目次
はじめに:フジテレビ「ザ・ノンフィクション」で描かれたキッチンカーのリアル
フジテレビ「ザ・ノンフィクション」の2026年2月15日(日)放送回と2026年2月22日(日)放送回にて、キッチンカーの営業に奮闘する2組の親子が取り上げられました。
2026年2月15日(日)放送回では、「父と娘のキッチンカー物語 前編 〜走り出した夢の行き先〜」というタイトルで、2組の親子について、キッチンカーに大きな夢を乗せて走り出そうとする娘と、その背中を全力で押す父の思いが描かれました。
2026年2月22日(日)放送回では、「父と娘のキッチンカー物語 後編 ~夢を乗せた迷い道~」というタイトルで、前回の放送と同じ2組親子について、キッチンカーに夢を乗せて二人三脚で走り出したはずの父と娘のすれ違いの様子が描かれました。
2回の放送について、番組の要約をお伝えし、番組で起きている事象について、キッチンカーのプロの視点から解説します。
「父と娘のキッチンカー物語 前編」のあらすじ
1組目の親子は、24歳の恵夢(えむ)さんと父・竜太さんです。これまでさまざまな仕事に挑戦するも長続きしなかった恵夢さんが、本当にやりたかったことと思い立ったのが「ホットサンド」のキッチンカー。自己資金100万円と融資を合わせ、450万円でキッチンカーを契約し、2025年6月に開業します。
イベントでは100食が完売し、最高売上18万円を記録するなど順調なスタートを切りました。しかし、イベントがない平日は売り上げが伸びず、出店場所やタイミングによって結果が大きく変わるキッチンカー運営の厳しさに直面します。
運送会社を経営する父・竜太さんの人脈による支援は大きな助けになる一方、親子で経営する難しさや価値観の違いも表面化し、夢と現実の間で揺れる姿がリアルに描かれています。
2組目の親子は、27歳の江里奈(えりな)さんと父・道世さんです。イタリアン料理人の江里奈さんは、手作りカスタードやオリジナルソースを使ったクレープでキッチンカー営業に挑戦しています。2トントラックの駐車場所を確保するため恋人との同棲を解消し実家へ戻るなど、大きな決断を重ねました。
出店先は自ら開拓し、週末のイベントでは家族も応援に駆けつけますが、板金会社を営む父・道世さんには厳しい指示が飛ぶ場面もあり、親子で奮闘する姿が描かれています。
【番組要約】「父と娘のキッチンカー物語 後編」のあらすじ
1組目の親子、24歳の恵夢(えむ)さんと父・竜太さんのその後。2025年の夏、恵夢さんのキッチンカーは8月だけで18回出店するなど忙しい日々を送っていました。埼玉や千葉の各地でイベントに出店し、ジャズイベントなどでは行列ができるほどの盛況となります。しかし仕込み・移動・営業を繰り返す生活は体力的にも負担が大きく、仕事と私生活のバランスに悩むようになります。
恋人ができた影響もあり、9月の出店回数は11回に減り、父・竜太さんとの間に緊張が生まれました。父は「やると決めたなら徹底して取り組む」という信念を持ち娘を支え続けますが、娘は自立したい思いから距離を求めます。やがて二人は向き合い、父は口出しを控える決断をします。
恵夢さんは、お姉さんから聞いた話を通して父・竜太さんの自分への見えない支援を知ったとき、親子のすれ違いの背景にある思いやりが浮かび上がりました。
2組目の親子は、27歳の江里奈(えりな)さんと父・道世さんのその後。イタリアン料理人でクレープのキッチンカーを運営する江里奈さんは、地元で集めたオーガニック食材と料理人としての経験を生かした独自の味が強みで、公園や駅前、イベントなどで出店を重ねています。
一方で母との新作クレープへの評価のすれ違いに悩む場面も描かれます。落ち込んだ彼女は調理師学校時代の恩師の店を訪れ、味覚の原点は家族の食卓にあるという言葉に励まされ、料理人としての初心を思い出します。
【プロの視点】キッチンカー経営における「出店場所」と「家族経営」の重要性

① 出店場所の確保はキッチンカーの命:父の人脈活用は正解か?
キッチンカー経営において、出店場所の確保は売上を左右する最重要要素のひとつです。そのため、恵夢さんのケースのように、開業初期に父・竜太さんの人脈を活用して出店機会を得ること自体は、実務的に見ても十分に理にかなった選択だといえます。
飲食やキッチンカーは「商品が良ければ売れる」という単純な商売ではありません。同じ商品でも、立地・時間帯・客層・イベントの性質によって売上は大きく変わります。番組内でも、イベントでは100食完売・最高売上18万円という好結果が出る一方で、平日の営業では苦戦しており、まさに「どこで売るか」が事業の成否を左右する現実が表れていました。
その意味で、信頼関係のある相手から出店先を紹介してもらえるのは、開業初期における大きなアドバンテージです。特に実績のない立ち上げ期は、営業力だけで新規出店先を開拓するのが難しいため、身近な人脈から最初の販路をつくるのは、むしろ堅実なやり方です。
ただし、ここで重要なのは、人脈を「入口」にすることと、人脈に「依存」し続けることは違うという点です。家族の支援で得た出店機会を、自分たちの実績・信用・再現性に変えていけるかどうかが、その後の経営を分けます。
紹介された場所で売上実績を作り、現場対応の丁寧さやオペレーションの安定感を評価され、次の出店場所の発見につなげる。この循環を生み出せて初めて、「親の人脈で始めた事業」が「自分の事業」に変わっていくのではないでしょうか。
父親の人脈活用は決して間違いではありません。むしろ正しいスタートのひとつです。また、大切なのは、その支援を足場にしながら、最終的には“紹介がなくても声がかかる状態”を目指すことだといえるでしょう。その方法論も教えて貰える開業支援を受けることも大切だったのかもしれません。
② 2トントラック(大型車両)での開業メリットとデメリット:駐車場問題のリアル

江里奈さんのように、2トントラックベースのキッチンカーで開業する選択には、明確なメリットがあります。
最大の強みは、やはり車内スペースの広さです。作業動線が取りやすく、機材配置の自由度も高いため、仕込み・焼成・盛り付けなどを効率よく回しやすい。特に、クレープのように工程数が多く、一定の提供スピードが求められる業態では、大型車両の優位性は小さくありません。
また、見た目の存在感が出しやすく、ブランド感や専門店らしさを演出しやすい点も魅力です。イベント出店時には、車両そのものが“看板”として機能するため、視認性や集客面でプラスに働くケースもあります。一方で、番組でも象徴的に描かれていたように、2トン車には現実的なハードルがあります。
その代表が駐車場・保管場所の問題です。営業時の出店スペースだけでなく、営業していない時間にどこへ保管するか、日常的に無理なく出し入れできるかまで含めて考えなければなりません。江里奈さんが駐車場所確保のために生活環境そのものを見直したのは、大型車両の運営が「営業許可」だけでは成立しないことをよく表しています。
さらに、2トン車は出店先の選択肢にも影響します。イベントや出店場所によっては、そもそも大型車両を受け入れられない場所もありますし、動線や搬入条件の面で制約が増えることもあります。
つまり、大型車両は設備面では有利でも、“どこでも出られるわけではない”という運営上の制限を抱えやすいのです。
このため、2トントラックは「売れる可能性を広げる車」である一方で、「扱える条件が整っていないと負荷が高くなる」場合もあります。設備の充実だけで判断するのではなく、出店戦略、保管環境、営業エリアに本当に合っているかの見極めも大事なところ。
キッチンカー選びでは、つい「理想の車」を作ったり、選びたくなりますが、経営の観点からは、「継続して出店できる車両」を選ぶ視点が欠かせません。その意味で、2トン車は強力な武器になり得る一方、運営の前提条件まで含めて設計できる人に向いた選択だといえます。
③ 家族で運営する際の注意点:ビジネスとして継続させるための「役割分担」
この番組で特に印象的だったのは、どちらの親子も、単に「仲の良い家族が助け合っている」という話ではなく、家族であることが強みにも難しさにもなっていた点です。
キッチンカーは小規模で始めやすいため、家族で運営すること自体は非常に合理的です。信頼関係があり、急な対応にも融通が利きやすく、立ち上げ期の不安定な時期を一緒に乗り切りやすいという強みがあります。
しかしその一方で、キッチンカーに限らず、家族経営には特有の落とし穴があります。それは、仕事上の役割と、親子・家族としての感情が混ざりやすいことです。番組でも、支えたい父の思いと、自立したい娘の思いがすれ違い、関係に緊張が生まれていました。
これは珍しいことではなく、むしろ家族経営だから起こりやすい構造です。相手を思う気持ちが強いほど、助言が干渉に見えたり、支援が管理に感じられたりすることがあります。だからこそ、家族で事業を続けるには、感情論ではなく役割分担の明確化が不可欠です。
たとえば、現場オペレーションは誰が責任を持つのか、出店先の開拓や交渉は誰が担当するのか、数字管理や経費判断は誰が最終判断するのか、商品開発やSNS発信は誰の裁量で進めるのか、こうした役割を明確にしておくと、成功しても再現性が生まれやすくなり、課題の蓄積も減ることでしょう。
また、家族経営では「言わなくても分かるだろう」という前提が、摩擦を生みやすいものです。本来であれば他人同士なら確認することを、家族だから省略してしまい、その積み重ねがすれ違いになるのです。
そのため、家族であっても、事業に関しては定期的に話し合いの場を持ち、役割・目標・優先順位を言語化することが非常に重要です。家族揃って、開業支援を受けて役割分担を行なっておくのも良いかもしれません。
家族経営の成功は、家族であることを武器にして、ビジネスを優位に進める設計をしておくことにあります。支え合う関係は大切ですが、継続する事業に必要なのは、それに加えて「誰が何を担い、どこまで責任を持つのか」を整理しておくこと。
家族だから続くのではなく、家族でも続けられる仕組みを作ってこそ、事業は安定していくのだと思います。
まとめ:これから開業を目指す方へ

日々成長を続けるキッチンカー市場には、大手企業から主婦・学生を含む個人まで、さまざまな方が夢や希望を持って参入しています。しかし、まだ業界としての歴史が浅いため、「開業の仕方がわからない」「運営が不安」といった声も多く、失敗を恐れて一歩を踏み出せない方も少なくありません。
フードトラックカンパニーでは、そんな方々に対して「夢を形にする」サポートを提供しています。キッチンカー開業支援カウンターを備えた事務所「D5(だいご)」を拠点に、キッチンカーの開業準備から運営まで、きめ細やかな支援を提供しています。
フードトラックカンパニーでは、「D5」の事務所に限らず、電話やLINE登録を通じて全国各地にお住まいの皆様からのご相談にも柔軟に対応いたします。遠方にお住まいの方でも、安心して開業についてのアドバイスを受けられます。
ぜひこの機会に、夢のキッチンカー開業への第一歩を踏み出してみませんか?
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