「キッチンカーにはどんな車種があるのだろうか?」
「自分の営業スタイルに合ったキッチンカーの種類ってどうやって選べばいいの?」
「キッチンカーの車種ごとの特徴やメリット・デメリットを知りたい」
こんな疑問を持っていませんか?
その気持ちはよく分かります。なぜなら、私自身がキッチンカーの車種を選ぶときにも、同じように色々ありすぎてどうやって決めたら良いか、悩んだ経験があるからです。
キッチンカーの経験ゼロの状態から、独学で資格取得・営業許可取得を経てキッチンカーを開業した経験のある私が、キッチンカーの車種について特に重要な情報をまとめました。
この記事では、
- 代表的なキッチンカーの車種ごとの特徴
- おすすめするキッチンカー3車種それぞれの特徴
をお伝えします。
この記事を最後まで読めば、自分の事業計画にピッタリな車種を把握できるので、ぜひ最後までお読みください。
キッチンカーの代表的な3車種の特徴を解説
キッチンカーの代表的な車種は、「キッチントラック」「キッチントレーラー」「バンタイプ」の3種類です。それぞれの車種について、メリットとデメリットを中心とした特徴を解説します。
調理のしやすさNo.1!キッチントラック
キッチントラックは、軽トラックや普通車トラックの荷台にキッチンスペースを取り付けたキッチンカーで、多くの人が「キッチンカー」と聞いてイメージしやすい車両です。パッと見てキッチンカーだと認識してもらえますし、車両にカラーリングをしたり、イラストを描くことで販売しているメニューを伝えることも可能です。
人気の秘密!キッチントラックのメリット
キッチントラックの最大のメリットは、調理や接客に特化したキッチンスペースを後付しているので、キッチンカー運営で最も重要な調理工程と接客をしやすいことが挙げられます。ベースの車両となるトラックのサイズも複数展開されているので、事業計画に合わせて軽トラックサイズはもちろん、より大きなサイズのトラックを選ぶことも可能です。
キッチントラックのその他のメリットには、車両とキッチンスペースが一体化しているので、運転・駐車がしやすいことも挙げられます。固定の場所で出店・営業しないかぎりは、キッチンカーの営業に運転・駐車はつきものです。以下で紹介するキッチントレーラーは自動車で牽引車を引っ張る形になるので、運転にコツや慣れが必要ですが、キッチントラックであれば、そのような注意は不要です。
キッチントラックのもう一つのメリットとして、キッチンスペースのサイズ・レイアウトを自由に決められるので、自分が理想とする調理・接客空間を作れることがあります。調理メニュー・調理工程、接客を含むオペレーションを考慮して、最も使い勝手の良いキッチンスペースを作り上げることが可能です。
気をつけたい!キッチントラックのデメリット
キッチントラックのデメリットとして、購入費用がキッチントレーラーやバンタイプのキッチンカーに比べると高くなりやすいことが挙げられます。ベースとなる車両の購入費用に加えて、キッチンスペースの製造コストもかかってくるので、どうしても高価な買い物になってしまいます。きちんと資金計画を立てて、十分な開業資金を準備することが必須です。
キッチントラックのもう一つのデメリットとして、車高が高く重量が重い形状なので、燃費が悪くガソリン代が高くなりやすいことがあります。また、一般的なトラックよりも車高が高く、運転中に横風の影響を受けやすいので、より一層の注意が求められます。さらに、キッチンカーのサイズによっては運転・駐車に慣れが必要になるので、自分の運転技術も考慮した車両選びが求められるでしょう。
着脱可能で既存車両が使えるキッチントレーラー
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キッチントレーラーは、一般車両でキッチンスペースを牽引するタイプのキッチンカーです。エンジンなどは付いていないので、キッチントレーラーのみでは自走できません。750kg未満の重量であれば、牽引免許は不要で普通車免許のみで運転可能です。既に牽引用の車両を持っていれば、キッチントレーラートレーラーの購入のみで開業できます。
見た目だけじゃないキッチントレーラーのメリット
キッチントレーラーは丸みを帯びたデザインのものが多いので、見た目の可愛らしさを感じられて客受けが良いメリットがあります。また、キッチントレーラーのみの製作はキッチントラックの製作に比べて、少ない費用で済むのが一般的なので、開業に必要な初期費用を抑えられるメリットもあります。
さらに、キッチンスペースをゼロから構築するので、調理工程や接客に適したレイアウトにできる点もメリットと言えるでしょう。自分自身が考えている、販売メニューや調理・接客オペレーションに合わせてキッチンスペースを作り上げられるので、スムーズな店舗運営が可能になります。
キッチンカーとして出店しないときには、トレーラー部分を取り外して普通の自動車として使用できるので、キッチンカー運営と日常生活で複数台の車両を準備する必要が無い点は、経済的な側面での大きなメリットです。例えば、キッチントラックを日常生活に使うことは現実的ではないので、トラックタイプのキッチンカーで営業するなら、日常生活用として別の車両が必要になってきます。
知っておくべきキッチントレーラーのデメリット
キッチントレーラーのデメリットとして、牽引車を運転するスキルが求められることが挙げられます。車両を牽引する際には、特にカーブ・ブレーキ・駐車の場面で運転スキルが必要です。何度か運転することで慣れると考えられますが、特に開業直後は運転事故を引き起こさないよう、より一層の注意が求められます。
キッチントレーラーは、自走できないので牽引するための自動車が必要です。既に自動車を持っていれば、トレーラー部分の購入のみでキッチンカーを開業できますが、自動車を持っていなければ、トレーラー部分に加えて自動車の購入も必要となり、他の車種のキッチンカーよりも初期費用が多額になりやすい点がデメリットです。自動車を持っていないのであれば、他の車種にすることも選択肢に入れて検討する姿勢が求められます。
一般的な形状で運転しやすいバンタイプ
バンタイプのキッチンカーは、軽バンや普通車バンの外観はそのままに、内部に調理器具などを設置した車両です。一見するとキッチンカーには見えない外観をしており、高さ・幅・長さなども一般的な自動車と同様なので、普通の車両と同様の感覚で運転できる魅力があります。
開業希望者必見!バンタイプのメリット
バンタイプのキッチンカーの大きなメリットは、外観は一般的な自動車と一緒なので、普通の自動車と同じ感覚で運転できる点です。キッチントラックのように大きさへの注意は不要ですし、キッチントレーラーのように牽引することへの注意も不要です。キッチンカー開業後は、毎日のように運転しなければならないので、運転時に過度なストレスがかからない点は大きなメリットと言えるでしょう。
また、バンタイプのキッチンカーはキッチントラックに比べると、少ない費用で製作できる点もメリットです。トラックの荷台にキッチンスペースを設置した上で、内部に各種設備を設置するキッチントラックに対して、バンタイプのキッチンカーは車両の外観はそのままで、内部のみ改装を加えるため製作費用を抑えることが可能です。
見逃せない!バンタイプのデメリット
バンタイプのキッチンカーの一番のデメリットは、車高が低いため調理や接客などの作業がしづらいことです。基本的には車内で座った状態で各種作業をするので、立った状態で作業する場合に比べて効率が落ちることはもちろん、長時間の営業は体への負担が避けられません。定期的に社外に出てストレッチするなどの対策が考えられますが、来客が相次いだときなどには、思うように休憩できない事態は避けられないでしょう。
また、バンタイプのキッチンカーは作業スペースが限られ、キッチンスペース内での移動も用意ではないので、ワンオペでの営業が一般的です。一人では対応できる来客数に限界があるので、大きな売り上げを確保することは難しいと考えられます。したがって、来客数が多いイベントなど、本来であればキッチンカーが大きな収益を得られる出店場所での営業に適していない点もデメリットです。
キッチンカーおすすめ3車種の特徴を解説
さまざまなキッチンカーの車種の中でも、おすすめはキッチントラックです。キッチントラックの一般的なサイズは、軽トラックサイズ・1.0t普通車トラックサイズ・1.5t普通車トラックサイズの3種類です。それぞれの代表的な特徴について解説します。
3種類のサイズのキッチンカーについて、より詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
都心の出店も心配なし!軽トラックサイズ
軽トラックの荷台にキッチンスペースを設置した、軽トラックサイズのキッチンカーは、小回りが効いて運転がしやすい特徴があります。また、限られたスペースに駐車できるので、都心のオフィスビル・駅前広場など駐車スペースが狭い場所での出店も心配ありません。
軽トラックサイズのキッチンカーの価格は、ベース車両の軽トラックが新車・中古車、キッチンスペースの設備、車両の塗装の有無など条件によって異なりますが、一般的な価格の目安は中古キッチンカーが100万〜300万円、新車キッチンカーが250万〜300万円となっています。
軽トラックサイズのキッチンカーの注意点としては、普通車サイズの車両に比べてキッチンスペースが狭くなるので、調理に当たる人数は1〜2名で厨房設備・積み込める食材ともに制限される点が挙げられます。また、キッチンスペースの高さは1,800mm程度なので、ある程度身長が高い男性の場合は、狭く感じてしまうかもしれません。
軽トラックサイズのキッチンカーの具体的なサイズ(寸法)や、より詳しいメリット・デメリットなどの情報については、以下の記事で解説していますので、参考にしてください。
» キッチンカーのサイズは3種類!特徴・車種・価格を徹底解説!
汎用性抜群!1.0t普通車トラックサイズ
1.0t普通車トラックの荷台にキッチンスペースを設置したキッチンカーは、運転のしやすさと車両の大きさ・キッチンスペースの広さから、ランチ出店からイベント出店まで対応可能な汎用性を備えています。ベースとなる車両は1.0t普通車トラック(TOYOTAハイエース、NISSANキャラバンなど)なので、オフィスビル街や商業施設など駐車スペースが限られる場所での出店も可能です。
1.0t普通車トラックサイズキッチンカーの価格も軽トラックサイズキッチンカーと同様に、ベース車両の状態(新車または中古車)や厨房設備の内容等によって大きな幅があります。一般的な価格として、中古キッチンカーの目安は100万〜350万円程度、新車キッチンカーの価格は350万〜450万円程度が相場です。
1.0t普通車トラックサイズキッチンカーであれば、軽トラックサイズではキッチンスペースの広さ・高さに不満を覚えた人でも、ストレスなく店舗運営が可能になるでしょう。実際に身長178cmの著者の場合は、軽トラックサイズのキッチンカーでは、天井が頭につきそうになりましたが、1.0t普通車トラックサイズのキッチンカーでは、そういった不安もありませんでした。
汎用性が高いながら、目立ったデメリットが無いのが、1.0t普通車トラックサイズキッチンカーの大きな特徴です。キッチンカーの具体的なサイズ(寸法)や、メリット・デメリットを含めたより情報については、以下の記事で解説していますので、参考にしてください。
» キッチンカーのサイズは3種類!特徴・車種・価格を徹底解説!
売り上げを最大化!1.5t普通車トラックサイズ
1.5t普通車トラックの荷台にキッチンスペースを設置したキッチンカーの特徴は、3種類の中で最大のキッチンスペースを備えていることです。このキッチンスペースを生かして、複数のスタッフでの運営・さまざまな種類の厨房設備の設置により、メニューの多様化と食材の大量積載が可能になります。これにより、1回の出店での売り上げの最大化が期待できます。
サイズが大きいことがメリットになる反面、運転や駐車の難しさなど大きいことがデメリットになる場合も否定できません。サイズ制限により予定していた場所への出店ができない、なんてことにならないよう購入前の十分な見極めが求められます。
1.5t普通車トラックサイズのキッチンカーの場合は、ベース車両は中古車である場合がほとんどです。ベース車両を新車にすると初期費用が極端に高くなることがその理由です。1.5t普通車トラックサイズキッチンカーの価格の目安は中古車なら250万〜400万円、程度の良い中古トラックをベースに新たに製作する場合には、350万〜500万円が相場価格です。
1.5t普通車トラックサイズキッチンカーの具体的なサイズ(寸法)や、メリット・デメリットを含めた詳細情報については、下記の記事で解説していますので、参考にしてください。
» キッチンカーのサイズは3種類!特徴・車種・価格を徹底解説!
まとめ
キッチンカーの代表的な車種は、キッチントラック・キッチントレーラー・バンタイプの3種類です。車種ごとに異なるメリット・デメリットがあるので、自分自身の事業計画に合わせた車種選びが求められます。
おすすめの車種はキッチンスペースが広く、調理・接客など店舗運営のオペレーションがスムーズに行える、キッチントラックです。トラックの荷台にキッチンスペースを設置するため、代表的なサイズは軽トラックサイズ・1.0t普通車トラックサイズ・1.5t普通車トラックサイズの3種類です。
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