注意点
をお伝えします。
キッチンカーをレンタルして開業するときに必ず知っておくべき情報をまとめましたので、ぜひ最後までお読みください。
![]() | 監修者 行政書士 |
フードトラックカンパニー行政書士事務所代表。年間330台以上のキッチンカーの営業許可をサポート。営業者の夢の実現を全力で応援し、全国の保健所との信頼関係を大切にしながら、キッチンカーに関わる許認可業務に特化している。プライベートではペット栄養管理士の資格を取得。
レンタルキッチンカーで営業許可をとり開業する3ステップ

キッチンカーをレンタルして営業許可を取得するための手順は、基本的にはキッチンカーを購入する場合と同様です。ただし、レンタカーならではの注意点もあるので、営業許可取得・開業を3ステップに分けて解説します。
1.営業許可取得に必要な条件を保健所に確認
レンタルキッチンカーで営業許可を取得するためには、まずはキッチンカーの保管場所(給水場所があればその管轄する保健所)を管轄する保健所へ、出店場所が保管場所と異なる場合は、その管轄する保健所に出向き、事業計画(販売予定メニュー・出店予定地域など)を伝えて、営業許可を取得するための条件を確認しましょう。
特に給排水タンクの容量によって、販売できるメニューの種類が異なるので、この点についての確認は欠かせません。
2021年6月の改正食品衛生法施行により、キッチンカーの営業許可については全国統一の規格ができました。しかし、細かい点では地域ごとの違いが残っているので、必ず自分の営業予定地域の保健所での確認が必要です。営業許可取得に必要な設備については、以下の記事で詳しく解説しています。
» キッチンカーに必要な設備はコレ!営業許可など6種類の用途別に徹底解説
2.条件に合ったキッチンカーをレンタル

キッチンカーの開業に向けて営業許可取得に必要な条件を確認したら、その条件に合ったキッチンカーをレンタルします。基本的にレンタルキッチンカーの場合は、既に設置してある厨房機器を変更することは難しいので、自分の条件に合った厨房機器を備えたレンタカーを探すことになります。
レンタカー会社によって、車種・備え付けの厨房機器は異なるので、自分の条件に当てはまる車種を根気強く探しましょう。また、実際に調理に使う炊飯器・ガス台・フライヤーなどの調理器具も一緒にレンタルできる会社とレンタルできない会社があります。レンタルできない会社の場合は、調理器具のみ別途レンタル先を探さなければなりません。
【重要】使用者を自分名義にしてくれる会社を選ぶ
キッチンカーのレンタル会社を探す際には、車検証の使用者欄を自分名義に変更してくれる会社を選びましょう。なぜなら、後述の法令順守をした上で営業許可を取得するためには、使用者の氏名が自分になっているキッチンカーを保健所に持ち込むことが必要だからです。
書類準備と保健所の営業許可を取得するための期間は、おおよそ二週間ほどかかります。レンタル期間と許可日にズレがあると、その間はレンタルしたままで営業不可となります。日数をフルで活用できるよう、前もって事前準備をしましょう。
3.保健所の検査に合格し営業許可を取得
キッチンカーのレンタル準備が整ったら、営業許可申請書類一式と一緒に実車を保健所に持ち込み検査を受けます。検査に無事に合格すれば、飲食店営業許可を取得しキッチンカーを開業できます。事前に保健所で十分に情報収集して、その内容をレンタルするキッチンカーに反映できていれば、検査には問題なく合格できるでしょう。
キッチンカーの営業許可取得に関する、より詳しい手順については、下記の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
» 【2022年8月更新】キッチンカーの営業許可取得マニュアル5ステップ!
キッチンカーのレンタルが違法にならないための注意点

キッチンカーをレンタルして開業する場合には、二つの法律(「道路交通法」「食品衛生法」)を順守することが求められます。誤った認識で、違法状態での営業にならないよう、それぞれの法律で注意すべき点を解説します。
道路交通法を守るためには「わ・れ」ナンバーまたは使用者が自分
道路交通法を順守した上で、お金を払ってレンタルしたキッチンカーを自分で運転して営業するためには、以下のいずれかに当てはまる車両をレンタルする必要があります。
- レンタル登録された車両(「わ」「れ」ナンバーの車両)
- 車検証の使用者欄が自分名義になっている車両
キッチンカーのレンタルサービスを行っている会社の中には、これらについて明記していない会社もあるので、実際にレンタルする前に確認が必要です。
食品衛生法を守るためには自分名義の営業許可が必要
レンタカーに限らず、キッチンカーを営業するためには「飲食店営業許可」が必要です。そして、「飲食店営業許可」を他人に貸し出すこと(いわゆる名義貸し)が、保健所によって厳しく禁止されています。
したがって、キッチンカーをレンタルして開業するためには、「自分名義の飲食店営業許可」が必要です。「わ」「れ」ナンバーの車両(一般的に使用者は「レンタカー会社名義」)の場合は、保健所からの許可がおりない場合もあるので、事前に管轄の保健所に確認しておくと安心できるでしょう。
» 法律順守でキッチンカーをレンタルできる|株式会社フードトラックカンパニーのレンタルサービスはこちら
まとめ
キッチンカーをレンタルして飲食店の営業許可を取得することは可能です。レンタルしたキッチンカーで開業するための手続きは、キッチンカーを購入した場合と同様です。ただし、キッチンカーに固定された厨房機器は変更ができないので、レンタルする前に保健所で検査に合格するために必要な条件(設置すべき厨房機器一式)を確認することが欠かせません。
キッチンカーをレンタルする場合には、「道路交通法」と「食品衛生法」を順守しなければなりません。レンタル会社によっては、違法になりかねない形でキッチンカーを貸し出している場合もあるので、今回紹介した条件を満たす会社を選ぶ姿勢が必要です。