
「キッチンカーを始めたいけど、ポップに何を書けばいいの?」
「集客につながるポップの作り方が分からない」
「手書きのポップと印刷したポップなら、どっちの方がいい?」
こんな悩みをかかえていませんか?
キッチンカー経営にポップ作りは必要と分かっていても、具体的に何から始めたらいいか迷ってしまうケースは非常に多くあります。
![]() | 監修者 キッチンカー開業コンサルタント |
キッチンカー開業を志す方々の夢を形にする専門家。メニュー開発から車両選定、出店計画、開業資金の計画まで、キッチンカー開業に必要な全てをワンストップでサポートします。フードトラックカンパニーの豊富な実績とノウハウを活かし、成功への最短ルートを共に描きます。
この記事では、
- ポップやメニューボードの役割
- 初心者でも簡単に作れるポップの作り方4ステップ
- 遠くからでも目を引くポップの活用事例
- キッチンカーのポップを作る際の注意点
- キッチンカーのポップ作りでよくある質問
をお伝えします。
本記事を読めば、これからキッチンカーの開業を目指す方でも、売上アップにつながるポップの作り方が分かるようになります。既にキッチンカーを運営されている方にも、参考になる内容になっておりますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
ポップ・メニューボード・タペストリーの役割

キッチンカーの集客に欠かせないのが、ポップやメニューボード、タペストリーを使った商品説明です。遠くから見る外装の印象でキッチンカーの売上は大きく変わります。それぞれの役割は以下のとおりです。
- ポップは詳しく説明されたメニュー内容
- メニューボードはメニューの一覧表
- タペストリーは遠くからでも分かるお店の看板
ポップは詳しく説明されたメニュー内容
キッチンカーのポップは、商品の魅力を伝える役割をします。ポップ(POP)は「Point of Purchase Advertising」の略で「購買広告」を意味します。具体的なポップの内容は以下のとおりです。
- 遠くからでも目立つメニューや値段
- 実物を想像しやすいイラストや写真
- 季節限定メニューやおすすめメニュー
ポップはメニューボードに載せきれない情報を伝えます。ポップの詳細な説明を読むことで、お客様はキッチンカーに興味を持つでしょう。例えば山口県周南市「IMBISS」様のキッチンカーでは、ポップに商品の特徴を説明しています。またSNSのQRコードをポップに載せることで、また食べたいと思ったお客様にSNSを伝えることでフォローを促し、リピーターにつながります。

料理写真に手書きで説明するだけでも、ポップは集客効果があります。ポップでこだわったポイントが分かれば、迷うお客様の背中を押すからです。ポップは詳しく説明されたメニュー内容であり、迷うお客様の背中を後押しする重要な役割を果たします。
メニューボードはメニューの一覧表
メニューボードは商品名と値段を提示するためのボードです。黒板やホワイトボードで手書きされるものや、アクリル板の額縁にポップを並べる方法など、さまざまなメニューボードがあります。
キッチンカーの前に行列ができてもメニューボードを見れば、販売するメニューが分かるため、待ち時間に購入するメニューを決めることが可能です。会計時にはスムーズに注文できるので、メニューボードがあることで回転率が上がり、キッチンカーの売上アップにつながります。
実際に千葉県印西市「あっきーのキッチンカー」様では、ポップやタペストリーに載せきれないメニューをメニューボードに記載しています。場所を限定して全メニューを伝えられるため、メニューボードはキッチンカーにとって欠かせない存在です。

他にも神奈川県横浜市「よこ’s」様のキッチンカーでは、カレーを注文したお客様へのサービス内容をメニューボードに記載しています。ポップよりも簡単に書いたり消したりできるので、日替わりメニューや限定価格を表示するのも便利です。

キッチンカーのメニューボードは、ポップに載せきれないメニューを一覧表にして伝えられます。手書きで書いたメニューボードを使えば、温かなお店の雰囲気作りにも役立つでしょう。
タペストリーは遠くからでも分かるお店の看板
キッチンカーのタペストリー(大きな垂れ幕)は「遠くから見ても何を売っているお店か分かる」看板の役割があります。なぜなら最初に目にするのがタペストリーであり、キッチンカーの外装で目立つ存在だからです。
例えば鹿児島県鹿児島市「Pomme de bonbon」様のキッチンカーでは、タペストリーを見ればりんご飴のキッチンカーだとひと目で分かります。

他にも埼玉県春日部市「ヒロファーム」様のキッチンカーでは、タペストリーからいちごを使った商品を販売するキッチンカーだと遠くからでも判断できます。

タペストリーはお店のジャンルや人気メニューが直感で伝わるように、看板商品を目立たせるのが大切です。それからメニューボードやポップを使い、おすすめメニューの紹介や、詳細な説明をして販売促進につなげていきましょう。
キッチンカーのポップの作り方4ステップ

キッチンカーのポップは一目でメニューの魅力を伝えることが欠かせません。情報が多すぎると分かりづらくなってしまうからです。ここでは初心者でもできるポップの作り方を以下4つのステップで解説します。
- ターゲットを決める
- イラストや写真を使い、料理をイメージさせる
- キャッチコピーを使い、分かりやすく説明する
- ラミネート フィルムや額縁に入れ、ポップを保護する
1.ターゲットを明確にする
キッチンカーのポップ作りには、ターゲットを決めるのが重要です。なぜなら出店場所と異なるターゲットに商品の魅力を伝えても、集客につながらないからです。
例えばビジネス街でランチ出店するなら、忙しいビジネスマンは短時間でも選びやすいシンプルなポップを好むでしょう。デザインを重視したり、かわいらしく装飾したりしても、見づらいポップになる可能性があるからです。
外国人観光客が多い観光地では、英語や中国語など多言語表記したポップにすると、多くの人にキッチンカーの商品を購入しやすくなります。
家族連れが多い公園では、沖縄県本部町「World meal」様のキッチンカーのようにイラストや写真を多用すると、子どもに興味を持たれやすくなります。

ポップ作りで初めにすべきことは、ターゲットを明確にすることです。他のキッチンカーではどんなポップを使っているかを実際に見るのも、ポップ作りの参考になります。出店場所のターゲットに合わせたポップを作りましょう。
2.イラストや写真を使ってイメージさせる
ポップ作りで最初にターゲットを決めたら、次にイラストや写真をポップに載せましょう。イラストや写真がないと、お客様は商品をイメージできず、キッチンカーの売上につながらないからです。

神奈川県茅ヶ崎市「キッチン 66」様のキッチンカーの事例では、イラストや写真を多く載せています。子どもや外国人観光客にも商品をイメージしやすくなりますので、ポップにイラストや写真を使いましょう。
キッチンカーが儲からない、廃業しやすいと言われる理由の一つに、商品の魅力を伝えられない点があります。キッチンカーが廃業する理由や廃業率については下記記事で詳しく解説しています。キッチンカーが廃業する原因を知っておけば、キッチンカー経営に役立つので、ぜひ参考にしてください。
3.キャッチコピーを使い、分かりやすく説明する
キッチンカーのポップ作りで大切なのは、一言で伝わるキャッチコピーで伝えることです。ポップに載せる内容は「写真・メニュー名・税込価格・キャッチコピー」がおすすめです。そのなかでも商品の魅力を伝えるキャッチコピーは欠かせません。
例えば埼玉県草加市「wellvide」様では、メインのキャッチコピーは「本格中華料理人が手がけるベジチャーハン」です。商品のポップごとにキャッチコピーを伝えれば、お客様は興味を持って注文につながります。

他にも岡山県倉敷市「SENRI NO TABI」様のキッチンカーでは、「オムチキン」という看板商品に「なんちゃってオムライス」というキャッチコピーをつけています。初めて見るメニューでもオムライスのような商品だとお客様は認識できます。

キャッチコピーを考えるのはむずかしいかもしれませんが、写真だけではなく一言文章を添えるだけで、商品の魅力が引き立ちます。キャッチコピーを考えるポイントは、短時間で理解できるような簡単なメッセージにしましょう。
4.ラミネートフィルムや額縁に入れ、ポップを保護する
キャッチコピーを考えポップを完成させたら、屋外営業で傷まないようポップを保護するのが不可欠です。雨で濡れたり、油で汚れたりしたポップはキッチンカーの印象を悪くする可能性があるからです。
ラミネートの機械を使って、ポップを保護するのが一般的ですが、ポップを保護する方法は他にもあります。例えば100円ショップのラミネートフィルムを使えば、機械を使わずに手で貼るだけで簡単にポップを保護することが可能です。
他にもポップを並べアクリルの額縁に入れれば、メニューボードの役割を果たします。実際に大阪府泉大津市「STAND 165」様のキッチンカーでは、メニューボードにラミネートしたポップを並べたり、スタンド看板にポップを入れたりして、雨や汚れを防いでいます。

汚れがあったり、色あせたポップは信頼感を損ねるため、定期的にポップを張り替えることも欠かせません。ポップを作ったらラミネートフィルムや額縁に入れ、ポップを保護して清潔な状態を保ちましょう。
キッチンカーの売上につながるポップ作りのコツ

キッチンカーのポップを完成させ営業しても、必ずしも集客効果が出るとは限りません。少しの工夫や配置の仕方を変えることで、効果的に売上アップにつながります。キッチンカーの売上につながる具体的なポップ作りのコツは以下3つです。
- 遠くからでもメニューが分かるようにする
- 無料のイラストやデザインツールを使う
- セットメニューや追加メニューをポップに載せる
遠くからでもメニューが分かるようにする
キッチンカーの売上を左右するのは、遠くからでも何を売っているお店か分かるようにすることです。数メートル離れた場所でも認識できるよう、メニュー名は大きなフォントにしましょう。フォントが小さすぎると、遠目で見ると何を売っているキッチンカーなのか分からないからです。
実際に同じイベントに出展していたピザのキッチンカーで、ポップや看板の違いにより、一方は行列ができて、もう一方は集客に苦戦していた事例があります。どんなにおいしい料理を準備しても、お客様に何を販売しているお店か伝わらなければ、売上にはつながりません。
例えば東京都世田谷区「ぐるぐるキッチン」様のキッチンカーでは、タペストリーやポップに大きなりんごやりんごあめの写真を載せています。

遠くからでもメニューが分かるようにするために、以下のポイントを意識しましょう。
- 屋外の離れた場所でも見えるフォントの大きさにする
- 文章をつめこむのではなく、大きな文字で短いメッセージにする
- 3メートル離れた場所でイラストや写真を認識できるか確認する
キッチンカーの売上につながるポップ作りでは、離れた場所でもお客様の目に入るようイラストや文字を大きくすることが不可欠です。
無料のイラストやデザインツールを使う
パソコンを使って写真を使ったポップを作る場合、無料の素材サイトを活用すると、魅力的なポップを作ることが可能です。テンプレートを使えば初心者でも簡単にオシャレなポップを作れるからです。
具体的には以下のサイトがあります。
<無料のイラスト>
<デザインツール>
フリー素材を使ったイラストを利用すれば、手書き風のかわいいデザインから、白黒のオシャレな素材まであります。例えば大阪府大阪市「craft cafe」様では、ポップの背景や文字の種類を変えるだけで、オシャレな雰囲気を演出しています。

無料のイラストやデザインでも十分魅力的なポップを作れます。どんなテンプレートがあるのか参考にするだけでも、キッチンカーのポップ作りのヒントになるので、イラストやデザインツールを見てみましょう。
セットメニューや追加メニューをポップに載せる
お得なセットメニューやトッピングの追加情報をポップに載せれば、ついで買いを促します。客単価アップになれば、お店の売上に大きくつながるからです。
東京都江戸川区「江戸川とりとん」様のキッチンカーでは、ポップでドリンクメニューを提示することで、セット注文につながります。

セットメニューでポップを作る場合、「ドリンクのセット注文で100円引き」などお得感を出すと追加の売上につながりやすくなります。
セットメニューや追加メニューをポップに載せ、客単価を上げられるよう工夫を重ねましょう。キッチンカーで儲かるメニューについては下記記事で詳しく説明しています。看板メニューのヒントにご活用ください。
»【2025年最新版】キッチンカーで儲かるメニューの特徴はこの5つ!具体例を17個紹介
»【2025年最新版】キッチンカーにおすすめの人気メニュー14選!売れるものはコレ!
キッチンカーのポップ作りの注意点

ポップは集客効果を高めたり、客単価を上げたりできる販売促進ツールですが、作り方や表現を間違えるとお客様を遠ざけてしまう原因にもなります。初心者がやってしまいやすい注意すべきポイントは以下のとおりです。
- ポップに記載できない表現を知る
- ポップ全体の構成を考える
ポップに記載できない表現を知る
商品の魅力を伝えたいために、誇張した表現を使う場合がありますが、根拠のない表現は景品表示法に違反する可能性があります。例えば「〇〇に効く」「完全無添加」「世界一おいしい」など断定的な表現は、公的な根拠を証明する必要があります。
ポップのキャッチコピーを考える際には、消費者庁の景品表示法 など公的な資料を参考にし、トラブルにならない表現か確認します。根拠のない誇張した表現は避け、信頼されるキッチンカーを目指しましょう。
キッチンカーを開業するには2つの資格を取得する必要があります。具体的な取得方法は下記記事で解説していますので、ぜひお読みください。
» キッチンカー(移動販売)運営に必要な資格は2つ(食品衛生責任者・営業許可)!取得方法を徹底解説!
»キッチンカーに必要な設備はコレ!営業許可など6種類の用途別に徹底解説
»保健所でキッチンカー(移動販売)の営業許可を取る方法を解説!開業手順や仕込み場所も解説
ポップ全体の構成を考える
お客様におすすめのメニューを伝えるために、ポップを作りすぎてしまうことはよくあります。しかしポップが多すぎると、お客様には情報が多くなりかえって迷ってしまう原因になりかねません。
チラシなどのデザインを見る際、以下の動きに合わせた視線を動かす法則があります。
- Zの法則はZの動きに合わせ左上から右上、左下、右下へと全体像を把握する
- Fの法則はFの動きに合わせ左上から右へ、少し下の左から右へと詳しい情報を確認する
キッチンカーの左上の視線に、最も販売したいメニューを掲示しましょう。全ての情報を伝えたい場合は、ポップにQRコードを載せ、詳しい情報を説明したSNSに誘導するのも効果的です。お客様に情報を与えすぎないように、ポップの全体構成を遠くから確認しましょう。
ポップ作りでよくある質問

ポップは手書きと印刷、どちらが効果的か?
出店する場所やターゲット層によって効果的な方法が変わりますが、デザインに自信がない人は印刷がおすすめです。ポップを手書きする場合、料理がおいしく見えるようなイラストを書くことが重要だからです。
できるだけ具体的なイメージができるように、実物に似せたイラストにしましょう。手書きでポップを作るメリットは、紙とペンがあればいつでも作れることです。一方で手書きポップのデメリットは、イラストが上手でないと、集客につながりづらいことです。
画力に自信がない人は、写真を載せたポップを作るのをおすすめします。写真を印刷したポップのメリットは、お客様が商品のイメージをしやすい点です。一方でデメリットは、パソコンやプリンターの用意が必要だったり、デザインツールを使用したりする手間があることです。
手書きのポップは温かみや親しみやすさがある一方で、イラストが分かりづらいと集客にはつながりません。印刷されたポップはデザインに統一感が出て、清潔感やプロを演出しやすい特徴があります。
ポップに載せる写真はスマホ撮影でも問題ない?
現在のスマホカメラの性能は非常に高いため、ポップ作りの写真に問題なく使えます。一眼レフなどの高機能なカメラがなくても、スマホで十分きれいな写真が撮れます。美味しそうな写真を撮るためのポイントは以下のとおりです。
- 自然光が入る、明るい場所で撮影する
- 全体が伝わる構図にする
- 湯気や水滴まで映るよう演出する
料理全体が写るように、上から45度近くの角度で撮影するのがおすすめです。真上からの写真も人気ですが、立体感が出づらいデメリットがあります。複数の角度で写真を撮影しましょう。
無料のイラストでもポップ作りに使える?
キッチンカーのポップ作りに、無料で使えるフリー素材はたくさんあります。「いらすとや」や「イラストAC」ではさまざまなジャンルのイラストが無料でダウンロード可能です。
かわいいイラストがあれば、子連れのファミリー層をターゲットにした出店場所では、親しみやすさを演出します。キッチンカーのテーマに合わせたイラストを選ぶと、よりお店の雰囲気にあったポップを作れるので無料のイラストを使ってみましょう。
まずはポップを作ってみよう
キッチンカーのポップは、集客や売上を左右する販売促進ツールです。遠くからでも何を売っているか分かるように、お客様の目を引くポップ作りが重要です。
- ターゲットを明確にする
- イラストや写真を使ってイメージさせる
- キャッチコピーを使い、分かりやすく説明する
- ラミネート フィルムや額縁に入れ、ポップを保護する
上記4ステップをふめば簡単にポップを作れます。「誰に、何を、どう伝えるか」を考えながらポップを作ることが大切です。手書きや無料ツールでもまずは、「お客様に商品の魅力を伝える」ことがポップ作りには欠かせません。
ポップ作り以外にも、キッチンカー経営では儲かるメニューの開発から営業許可の申請などやるべきことが多くあります。キッチンカーを開業に向けて何から始めたらいいか分からない方に、無料のキッチンカー開業セミナーはおすすめです。キッチンカーを見比べたり、プロからキッチンカーの経営のコツを聞いたりできるからです。キッチンカー開業セミナーに興味がある方はぜひご参加してみてはいかがでしょうか。