「キッチンカーに興味があるけど自分が向いているのか分からない・・・」
「どんなスキルを持っている人がキッチンカーに向いているの?」
「キッチンカーに向いていないかもしれない私・・・どうすればいいの?」
こんな疑問を持っていませんか?
あなたのその気持ちはよく分かります。なぜなら、私自身も最初にキッチンカーを検討し始めたときに、興味はあるけど自分に向いているのかどうか分からなかったからです。決定的に向いていなかったらどうしようかな、とも考えていました。
このように最初は何も分からないところから、自分で保健所での営業許可を取得して、実際にキッチンカーを開業した私が、運営を経験した今だからこそ分かる、「こんな人がキッチンカーには向いている!」という特徴をまとめました。
この記事では、
- キッチンカーに向いている人が持っている姿勢・心構え
- キッチンカー運営に使えるスキル
- 向いていない人はどうすればよいか?
をお伝えします。
キッチンカーを開業・運営するために知っておきたい情報をまとめましたので、ぜひ最後までお読みください。
キッチンカーに向いている人の姿勢・心構え3選
キッチンカー経営の成功をもたらすのはあなたの行動です。そして、どんな行動をどれくらいの量やるのかを決めるのは、あなたの姿勢・心構えです。こんな姿勢や心構えをすでに身につけていれば、キッチンカーに向いている人だといえる三つの特徴を紹介します。
1.リサーチ・改善を継続することが苦にならない
キッチンカーに向いている人は常に運営の改善を忘れません。そのために、どんなに上手くいっていたとしても、さらに改善するためのリサーチ・インプットを欠かしません。そこで知った(気付いた)施策をすぐに実行に移し、その結果を受けてさらにリサーチ・インプットする姿勢が重要です。
日々の店舗運営に必要な業務に時間を取られてしまい、このようなリサーチ・インプットに時間を取るのは難しいと思うかもしれません。それでも、意図的に1日のうちに、このための時間を意図的に確保しましょう。例えば、営業拠点から出店場所への移動の間に音声で新しい知識をインプットするなどすれば、時間が限られる中でも学ぶことが可能です。
2.良いことも悪いことも原因は自分だと考えられる
キッチンカーを運営していれば、楽しい経験もあれば、残念ながら苦い経験(または失敗)をすることもあります。このように自分の思い通りにいかなかったときに、その原因を全て自分に向けられる人はキッチンカーに向いています。反対に、思い通りにいかなかったときに、周りの人や環境などのせいにする人は向いていない人でしょう。
例えば、雇ったスタッフが失敗して、お客様にご迷惑をおかけすることがあったとします。このときに「スタッフの能力が低いから悪い!」と考えるのではなく、「スタッフへの指導が十分に行える仕組みにしていない自分が悪い」「この業務ができないことを見抜けずに、このスタッフを雇った自分が悪い」といったように考える姿勢が求められます。
さらにキッチンカー運営はどうしても収益が天候による影響を受けやすいのが特徴です。例えばイベント予定の週末が雨になってしまい、イベント自体に想定していた半分の来客者しかなく、結果的に自分のキッチンカーに来る人も想定を下回る可能性は十分に考えられます。その他にもレギュラー出店していたランチ営業の出店場所(例:オフィス街のビル前、大学キャンパスなど)が、管理者のルール変更・方針の見直しなどによって、出店不可になることもあります。
このような自分の力ではどうしようもないことがきっかけで売上が下がったときでも、「天気が悪かったから」「急なルール変更があったから」など自分以外のところに原因を求めていては、今以上の成長はありません。起こってしまったことを受け止めた上で、どのように今の事態を改善するか、といった前向きな姿勢がキッチンカー運営には欠かせません。
3.突発的な出来事にも対応できる柔軟性がある
キッチンカーは人から出店場所を借りて、基本的に屋外で営業するスタイルなので、予期せぬかたちで他人の行動や気候などの影響を受けてしまう可能性があります。その結果、当初の予定通りには営業できないことも十分に起こります。そのような予期せぬ急な事態に遭遇しても、臨機応変に対応できる柔軟な姿勢があるならキッチンカーに向いているといえるでしょう。
例えば、出店場所を管理する人のミスで当日になって、出店する位置が変更になるかもしれません。その場合には、焦らず新しい出店位置で最適な看板・のぼりの設置位置を考え、販売・配膳のオペレーションに変更があるようなら新しい流れを考えるといった対応が求められます。
予期せぬ事態は出店日より前に発生する可能性もあります。例えば、どうしても出店したいイベントでメニュー被りが生じて、当初予定していたメニューでは出店できないことがあるかもしれません。そのような場合には、当初のイベントに出店するためにメニューを変更する、メニュー変更せずに別のイベントを探すといった対応が必要です。このように事前に想定していた事態から変更があっても、冷静に対応する心構えが必要です。
キッチンカーに向いている人が持つスキル6選
このスキルを持っていれば、キッチンカー運営に向いている人だな、というものがあります。キッチンカー運営において表立って使えるスキルと目には見えないけど重要なスキルの両方を合わせて6種類紹介します。
1.複数の業務を平均以上のレベルで遂行できる
キッチンカーの運営を考えると、営業日当日に調理した商品をお客様に提供すればよいというものではありません。営業するためには出店場所を確保するための取組が必要ですし、お客様が購入のために集まってくれるための取組も欠かせません。もちろん、しっかりと継続的に収益を発生させるためには売上・経費の数字を把握するお金の管理も重要です。
このようにキッチンカーの経営では「調理」「接客」といった営業日当日の業務はもちろん、「集客」「(出店場所確保のための)営業」「(スタッフの求人・管理のための)人事」といった営業日以外の業務まで、さまざまな役割が求められます。全ての業務を一流レベルでこなす必要はありませんが、極端に苦手な業務があると、それが原因でキッチンカー経営自体が上手くいかなくなる可能性があります。したがって、複数の役割を人並みにこなせる能力が必要です。
2.初対面の人でもコミュニケーションがとれる
キッチンカーでの飲食業と実店舗での飲食業の違いの一つに役割分担の有無があります。実店舗では、一般的には調理担当と接客担当に分かれますが、キッチンカーでは、調理も接客も一人で行う場合が多いです。また、キッチンカーは出店場所が毎日のように変わり、お客様の多くは初めて会う人が多くなります。したがって、初対面の人ともしっかりとコミュニケーションがとれる人はキッチンカーに向いているといえます。
初対面の人はお客様だけではありません。同じ日に出店した他のキッチンカーの運営者とも「初めまして」の機会が多くなります。このような同業他社の人と横のつながりができると、新しい出店場所の確保や最新の動向(流行りのメニューは何か?など)の把握につながります。そのような機会を得るためにも初対面の人とのコミュニケーション能力を磨くことは欠かせません。
ちょっと苦手だな、という人へのアドバイスは「大きな声で ハッキリと 元気よく」を意識して、話せば大丈夫です。「それが難しい・・・」という人もいるかもしれませんが、キッチンカーを選んだ以上は、他者とのコミュニケーションは避けては通れません。まずは、目の前の1回を「大きな声で ハッキリと 元気よく」を意識して取り組むようにしてください。それを繰り返していけば、いずれ意識しなくてもできるようになるはずです。
3.細かい数字を管理することが苦にならない
キッチンカーの経営では金額に関わる以下の数字を把握しなければなりません。
- 売上金額
- 客単価
- 原価(仕入金額)
- その他経費(出店料・交通費・人件費など)
- 利益金額
金額以外にも「原材料の在庫数(量)」「(食器など)消耗品の在庫数」「来客数」等の数字の把握も必要です。さらに営業日当日のオペレーションに関係する数字以外にも、「SNS投稿数」「各投稿のいいねの数」「フォロワー数」など集客に関係する数字も把握しなければなりません。このように要素に分けたときのそれぞれの数字を管理することが、キッチンカー経営には重要です。
要素ごとの細かい数字を管理できていれば、例えば、売上が思うように上がらないときに、その原因が「客単価が低いこと」「来客数が少ないこと」「原価率が高いこと」のどこにあるのか(または、これら以外にあるのか)、を見極めることが可能です。原因が分かれば、適切な対応策がとれるので、状況改善も容易になるでしょう。キッチンカー運営において最初に管理しなければならない数字の一つである、開業時に必要な費用については、以下の記事で詳しく解説しています。
» キッチンカーを購入するとしたら? 初期費用や早期回収方法のポイントつき
4.必要なときに躊躇せずリソースを投入できる
キッチンカー経営において慎重さは重要です。慎重な姿勢があれば、無謀な量の原材料を仕入れて廃棄量が増える、などの事態は避けられるので安定した経営が可能になるでしょう。その一方で、キッチンカーの売上金額・利益金額を最大化するためには、必要なときに必要な量のリソース(ヒト・モノ・カネ)を躊躇なく投入することが求められます。
例えば、来場者数が多いことが分かっているイベントに出店する際に売上金額を最大化するためには、売り切れにしないことが重要です。とはいえ、キッチンカーに積める原材料の量では売り切れるのが明白な場合もあるでしょう。そのようなときに「原材料のみを運ぶ専用の車両を用意する」といった思い切った策を躊躇なくとれる人はキッチンカーに向いているといえるでしょう。必要なときに投入すべき代表的なリソースの一つであるアルバイトを雇うときの注意点は、以下の記事で解説しています。
» 移動販売車(キッチンカー)でアルバイトを雇う前に確認すべき5つの項目
5.キッチンカー運営に生かせる強みを持っている
キッチンカーの開業を考えている人にはそれぞれの強みがあるので、その強みをキッチンカー運営に生かせるなら向いている人といえます。例えば、デザインのスキルがある人なら、人をひきつける看板・タペストリー・メニュー表などが作れるでしょう。また、写真撮影に自信のある人なら、自分で撮影した質の高い写真をInstagramに投稿すれば、商品の魅力を存分に伝えられることに加えて競合相手との差別化にもなります。
明確な強みでなくても、例えば女性であれば同じ目線からお客様の求めるメニュー・サービスを提供できれば他のキッチンカーとの差別化につながります。その他にも子育てをしている人であれば、同じ子連れのお客様の気持ち・お困りごとが分かるでしょうから、その点を解決するようなひと工夫があれば満足度の高い商品・接客を提供できるでしょう。ちょっとしたことでも構いませんので、自分の強み・個性を見つけてキッチンカー運営に生かしてください。
6.自分を律して管理できる
個人でキッチンカーを開業する人の多くは個人事業主となります。個人事業主になると、全てのことを自分で決められる自由と結果の全てを自分で負わなければならない責任が生まれます。キッチンカーの運営には「リサーチ」「出店場所確保」「集客・情報発信」「仕込み調理」「出店業務」などを継続しなければならず、そのためには常に改善しながらやるべきことを続けられるように自分自身を管理しなければなりません。
その日の気分によって「やる」「やらない」を決めていては、満足な収益は得られないでしょう。自分管理能力が高い・行動量が多い人は、その日の気分に行動が左右されないために必要な業務を習慣化している人がいます。例えば、出店準備が整った瞬間にその日の様子を撮影したInstagramを投稿するなど、「(営業日には必ず起こる)Aの状態になったら、(収益アップにつながる可能性がある)Bの行動する」といった具合です。自己管理能力を上げる第一歩としては、「規則正しい生活を送ること」がおすすめです。
キッチンカーに向いていない人の対応策はこれ!
ここまで紹介したキッチンカーに向いている人が持っている姿勢・心構えとスキルを見て、「私には欠けているものが多い・・・」と感じた人も安心してください。あなたがとるべき対応策を解説しますので、参考にして自分に足りないものを補ってください。
立ち止まって考え理想の姿勢を強く意識する
キッチンカーに向いている人の姿勢・心構えはすぐに身につくものではありません。毎日遭遇するさまざまな出来事に対して、「自分が理想とする姿勢を手に入れた自分だったらどう考えるか?どう行動するか?」を毎回強く意識して、理想の自分として目の前の事象に対応しましょう。とにかく今目の前にあるコレを理想の自分として対処する、その一点に集中してください。
最初のうちは慣れないですし、難しく感じるかもしれませんが、繰り返し「理想の自分としての振る舞い」を意識し、実際にその通り行動すれば、徐々に無意識に「理想の自分」の姿勢・行動がとれるようになるでしょう。決して焦らず、ただし毎回強く意識することを忘れずに、取り組んでみてください。
足りないスキルを持っている人の力を借りる
キッチンカーに向いている人が持っているスキルを持っていなければ、他の人の力を借りれば問題は解決します。例えば、資金管理に不安があれば、税理士など専門家の力を借りましょう。そのほかにも、初対面の人とのコミュニケーションが苦手ならば、コミュニケーションが得意な人をスタッフとして雇えばよいですし、チラシ・看板などのデザインスキルがないのであれば、そのようなスキルを持つ人に外注すればよいだけです。
さまざまなスキルを持った人とは「クラウドワークス」「ランサーズ」「ココナラ」などのサービスを利用すれば、全国どこに住んでいても簡単に依頼できます。まずは一度、発注してみて気に入れば、継続してお願いできますし、イマイチであれば次は他の人に依頼するだけです。サービスに慣れるためにも、まずは一度簡単な仕事から依頼してみましょう。
まとめ
キッチンカー運営に向いている人の特徴として姿勢・心構えを三つ、スキルを六つ紹介しました。キッチンカーだからこそのものもあれば、ビジネス成功のためには必要な普遍的なものもありました。反対にキッチンカーに向いていない人の対応策も紹介していますので、自分自身を高めつつ、足りないところは他の人の力を借りることも検討してみてください。自分の向き不向きを確認するためにキッチンカー運営の詳細が知りたい人は、フードトラックカンパニーの無料開業セミナーを受講してみてください。