
こんにちは!元クレープキッチンカーオーナーのMintです☆
この記事では私のキッチンカー営業の経験をもとに、電源設備についてこちらのサイトを通じて解説させていただきます♪
キッチンカーでは発電機やポータブル電源を使って電源をまかなっている・・・というところまで分かったけど、
- 「ポータブル電源の容量の選び方がわかない。」
- 「ソーラーパネルを使った充電方法ってどうなの?」
- 「キッチンカーで200Vの電源って使えるのかな?」
- 「サブバッテリーとポータブル電源ってどう違うの?」
- 「夏場に備えてエアコン取付けもできる?」
など、細かい疑問が解消できずに困っているという方も多いのではないでしょうか?
この記事はそんな疑問をすべて解消していただけるよう、「キッチンカー製作のプロ」であるフードトラックカンパニーさんの最新情報をもとに徹底解説していきます。
年間生産台数360台と日本一を誇る、フードトラックカンパニーの「製作現場だからこそ分かる生の情報」が満載!
細かい疑問もこの記事ですべてお答えできる内容になっていると思いますので、是非最後まで読んでみてください☆
目次
キッチンカーの電源設備4種類とメリット&デメリット

まず、キッチンカーでは下記のような電気機器において電源が必要となります。
- 調理器具(電子レンジ、炊飯器など)
- 換気扇
- 給水,排水ポンプ
- 冷蔵庫,冷凍庫
- 照明器具
- 音響設備
- POSレジ
また営業中だけでなく、キッチンカー走行中にも冷蔵庫(冷凍庫)を動かしておきたいという方もいるでしょう。
このようにあらゆる場面で必要な電源設備として、キッチンカーでは下記4種類のいづれかの方法で電源をまかなっているのが実情です。
- 現地調達(有料)
- 発電機
- ポータブル電源
- サブバッテリー
順に解説していきます。
①現地調達|電源使用料の相場はいくら?
キッチンカーにおける電源設備として最もおススメなのは「現地調達」。
現地のコンセントを借りることが最も安定した電力供給の方法です。
営業終了まで何の心配もなく使い続けることができる電源設備は他にありません。
電源使用料の相場と注意点は下記の通り。
- 電源使用料の相場は1000円~2000円程度
- 1口(1300-1600W)
- 単相100V電源のみです。
出店場所の設備によっては200V電源を貸してもらえるかもしれませんが、あらゆる場所での出店に備えるためには100V電源を基準に考えておくのがベストです。(詳細後述)
②発電機|メリット&デメリット
現地で電源を調達できない場合、発電機を使って自家発電するという方法もあります。
燃料さえ補給できればキッチンカー営業中ずっと発電し続けることができるという点で、非常に優れた発電方法です。
ただし発電機を使う場合のデメリットもありますので、下記を参考に総合的に判断したうえで使うようにしましょう。
(発電機については後ほどさらに詳しく解説します。)
- (燃料さえ補給できれば)連続使用が可能。
- 電力消費の大きな調理機器でも使用可能(エスプレッソマシン、コーヒーメーカーなど)
- 本体価格が比較的安価
- 災害発生時の予備電力として使用可能
- 稼働時の騒音がおおきい。
- 環境への影響から使用を禁止する出店先が増えてきた
- 車両運転中は使用不可
- 重量が重く、キッチンカーへの積み下ろし作業が困難
- 本体が大きく、移動中のキッチンカー内部の置き場所に困る
③ポータブル電源|メリット&デメリット
さらに、ポータブル電源がキッチンカーで使われることも増えてきました。
ポータブル電源は持ち運びしやすく、大容量かつコンパクトな設計へと年々進化し続けておりキッチンカー営業においてもおすすめの電源設備です。
ポータブル電源のメリットとデメリットは下記の通り。
(ポータブル電源についても後ほどしっかり解説します。)
- 発電機のような騒音がなく静か
- 排気ガスが出ない
- 車両運転中でも使用可能(=冷蔵庫・冷凍庫の使用が可能)
- 災害発生時の予備電力として使用可能
- 車内に置いたまま使用可能
- 10年ほどの高寿命でコスパ◎
※ポータブル電源では充電時に冷却ファンが作動するためドライヤー程度の音は出ます。「無音」ではありません。
- エスプレッソマシンや電気フライヤー、のような消費電力の高い調理器具の使用は難しい
- 重量が重く扱いが困難
- 本体が大きく、移動中のキッチンカー内部の置き場所に困る
- 充電を忘れると現場で使える電源がない
④サブバッテリーへの走行充電|メリット&デメリット
さいごに、サブバッテリーを使った走行充電式の発電システムの紹介です。
この発電方法を採用しているキッチンカーオーナーも多数いらっしゃいますね。
サブバッテリーとは、車両のエンジンをかける為のメインバッテリーに加えて、電気機器を使用するために別途搭載するの予備(=サブ)バッテリーの事を指します。
サブバッテリーに充電する方法としはコンセントからの充電、ソーラーパネルによる充電も可能ですが、最も効率の良い方法として走行充電が採用されることがほとんどです。
走行充電とは車両のオルタネーター(発電機)から充電する方法のこと。
オルタネーターで発電した電力は、インバーターによって直流 (DC) 電力から交流 (AC) 電力に変換され、家電に使用できる電力となります。
車のエンジンをかければ自動的に充電が始まり、走行中に充電。充電が満タンまで貯まれば自動でストップする非常に便利な仕組みです。
ただしこの方法にもメリット&デメリットがあります。
- キッチンカー走行により充電可能
- 発電機のような騒音も排気ガス問題もなし
- 走行中でも冷蔵庫・冷凍庫の使用が可能
- 一度取り付けると移動させることができない
- 営業中、車外への持ち出し不可
- 修理、交換には本体代以外に工賃が必要
- 重量が重く扱いが困難
- サブバッテリーは2~3年で交換が必要
このようにサブバッテリーによる電源設備は比較的安価に導入できる反面、デメリットも多いのが難点。
またサブバッテリーへの走行充電システムは使用するパーツが多種にわたるため、故障の際の原因特定が難しい場合も多々あるようです。
このようなデメリットを総合的に考え、フードトラックカンパニーではサブバッテリー取付けは行っておらず、ポータブル電源を推奨されています。
ただしキッチンカーの使い方や、オーナー様自身の電装系の知識やスキルによってはデメリットが解消される可能性もあります。
その点を踏まえて各自ご検討ください。
ちなみにサブバッテリ―など車の電装系の作業には「電気工事士」の国家資格が必要です。
取り付け過程の些細なミスでも火災の原因になる恐れがあり、大変危険です。
お客さんを巻きこんで大変な事態に発展する可能性がありますので、決して素人のDIYで行わないようにしましょう。
調べてみた|みんなが選んだキッチンカーの電源設備TOP3!

ここまでご紹介した電源設備4種類の中で、サブバッテリーは推奨していないというのは前述の通りです。
ではサブバッテリー以外でどの発電設備が人気なのか、実際にはどのくらいのオーナーが購入しているのか、気になりませんか?
そこで皆さんの疑問を解消すべく、「電源設備の購入割合」についてフードトラックカンパニー様に調査を依頼。
これまでのキッチンカー製作でどのくらいの方が発電設備を導入されたのか、調べていただきました。

その結果が上記グラフのとおりです。
- 電源設備の購入なし 75%
- 発電機とポータブル電源両方を購入 12.5%
- ポータブル電源のみ購入 6.25%
- 発電機のみ購入 6.25%
電源設備の購入はもっと多いのかと思っていましたが、「何も購入しない」という方が75%と圧倒的に多い点は驚きでした。
開業費用を抑えるという点でも、最初は電源を貸してもらえる場所だけで営業経験を積むのがいいかもしれませんね。
ちなみに私がクレープのキッチンカーを開業した当初は発電機のみ購入していました。
ポータブル電源・サブバッテリーは、5年のキッチンカー営業において一度も使ったことはありません。
※電源設備をキッチンカー製作前に所有している方、必要な時だけレンタルされる方、営業開始後に状況を見て購入する方もいます。
今回のデータはあくまで「キッチンカー製作時点」の調査結果としてご覧ください。
キッチンカーの電源設備TOP3!
1位:発電機とポータブル電源両方購入(12.5%)
2位:発電機のみ購入(6.25%)
2位:ポータブル電源のみ購入(6.25%)
前述のとおり、電源設備を購入される割合は全体の25%程度にとどまっています。
その中のランキングTOP3としては「発電機とポータブル電源を両方購入」するパターンが1位(12.5%)で、最も多い結果となりました。
次いで「発電機のみ」「ポータブル電源のみ」が同率2位(6.25%づつ)という結果です。
発電機を購入する方は、調理機器の都合でどうしても発電機が必要だという場合が多いようです。
またポータブル電源は、走行中に冷蔵庫・冷凍庫を使いたい場合の購入とのこと。
これらのデータも参考にしつつ、あなたが販売するメニューと営業スタイルに合わせて考えてみてくださいね。
キッチンカーの電源容量を計算する3つの方法

さて、電源を現地調達するにしても発電機・ポータブル電源の購入を検討するにしても、どのくらいの電源を使用するのか把握しておくことが電源計画の第一歩です。
ここからはその際に必要となる、
①「消費電力=W(ワット)」を計算する方法
②「起動電力」を含めて計算する方法
③「電力量=Wh(ワットアワー)」を計算する方法
について順に解説します。
メモ帳・電卓をご用意の上、あなたも実際に計算してみてください。
①「消費電力=W(ワット)」を計算する方法
まずは「消費電力=W(ワット)」の計算方法です。
(ここでの計算結果は発電機を選ぶ際の目安になります。)
W(ワット)とは、その製品を最大限に活用したときの消費電力である「定格消費電力」を表す単位でのこと。
電気機器には「定格消費電力 〇〇W」との記載がありますので、あなたが使う予定の電気機器をすべて紙に書き出し、その合計値を計算してみましょう。
ためしに、下記の電気機器をもとに消費電力を合計した結果がこちらです↓。
- 換気扇 40W
- 給水・排水ポンプ 60w
- 冷蔵庫・冷凍庫 200w
- 照明器具 50W
- 音響設備 30W
- POSレジ(レシートプリンタ付き)60W
合計:440W
見ての通り、調理家電を使わない場合のキッチンカーの消費電力はおおよそこの程度でおさまることがわかります。
ここに調理家電が加わるとどうなるでしょうか?
- エスプレッソマシン(1400W)を追加→計1840W
- トースター(1300W)を追加→計1740W
- 電子レンジ(1200W)を追加→計1440W
- 電気ケトル(1000W)を追加→計1940W
- 一升炊き炊飯器(1300w)を追加→計1740W
※炊飯器は保温のみであれば100W程度です。
調理家電が加わると一転、1500wを超える消費電力になるものがほとんどです。
1300w-1600Wを超えると、現地調達の電源だけでは足りない可能性が高くなります。
この点を考慮したうえで全体の電源計画を立てるようにしましょう。
②「起動電力=W(ワット)」を含めて計算する方法
キッチンカーの消費電力は、前述のように電気機器の「定格消費電力」を合算することが基本となりますが、ここで一つ注意点があります。
それは、家電の中には「通常運転中の消費電力」と「起動時の消費電力」が大きく異なるものがあるということです。
家電製品名 | 消費電力目安 | 起動時消費電力目安 | 倍率 |
小型電気ポット | 450W | 450W | 1.0倍 |
IH炊飯器(3合炊き) | 700W | 700W | 1.0倍 |
ホットプレート | 1300W | 1300W | 1.0倍 |
ハロゲンヒーター | 800W | 800W | 1.0倍 |
扇風機 | 35W | 50W | 1.4倍 |
ミキサー | 220W | 260W | 1.2倍 |
電子レンジ | 1100W | 1430W | 1.3倍 |
エアコン(12畳用) | 1200W | 2200W | 1.8倍 |
家庭用冷蔵庫 | 260W | 1000W | 3.8倍 |
家庭用小型冷蔵庫 | 60W | 240W | 4倍 |
参照:Honda発電機さま https://www.honda.co.jp/generator/choice/point/
ご覧のとおり、通常運転中と起動時消費電力が同じものもありますが、冷蔵庫やエアコンのように起動時に大きく電力を消費する家電もあります。
家庭用冷蔵庫の起動時には通常運転中の3.8倍もの電力を消費しますし、エアコン起動時には通常運転中の1.8倍の電力を消費することが分かります。
この点を考慮しないまま電力を使うと、ブレーカーが落ちて貸主に迷惑をおかけする結果になりかねません。
何より計画通り電源が使えなくなる可能性もありますので、起動時の消費電力も含めたゆとりある電源計画を心がけましょう。
ただし、起動時消費電力は商品の取説にも記載されていないことが多いです。
各機種ごとの起動時消費電力は、メーカーに問い合わせるしかない場合も多々あります。
その場合は、定格出力の合計に2~4倍を乗じた電力量を目安に考えるのがおススメです。
例えば先ほどの消費電力合計440Wの場合↓
440W×2=880W
440W×4=1760W
880Wから1760Wに対応できる電源計画を立てよう!
このようにして算出した合計消費電力は、発電機の機種選びの際に必要になります。必ず控えておきましょう。
③「電力量=Wh(ワットアワー)」を計算する
次に「電力量=Wh(ワットアワー)」の計算方法を解説します。
(ここでの計算結果は、ポータブル電源を選ぶ際の目安になります。)
W(ワット)が瞬間的な電力の強さを表すのに対して、Wh(ワットアワー)はどれだけ電気を使ったかという量を表す単位です。
例えるなら、W(ワット)は水道から出る「その瞬間の水の勢い」。
Wh(ワットアワー)は「バケツにたまる水の総量」というイメージで、下記の式で計算できます。
定格消費電力(W) × 使用時間(h) = 必要な電力量(Wh)
ためしに、前述の440Wの電力を6時間の営業で使う場合を計算してみます↓。
このように算出したWhの大きさによって、あなたが選ぶべきポータブル電源の種類が決まりますのでこちらも必ず控えておいてください。
キッチンカーで使えるおすすめの発電機

前述の計算をもとに、必要であれば発電機の購入を検討しましょう。
まず、おすすめの発電機1点目はこちらのインバーター発電機。
消費電力2600Wまで対応可能です。
実際に私がクレープをキッチンカーで販売していた当時、電気クレープ焼き機と業務用冷凍庫、換気扇をこの発電機の電源だけで営業できた実績があります。
ガソリンを満タンにした状態で全ての機器は問題なく作動し、途中で止まることなく出店を終えました。
この時の連続使用時間は5時間ほどでしたが、それ以上使う場合にも給油すればさらに長時間の使用も可能です。
さらにHondaの発電機も、キッチンカーの現場では多くのオーナーさんが所有している発電機の一つで安心して使えるのでおすすめです。
キッチンカーの発電機にまつわる注意点6つ

発電機を選ぶ際に知っておくべき注意点を下記6つにまとめています。
①マイコン対応の「インバーター式発電機」を選ぶこと
②発電機が禁止されている場合の対処法を考えておくこと
③積み下ろしの労力を考えて購入すること
④キッチンカーの車内で発電機を使わないこと
⑤100時間の使用ごとにエンジンオイルを交換すること
⑥キッチンカーの発電機はレンタルがコスパ◎?!
順にみていきましょう。
①マイコン対応の「インバーター式の発電機」を選ぶこと
発電機の種類としては「サイクロコンバーター式」「三相式」「スタンダード式」「インバーター式」と各種販売されていますが、キッチンカーで使用する場合は必ず「インバーター式」を選びましょう。
インバータ式発電機は正弦波に近い電力波形のため、パソコンのような高品質な電化製品でも使えます。
また発電機の中でも比較的コンパクト且つ軽量設計で、マイコン搭載の調理家電にも対応。
マイコン(マイクロコンピューター)は今やほとんどの調理家電・電気機器に搭載されていますので、必ずマイコン対応のインバーター式発電機を選んでください。
②発電機の使用が禁止されている場合の対処法を考えておくこと
騒音による苦情や環境への配慮から、発電機の使用を禁止される出店場所が増えつつあります。
現地で電源を貸してもらえず、発電機も使えないという出店先もでてくるでしょう。
発電機を購入したらどんな場所でも出店できると考えるのは間違いです。
後述の「電源が使えない場合の対処法」の項も参考に、発電機が使えない場合に備えた対処も考えておきましょう。
③積み下ろしの労力を考えて購入すること
発電機の重量は、出店準備と片付けを行う上で大きな負担になることは間違いありません。
発電機の本体重量は900wでおおよそ10Kg程度。
1600wクラスは20Kg程度で、例えば燃料4Lを満タン入れるとトータル24Kgにもなります。
この点はよく考えたうえで購入しないと、結局使いこなせない・・・という私と同じ失敗につながりかねません。
↓
重すぎて一人で積み下ろしができないことに気付く
↓
以後一度も使わないまま自宅保管(←今もココ)※使ったのは初回1回のみ。
女性でなくても、重たい発電機の積み下ろしを出店のたびに繰り返し続けていけるのか。
この点まで考えた上での購入をおススメします。
ちなみに1人で持てる重さは体重の40%程度です。
体重70kgの場合、持ちは運べる重さの目安は約28Kgとなります。
参考:厚生労働省あんぜんプロジェクト
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzenproject/concour/2019/sakuhin1/n398.html
④キッチンカーの車内で発電機を使わないこと
発電機の排気ガスの危険性を知ってか知らずか、オーナーの中にはキッチンカーの車内で発電機を使う方もいらっしゃるようです。
発電機の排気ガスには大変有毒な一酸化炭素が含まれています。
一酸化炭素は匂いがなく、気付いた時には一酸化炭素中毒で命にかかわる事態になりかねません。
(積み下ろしの大変さは分かりますが)必ず屋外の十分な換気のもとで設置するようにしましょう。
⑤100時間の使用ごとにエンジンオイルを交換すること
また知らない方も多いのですが、発電機は100時間の使用につき1回、エンジンオイルの交換が必要です。
車と同じで発電機もオイル交換が必要になるので覚えておきましょう。
⑥キッチンカーの発電機はレンタルがコスパ◎?!
実際のキッチンカー営業では、必要な時だけ発電機をレンタルする方も多いようですね。
また年間の使用回数が少ない場合、購入するとかえってコスパが悪くなく可能性もあります。
インバーター式発電機は6~7年位でインバーターのコントローラーが壊れてしまうこともあるため、使用回数が少ない方が購入すると元が取れないまま使えなくなる可能性もあります。
(従来式の発電機は構造が単純で壊れにくいのですが、キッチンカーでは使えません。)
これらを総合的に考えると、最初はレンタルサービスを活用して様子を見てみるというのも一つの方法かと思います。
実際の使い勝手と使用頻度を確認したうえで購入を検討すると、失敗なく発電機を購入できるのでおすすめです。
発電機の稼働時間|どのくらい何時間もつ?

発電機について、さいごに連続稼働時間と携行缶によるガソリン補給について触れておきます。
連続稼働時間と実際の燃費は、機種やインバーターの制御、外気温・標高、燃料品質、負荷の波で変わります。
下記の表を参考にしつつ、実際の使用においては各機種の取説などで確認するようにしましょう。
満タン連続稼働時間の目安(ガソリン・100Vインバーター機想定) | ||||
出力 | タンク容量 | 負荷 | 消費燃料(L/h) | 満タン稼働時間の目安 |
1kVA(≒1000W) | 約3L | 25% | 約0.22L | 約14.0時間 |
50% | 約0.26L | 約11.5時間 | ||
75% | 約0.43L | 約7.1時間 | ||
2kVA(≒2000W) | 約4〜5L | 25% | 約0.40〜0.45L | 約9.3〜11.6時間 |
50% | 約0.52L | 約7.7〜9.6時間 | ||
75% | 約0.85L | 約4.7〜5.9時間 | ||
3kVA以上(≒3000W) | 約8〜10L | 25% | 約0.65L | 約12.4〜15.5時間 |
50% | 約0.78L | 約10.3〜12.8時間 | ||
75% | 約1.28L | 約6.3〜7.8時間 |
キッチンカーにおすすめのポータブル電源

つぎにキッチンカーで使えるおすすめのポータブル電源をご紹介しておきます。
フードラックカンパニーではANKER社製品を推奨されており、販売もされています。
Anker Solix C1000 Portable Power Station
・100%満充電までわずか58分
・業界屈指のコンパクトさ
・業界トップクラスの最大5年保証
この点で非常に優れた製品で、キッチンカーとして使用実績もあるのでおすすめです。
キッチンカーのポータブル電源選びの注意点3つ

また、ポータブル電源を選ぶ際の注意点についてまとめておきます。
「起動時消費電力」も含めた余裕を持った容量を選ぶことは、すでにお伝えしている通りです。
それ以外に下記の点にも注意してポータブル電源を選んでください。
①「リン酸鉄リチウムイオンバッテリー」を選ぶこと
②AC出力ポートができるだけ多いものを選ぶこと
③ポータブル電源はあくまで「補助電力」として使うこと
順にみていきましょう。
「リン酸鉄リチウムイオンバッテリー」を選ぶこと
ポータブル電源は主に「鉛蓄電池」「リチウムイオン電池」「リン酸鉄リチウムイオン電池」の3種類が販売されていますが、キッチンカーにおススメなのは「リン酸鉄リチウムイオン電池」です。
リン酸鉄リチウムイオン電池は充電サイクルが2000回程度。
長寿命で発火リスクが低く安全面に優れており、今後のポータブル電源の主流となるであろうバッテリーで、キッチンカーでも安心して使えるのでおすすめです。
AC出力ポートができるだけ多いものを選ぶこと
キッチンカーでは様々な電気機器の使用が想定されますが、ポータブル電源の出力ポート(=コンセントの差込口)は各機種によって個数がさまざまです。
あなたがポータブル電源で使う電源機器に見合うだけの出力ポートがあるかどうか、確認してください。
できるだけ多いものを選んだほうが、安心して使えるのでおすすめです。
ポータブル電源はあくまで「補助電力」として使うこと
キッチンカー開業をお考えの方の中には、ポータブル電源を「主要電力」として導入したいとお考えの方がいらっしゃるようですが、それはまず無理だと思ってください。
(営業時間中の照明とレジ程度の使用であれば可能でしょう。)
いくら大容量でコンパクトに進化を続けるポータブル電源と言えど、「(キッチンカー営業においては)局所的に使う補助電力」以上の電力は期待できないのが実情です。
現にフードトラックカンパニーにおいても、ポータブル電源を選ぶ6.25%の方々はキッチンカー走行中の電源確保のために購入されています。
片道1時間程度の出店先まで行く間、ポータブル電源を使って冷蔵庫を動かすための購入がほとんどです。
(帰りは食材が空になっていて冷蔵庫を動かす必要がなく、ポータブル電源も使わない場合も多々あります。)
よって5時間の営業時間中に冷蔵庫と照明と換気扇、音響機器とPOSレジをポータブル電源だけで動かし続けたいと思っても、現状のポータブル電源では相当難しいと言えます。
・出力が弱くて電気機器が作動しない
・営業中に充電が切れる
ということが起こりますし、かといって2台・3台とポータブル電源を購入するためには数十万単位で費用が上乗せになります。
開業費用とキッチンカーの広さによほどゆとりがある場合でない限り、ポータブル電源は補助電力としての購入をご検討ください。
キッチンカーのポータブル電源の充電方法

ポータブル電源の充電は、キッチンカーの営業終了後に帰宅してから自宅のコンセントにつないで充電される方が大半です。
ただし中にはオルタネーターチャージャーを使って走行中に充電する方、ソーラーパネルを使って充電しながら営業するという方もいらっしゃいますので、それについて解説していきます。
オルタネーターチャージャーによる走行充電
キッチンカーの走行中に充電したい場合には、下記商品のようなオルタネーターチャージャ―が使われます。
EcoFlow 500W Alternator Charger
1kWh容量のポータブル電源をわずか2.1時間でフル充電可能です。
ソーラーパネル(太陽光パネル)充電
また近年ではソーラーパネル(太陽光パネル)との併用を検討する方も増えています。
ソーラーパネルを車両天井に固定するタイプもありますが、このタイプは屋外常設として頑丈に作られているため本体がかなりの重量となります。
また故障の際、修理費用も高くなる傾向にあることからフードトラックカンパニーでは下記のような「移動式ソーラーパネル」を推奨されています。
Anker Solix PS400 Portable Solar Panel
実際にキッチンカーに導入するオーナー様はまだ少数ですが、導入すれば営業時間中の発電と充電が可能になりますので予算に余裕のある方はこの方法も検討してみてください。
キッチンカーで電源が使えない場合の対処法2つ

ここまで電源について解説してきましたが、なかにはどうしても電源を使えない(もしくは電力が足りない)場合もあるかもしれません。
そんな出店先への備えとして、下記の2点で対策を考えておきましょう。
- 対策1:調理器具はできるだけガス調理器具を使う
- 対策2:電源が使えない場合のメニューを考えておく
それぞれ解説します。
対策1:調理器具はできるだけガス調理器具を使う
そもそもキッチンカーという限られた環境で、必要な電力を完璧にまかなおうとすること自体かなり無理があります。
前述のとおり、消費電力が大きいのは圧倒的に「調理器具」です。
エスプレッソマシン以外であれば、ガス調理機器で代用できるものがほとんだだと思いますのできるだけガスを使った調理を心がけましょう。
対策2:電源が使えない場合の代替えメニューを用意する
もう一つの対策としては、電源を使えない場合の代替えメニューを考えておくというものです。
例えば電源を現地調達できる場合はエスプレッソマシンを使ったコーヒーメニューで営業。
電源がない場合はハンドドリップのコーヒーメニューに切り替える。
といったように、出店先の電源事情に合わせたメニュー展開を考えておくというのも有効な対策の一つとなります。
Q&A|キッチンカーの電源設備でよくある質問と回答5つ

さいごにキッチンカーの電源設備についてよくある質問とその答えをまとめておきます。
質問1:キッチンカーを使わない日の電源はどうしたらいいですか?
キッチンカーを使わない日は自宅の駐車場に停めた後、自宅の電源コンセントから電源を確保する方法が一般的です。
質問2:キッチンカーを使わない日の冷蔵庫はどうしていますか?
質問1と同じく、自宅の電源コンセントから電源を確保して冷蔵庫を動かす方法が一般的です。
ほぼ毎日営業される方はこの方法が効率的だと思います。
私は週末のイベント出店に限りキッチンカーを使っていたので、それ以外の日は全ての食材を冷蔵庫から出して、自宅に設置した冷蔵庫に移し替えて保管していました。
よってキッチンカーの電源を自宅のコンセントにつなぐということは一度もありませんでした。
あなたのキッチンカー営業にとって効率の良い方法で考えてみてください。
質問3:キッチンカーに外部電源コネクタは必要ですか?
キッチンカーであればほぼすべての車両に「外部電源コネクタ」と呼ばれる専用の電源差し込み口が付いています。
外部電源コネクタから現地のコンセントにつないでキッチンカーに電源を供給。
あとはキッチンカー内部のコンセントから自宅と同じように電気が使えるので非常に使い勝手が良く、私の経験上取り付けをおすすめします。
※コンセントはキッチンカー製作時に、希望の場所に複数個取り付け可能。
しかし外部電源コネクタは絶対に必要なわけではなく、前述の電工ドラムを使って電源を引いても全く問題ありません。
その場合電工ドラムのコンセント差込口はせいぜい4か所くらいなので、たくさん電源を使う場合は差込口が足りなくなる可能性も含めてご検討ください。
質問4:キッチンカーにエアコンの取り付けは可能ですか?
キッチンカーにエアコンを取り付ける方も中にはいらっしゃいます。
取付自体不可能ではありませんが、そもそもキッチン部分を開放した状態で営業するので十分冷えず、コスパが悪くなる可能性のほうが高いです。
電源容量の問題もありますので、よほどスペースや開業資金にゆとりがある場合のみ検討しましょう。
また移動させられるという点で、エアコンよりもスポットクーラーや扇風機のほうが実用性があっておススメです。
質問5:キッチンカーで200V電源は使えますか?
現地調達できる電源は単相100V電源のみです。
200V対応の発電機も販売されていますが、価格が高額なうえ本体が大きくて重いため、日々の出店にかかる労力も含めて考えると現実的な選択肢とは言えません。
特にエスプレッソマシンでは、パワーのある200V電源のマシンを購入したいという方が多いようですが、100v電源で多くの出店先で使えるマシンを選んだ方が安定的な営業につながると思います。
キッチンカーでは単相100V用の調理器具を選ぶようにしましょう。
まとめ
以上まとめますと、キッチンカーの電源確保は現地調達が最優先です。
キッチンカーの電源を自家発電することの大変さもお分かりいただけたと思います。
電源設備は後付けも可能なので、コストと必要性、実用性を十分検討してから購入を決めるようにしましょう。