
こんにちは!元クレープキッチンカーオーナーのMintです☆
この記事では私のキッチンカー営業の経験をもとに、クレープ販売で成功するために必要なメニュー作りについて解説いたします♪
キッチンカーでクレープを販売してみたいと思ったものの、
- 「どんなメニューを売ればいいのか分からない」
- 「デザートクレープにおすすめの具材やトッピングって何?」
- 「おかずクレープにはどんな具材があうのかなあ?」
- 「オリジナル(変わり種)クレープってやっぱり必要?」
- 「最初は定番メニューだけで行くべき?」
- 「オリジナリティの高いメニュー構成で全部揃えてもOK?」
など、わからないことも多くお悩みではないでしょうか?
そこでこの記事ではクレープ販売におけるメニューの疑問を解消していただけるよう、「クレープ販売歴10年の経験」をもとに解説していきます。
さらに記事中では、私が販売していたメニューの「売上ランキング」も公開!
メニュー計画を立てるうえで有益な情報になると思いますので、是非最後まで読んでみてください☆
目次
キッチンカーで売れるクレープ店に必要な要素とは

突然ですが、あなたは人気のクレープ店において最も重要な点はどこだと思いますか?
そう聞かれると、「トッピングが派手でおしゃれであること」だと感じる方も多いかもしれません。
もちろん昨今のSNSブームもあり、見た目で引き付ける工夫は絶対に外せないポイントだと思います。
ですが私が10年のクレープ販売の中で感じた、見た目以上に重要な点があります。
それは、人気のクレープ店はとにかく生地がおいしいという点です。
クレープの成功の秘訣は何といってもおいしい生地!

「どんなフルーツを入れるか」「どんなソースを使うか」で味の印象が大きく変わるように思われがちですよね。
確かにそれも大事なのですが、あなたも思い返してみてください。
いちご、バナナ、チョコソース、カスタード、生クリーム……多くのクレープ屋さんは同じような具材を使っていませんか?
その具材をいくら高級なフルーツに置き換えたとしても、それだけで人気のクレープ店になることはむずかしいでしょう。
ですが生地の食感というのは、食べた人の記憶に強烈に残ります。
「ここのクレープはもちもちしていて美味しい!」
「カリッと焼けて香ばしい感じが好き!」
といった感想は、具材の組み合わせ以上にリピーターを呼び込みます。
人気店を観察していても、生地にこだわっているお店は例外なく強いです。
私自身も最初の頃は「具材で差別化しよう」と思っていました。
ですが営業を続けるうちに「結局、生地がすべてのベースであり最大の差別化ポイントだ」と実感するようになりました。
生地を磨くことは、クレープ営業をするうえで避けて通れないテーマだと思います。
これから開業する方はぜひ、おいしいクレープ生地を仕上げたうえでメニューを考えるようにしてください。
※生地の配合や焼き方については別記事で解説します。
クレープのキッチンカーで売れる!利益の柱は「定番メニュー」

営業を続けるうちに、どんなお店でも必ず気づくことがあります。
それは「売上の大半は定番メニューで占められる」という事実です。
私の売上データを振り返ってみても、6割以上は常に定番メニューによる売上でした。
「こだわり=利益」は間違った思い込み?!
私はクレープの販売を始めるにあたり、「個性的で他にはないクレープをどんどん生み出したい」という思いが強く、オリジナルメニューを次々に考案しました。
実際に販売してみると、確かにお客さんからは「え~?!めっちゃおしゃれ~♪」との声が聞かれ反応は上々。
その勢いで個性的なクレープたちがどんどん売れていくのかと思ったのですが、現実はまったく違いました。
売れるのは圧倒的に「定番のクレープ」ばかりだったのです。
手間暇かけてレシピを考案し、仕込みにも時間をかけて用意したからと言って必ずしもそれが利益に直結するとは限りません。
「こだわりのクレープ=たくさん売れるだろう」と期待していたのですが、実際の現場ではそう上手くはいきませんでした。
売り上げの多くは圧倒的に定番メニューという日々が続き、こうした経験を経てはじめて「利益を生むのは定番メニューである」という現実を思い知ったのです。
多くの人が求めるのは、奇抜さよりも安心感だということ。
だからこそ定番メニューを主軸としたうえで、プラスアルファの個性派メニューを加えることが成功の王道パターンなのです。
ちなみに平日のクレープ営業ではお客さんはさらに保守的になり、安心感のある定番メニューを選びがちです。
また休日に比べると、平日は低単価なメニューのほうが売れる傾向にあることも覚えておいてください。
キッチンカーのデザートクレープ人気ランキングTOP3

では、実際にどんな定番メニューが売れるのか。
私の経験をもとに「デザートクレープ」の人気ランキングを紹介します。
1位:ストロベリーチョコバナナ
1位は定番のチョコバナナだろうと思われた方!惜しいです。
じつはクレープメニューではイチゴが入っていることもかなり重要なポイントになります。
人気のチョコバナナに、さらにイチゴもトッピングされたストロベリーチョコバナナが、わたしのクレープ販売の経験ではもっともよく売れていました。
2位:ミックスフルーツ
ミックスフルーツは、「ピーチ+バナナ+いちご+ストロベリーソース」の組み合わせで販売。
意外にもチョコレートソースが苦手な方がいたり、すこしあっさり目の甘いクレープが食べたいというお客さんに非常に人気でした。
3位:チョコバナナ
私のクレープ販売では3位がチョコバナナでした。
チョコバナナは私のクレープ店では最も単価の低いクレープだったこともあり、とくに高校生以下の子供に人気のクレープだったと記憶しています。
何度も言いますがクレープではやはりイチゴが入ったメニューのほうが人気度が高い印象です。
キッチンカーのおかずクレープ人気ランキングTOP3

次に「おかず系」の人気クレープのご紹介です。
1位:卵とチーズとハムのサラダクレープ
1位は定番のサラダクレープです。
ボリュームもあっておかずクレープとしての満足度が高く、非常に人気でした。
2位:ツナマヨチーズサラダクレープ
ツナとマヨネーズの鉄板の組み合わせとして人気です。
食べやすさもあり、リピート注文が多いおかずクレープの一つでした。
3位:アスパラベーコンエッグ
焼いたアスパラとベーコン、スクランブルエッグ、ケチャップの組み合わせのクレープです。
王道のクレープではありませんが、食べごたえがあって彩りもよく、男性客やランチ利用の方から特に支持されました。
おかず系クレープは収益の柱になるのか?!

ここで、おかず系クレープの売れ行きについても触れておきたいと思います。
「クレープはご飯にもデザートにもなるから儲かりやすい」というのは別の記事でも書いている通りで、クレープが人気の理由であることに変わりありません。
ですが「実際に売れる割合」で言えば、私の体感では100食売ったうち90がデザートで、残り10がおかず系といったところです。
ほとんどのお客さんは「同じ金額を払うなら甘いクレープでお腹を満たしたい」と考えるのです。
おかず系クレープはランチ需要にも対応できるメニューではあるものの、「収益の柱」にはなりません。
だから私は「おかず系は1〜2種類だけ置く」と決め、あくまで補助的な役割としてメニューに挙げていました。
また販売時間が午後のみなど、ランチ需要が見込めない場合は、その日はメニューからおかず系クレープを外して、デザート系クレープだけを販売する日もありました。
このようにおかず系クレープは絶対に必要ですが、無理に数を増やす必要はないというのが私の考えです。
オリジナルメニューはリピーターにすすめて再来店につなげよう

ここまで定番クレープの重要性と、おかず系クレープの役割について解説してきましたが、オリジナルメニューが不要というわけではけっしてありません。
こだわりのあるあなたのオリジナルメニューは、特にコアなファンにとってはリピーターになるきっかけづくりとしてもとても重要なものです。
そこでオリジナルメニューの販売方法としておすすめなのが「季節限定メニュー」です。
- 春:桜あん、抹茶
- 夏:マンゴー、パイナップル、レモンカスタード
- 秋:モンブラン、さつまいも、かぼちゃ
- 冬:チョコレート強化、ホット系クレープ
このように1年の営業の中で変化をもたらすような限定メニューとして、オリジナルメニューを打ち出していくのです。
そうすることで、お客さんも飽きることなくあなたのお店に来店できるようになります。
さらに下記のような年中行事と組み合わせた限定メニューも、おすすめの方法です。
- お正月(1月):初売りイベント、和風(抹茶・あずき・きなこ)クレープ
- 節分(2月初旬):恵方巻き風クレープ(ロール状)で話題化も可能
- ひな祭り(3月3日):いちご・抹茶・桜色などの華やかメニュー
- ホワイトデー(3月14日):男性客ターゲットのプレゼント需要
- 子どもの日(5月5日):カラフルチョコスプレーなど子供向け
- 母の日(5月第2日曜):フラワーデコ・いちご・ピンク系クレープ
- 父の日(6月第3日曜):コーヒー・ビター系チョコで大人向け
- 七夕(7月7日):ブルーベリーや星型トッピング
- 敬老の日(9月):和風(抹茶・黒ゴマ・栗)で年配層向け
- お正月準備(12月末〜1月):和風アレンジ
オリジナルメニューの数は1〜2種類で十分。
こうして特別感を演出しつつ、自店のSNSやホームページで情報発信の話題にもなるのでとてもおすすめの方法だと思います。
オリジナル(変わり種)のクレープメニュー作りにおすすめの具材

ではここで、オリジナルメニュー作りに役立つおすすめの具材を一挙ご紹介しておこうと思います。
オリジナルメニューを開発したい気持ちはあるけど、いざ開発しようとするとそもそもどんな食材がクレープにあうのかパッと思い浮かばない・・・という経験はわたしもあります。
そんな時は下記の情報を参考にしつつ選んでみてください。
デザート系クレープにおすすめの具材・変わり種の具
カテゴリ | おすすめ具材の例 |
定番フルーツ | いちご、バナナ、ブルーベリー、キウイ、パイナップル、マンゴー、オレンジ、 ぶどう、りんご、梨、桃、柿、シャインマスカット |
クリーム系 | ホイップクリーム、生クリーム、カスタードクリーム、チョコクリーム、 マスカルポーネクリーム、レアチーズクリーム、ヨーグルトクリーム |
甘ソース | チョコレートソース、ホワイトチョコソース、キャラメルソース、はちみつ、 メープルシロップ、いちごジャム、ブルーベリージャム、マーマレード、練乳 |
トッピング | ナッツ(アーモンド・くるみ・ピスタチオ・カシューナッツ)、グラノーラ、 チョコチップ、ココナッツフレーク、クラッシュクッキー、ブラウニー、 オレオ、マシュマロ、ポッキー |
スポンジ・クッキー系 | シフォンケーキ、ロールケーキ、スポンジケーキ、ガトーショコラ、チーズケーキ、クランブルクッキー、ビスケット、バームクーヘン |
和風素材 | 求肥、わらび餅、桜あん、しろあん、こしあん、つぶあん、黒ごまクリーム、きなこ、栗(甘露煮・渋皮煮)、さつまいもペースト、かぼちゃペースト |
おかず系クレープにおすすめの具材・変わり種の具
カテゴリ | おすすめ具材の例 |
野菜系 | レタス、きゅうり、トマト、アボカド、ベビーリーフ、キャベツ、アスパラ |
肉・魚・卵 | ハム、ベーコン、照り焼きチキン、 ツナ、スモークサーモン、卵(スクランブル・ゆで卵) |
チーズ系 | プロセスチーズ、チェダー、モッツァレラ、リコッタ、マスカルポーネ |
ソース系 | マヨネーズ、ケチャップ、ガーリックソース、 ピザソース、トマトソース、チーズソース、ハーブソース、バジルソース |
クレープにおすすめのメニューの数とラインナップの黄金比

さてここからはクレープの人気ランキングや利益の構造を踏まえて、私がおすすめする「理想のメニュー構成」について解説していきたいと思います。
私がおススメする理想のメニュー構成は下記の通り。
- 定番デザート:5〜10種類(売上の柱)
- おかず系:1〜2種類(補助的役割)
- 限定メニュー:1〜3種類(リピーター作り)
キッチンカーのクレープ営業では全部で10~15種類にすると、いろんな点でバランスの良い営業ができると考えています。
選択肢の数は多いほうがいい!の落とし穴

クレープのメニューはもっと多いほうがいいのでは?と思われた方もいるかもしれません。
オーナーの中には20種類を超えるクレープを用意している方もいますし、そのほうがお客さんにとって親切だという考えの方もいるでしょう。
さらに、
「ソースは5種類から選んでください。」
「フルーツは3種類から選んで」
「生地は2種類からお好みで!」
など、選択肢が多いほうがお客さんにとって魅力的なのではないかと思われがちですが、実際そうではありません。
選択肢が多いとどう組み合わせたらいいのか迷ってしまい、挙句の果てに何も選べない状況に陥ってしまいます。
じつはこれ、心理学の世界では「選択のパラドックス」として知られている事実なのです。
人は選択肢が多すぎると判断が付かず、結果として「選べない=買わない」という結論に至ってしまいます。
同じく有名な「ジャム実験」では、24種類のジャムを並べた場合は立ち寄る人が多いものの、実際に購入した人はごくわずか。
一方で6種類のジャムしかない売り場の方が、購入率は高かったという結果も出ています。
つまり「選択肢を増やせば売れる」という発想は、クレープのキッチンカー営業においても逆効果。
迷わせない工夫こそが売上につながる のです。
オペレーションの負担を抑えたメニュー数が成功のカギ
さらにキッチンカーは店舗営業とは違い、キッチンスペースが限定されます。
また限られた冷蔵設備で食材を適切に保管することも求められます。
このような調理環境で多くのメニューに対応しようとすると、仕込みや管理が複雑になり、結果として提供スピードが落ちたり、廃棄ロスが増える原因になります。
適切なメニュー数でコンスタントに売り切っていくやり方のほうが、結果として無駄のないスムーズな経営につながるのでおすすめです。
クレープのキッチンカーのメニュー開発の注意点5つ

最後に、メニュー開発で失敗しないための注意点をまとめてこの記事を終えたいと思います。
私が考えるクレープのメニュー作りにおける注意点は下記の5つです。
補足説明も合わせて読んでいただき、ここまで解説してきたメニュー作りの成功の秘訣をぜひ役立ててください☆
- 原価率を必ず計算(目安30%以下)
- メニューの数は10~15種類程度がベター
- オペレーションが複雑すぎる具材は避ける
- 保存が効かないフルーツは慎重に扱う
- 奇抜すぎる変わり種は「限定メニュー」で試す
- とにかくイチゴメニューを取り入れること!
苺を使ったメニューは絶対揃えておくべき
クレープメニューにおいて、苺を使ったメニューは欠かせません!
絶対に1年中販売できるようにしてください。
スーパーで生のイチゴが販売される期間は12月から翌年5月ごろまでです。
それを過ぎると店舗では仕入れができなくなってしまいます。
【苺を渇望するお客様の声】
当初わたしは、「生のイチゴが手に入らないならメニューから外すしかないな・・・。」と思い、5月以降は苺メニューなしで販売していました。
ですが苺のメニューがないと、お客さんにめっちゃ指摘されます。
「なんで苺のメニューないんですか?」
「苺がないなら買うの止めときます。」
など、クレープメニューで苺の需要が想定上に高いということに、お客さんの声ではじめて気づいたのです。
そこで!店舗で苺が買えない季節は、外国産の苺を仕入れるか、もしくは冷凍の苺を活用しましょう。
冷凍でも工夫してトッピングすればとてもおいしく仕上がります。
クレープにおいては生地と同じくらい苺が重要だということもぜひ、覚えておいてください☆