カフェだけじゃない!キッチンカーで一緒に販売したいおいしいドリンクとその注意点

カフェだけじゃない!キッチンカーで一緒に販売したいおいしいドリンクとその注意点

「キッチンカーで販売するドリンクってどんな種類がよいのだろう?」

「フードと一緒にドリンクを販売すれば、別の店に行く手間がなくてお客様にも喜んでもらえるのでは?」

「お客様からドリンクの要望があるんだけど儲かるのかな・・・手間だけかかったらどうしよう」

こんな不安を抱えていませんか?

その気持ちはよく分かります。なぜなら、私も自分のキッチンカーでドリンクを販売するか?販売するならどんな種類がよいか?を悩んだ経験があるからです。

飲食業の経験〇(ゼロ)からキッチンカーを開業した経験のある私が、キッチンカーでのドリンク販売をやった方がよい理由を具体的な数字も交えて解説します。

この記事では、

  • ドリンク販売とキッチンカーの収益性の関係
  • フードメニューとドリンクメニューのおすすめの組み合わせ
  • ドリンク販売に必要な機材
  • 冷たいドリンクメニューを販売するときの注意点

をお伝えします。

キッチンカーで収益をあげるためにはドリンク販売が欠かせない理由を、具体的な数字を使って丁寧に解説していますので、ぜひ最後までお読みください。

ドリンク販売でキッチンカーの収益性を高められる

フルーツスムージー

キッチンカーで販売するメニューにドリンク類を加えると、フードメニューのみの場合よりも全体の収益性を高められる傾向があります。この点を理解するために「原価」「原価率」「粗利」について説明した上で、ドリンク販売による収益性向上について解説します。

原価率は売り上げに占める原材料費の割合です

原価とは「商品(サービス)をお客様に提供するのにかかった費用」のことです。キッチンカーを含む飲食業では、「原材料費(食材費)」を原価と呼びます。さらに、売り上げに対して原価の占める割合を「原価率」、売り上げから原価を引いた数値を「粗利」と呼びます

例えば、250円で販売するハンバーガーに、以下の原材料を使うとしましょう。

  • バンズ:30円
  • パティ:70円
  • ケチャップ:10円
  • タマネギ:10円

このハンバーガーの原価は120円(30円+70円+10円+10円)、原価率は48.0%(120円÷250円×100)、粗利は130円(250円-120円)です。粗利からさらに人件費・場所代・燃料費などの費用を引いた残りの金額が、ハンバーガー1個当たりの最終的な利益になります。

一般的な飲食業の適正原価率は30%です

利益を圧迫しない原価率を「適正原価率」と呼び、キッチンカーを含む飲食業における適正原価率は、一般的に30%といわれています。

原価率を高めるほど、品質の高いメニューを提供でき、より多くのお客様に喜んでもらえ満足度も上げられる可能性が高くなります。一方で、極端に高い原価率はキッチンカーの収益を圧迫することにつながり、売上金額は大きいのに手元にお金が残らない、という事態を招きかねません。

さらに原価が大きいほど、売れ残ったときの損失額も大きくなり、最悪の場合はキッチンカーによる移動販売を継続できない可能性すらあります。このようなことにならないためにも、キッチンカーで販売するメニューの原価率への気配りが欠かせません。

ドリンクの原価率はフードの原価率より低い

キッチンカーで取り扱うメニューの中でフードメニューの原価率は30%前後のものが多いのに対して、ドリンクメニューは10~15%のものが多く、一般的にフードメニューよりも原価率が低い傾向があります。

1杯250円で販売するソフトドリンクの原価率を一例として紹介します。

  • ソフトドリンク(200mL):16円(2Lで160円の商品をカップに注ぐ)
  • 氷(5個前後):5円(1kgで100円の氷を取り分ける)
  • カップ:10円
  • ストロー:1円

このソフトドリンクの原価は32円(16円+5円+10円+1円)、原価率は12.8%(32円÷250円×100)、粗利は218円(250円-32円)です。

先ほどのハンバーガーとセットで販売したときの「売上金額」「原価」「原価率」「粗利」は以下の通りです。

  • 売上金額:500円(ハンバーガー:250円+ソフトドリンク:250円)
  • 原価:152円(ハンバーガー:120円+ソフトドリンク:32円)
  • 原価率:30.4%(152円÷500円×100)
  • 粗利:348円(500円-152円)

ハンバーガー単体で販売したときと比較して、売上金額・粗利が大きくなるのはもちろん、原価率も48.0%から30.4%に下げることができ、収益性が高まったことが分かります。

ペットボトルのソフトドリンクをカップに注ぐかたちにすれば、提供の手間をかけずに簡単にメニューの種類を増やせます。提供スピードが速く、原価率が低いドリンクをメニューに加えることで、キッチンカー全体の収益性を高めることが可能です。

このフードにはこれだ!ドリンク販売おすすめのセット

ハンバーガーとコーラのセット

キッチンカーでフードとドリンクのセットメニューを販売すれば、単価アップ・原価率ダウンなどの効果が期待できます。ただし、フードとドリンクの組み合わせによっては、作業効率を落とし提供スピードが遅くなる恐れがあります。そのような事態にならないよう、フードとドリンクの特性を考慮したおすすめの組み合わせを紹介しましょう。

出来たてを提供するメニューにはソフトドリンク

キッチンカーの神髄は、出来たてのおいしさをお客様を待たせることなく短時間で提供できることです。そのためには、適切な車内設備・調理手順・考えられた動線での作業が必要です。ドリンクメニューを設定することにより、提供スピードが遅くなり、お客様の回転率・信用度が落ちることがないよう注意が欠かせません。

特にハンバーガーやホットドッグなどの出来たてを提供するメニューをメインとするときのドリンクメニューは、なるべく時間と手間がかからないものがよいでしょう。具体的には、ペットボトルや紙パックに入っているものをカップに注ぐだけのソフトドリンク全般(コーラ・ジンジャーエール・カルピス・オレンジジュース・ウーロン茶など)がおすすめです。

作り置きできるメニューにはこだわりのドリンク

メインメニューがドーナツ・おにぎり・パン・焼き菓子など作り置きができる商品の場合、実際に商品が売れたときに提供する時間はかからないので、ドリンクメニューは多少の手間がかかっても問題ないでしょう。おにぎりやパンと一緒にみそ汁・各種スープを販売してもよいですし、コーヒー・紅茶・ココアなら、幅広いメニューと一緒に販売できます

このようなドリンクメニューなら、みそ汁のみそ・具材、各種スープの具材、コーヒーのコーヒー豆、紅茶の茶葉と原材料や製法にこだわることで、競合するキッチンカーと差別化を図ることが可能です。コーヒーや紅茶ならオリジナルブレンド豆・茶葉を使えば、お店のオリジナリティを演出できます。

さらにコーヒーやココアなら、ホイップ・シロップ・パウダーとトッピングを加えることでリッチ感を演出して商品の単価アップも可能です

女性メインのメニューにはタピオカやスムージー

タピオカミルクティー

クレープ・ワッフル・かき氷などのスイーツ系メニューを販売するときのお客様は10代から20代の女性が中心となります。このような客層に好まれるドリンクメニューは、タピオカドリンクや果物を使ったスムージーです。

タピオカドリンクは事前にタピオカを準備しておけば、販売時にはドリンクに混ぜるだけなので提供に時間がかかりません。

スムージーは果物を使うこともあり、原価が高くなりますが、その分高値で販売できるので、しっかりと粗利を残せます。スムージーに果物の他に氷やヨーグルトを加えることで、味にバラエティーをもたせ夏場にピッタリな冷たい飲み物になります。

ペットボトル・缶飲料は差別化で単価アップ

キッチンカーに積載する給排水タンクの容量などにより、カップでドリンクメニューを販売できない場合でも、ペットボトル・缶飲料なら販売できます。ただし、コンビニ・スーパーなどで購入できる商品は、お客様も定価を把握しているので、あまり高値では販売できません。

ペットボトル・缶飲料を販売するなら、あまり売られていないミネラルウォーター・海外製ジュースなどを扱うことで差別化・単価アップが可能になるでしょう。輸入雑貨店・輸入専門食品店などでしか見られないような珍しい商品であれば、希少性があるので値段もある程度自由に付けられます。

キッチンカーでのドリンク販売に必須の3つの機材

キッチン

キッチンカーで冷たいドリンクを販売するためには、冷蔵庫と製氷機が必要です。しかし、製氷機のサイズによっては、キッチンカー(移動販売車)に搭載できない場合もあります。その場合には、別の場所で作ったり、購入したりして準備した氷をキッチンカーの冷凍庫に入れておきましょう。

また、冷蔵スペースも限られているので、キッチンカーで販売する冷たいドリンクメニューの種類・量は、冷蔵庫のサイズと相談して決めることをおすすめします。

温かいドリンクをキッチンカーで販売するためには、湯沸かしポットが必要です。ドリップコーヒーを販売するために、コーヒーメーカーを準備するのであれば、湯沸かしポットが不要となる場合もあります。ただし、ドリップしたコーヒーは時間の経過とともに味が変わるので、販売数が少ないようであればコーヒーを販売しないことも含めて検討が必要です。

冷たいドリンク販売時には温度と氷の大きさに注意

アイスコーヒー

冷たいドリンクを販売するときには注ぐドリンクの温度に注意が必要です。常温のドリンクを注いだところに氷を入れると、すぐに氷が溶けて味が薄くなります。味に敏感な人が味の薄さに気が付いてクレームになる可能性もあるので、カップに注ぐドリンク自体をあらかじめ冷やしておくことを徹底しましょう。

例えば、500mLのペットボトルが冷えるのに4~5時間かかるといわれています。提供時間から逆算して余裕をもって冷蔵庫に入れるようにしましょう。

また、カップに入れる氷が小さいと早く溶けて、こちらもドリンクの味が薄くなる要因になります。製氷機や自分で氷を作る場合には、なるべく大きな氷を作ることをおすすめします。思わぬクレームやお客様の不満を防げるよう、ちょっとした気遣いを忘れぬよう注意してください。

まとめ

キッチンカーで販売するメニューの中でもドリンク類は原価率が低いので、取り扱うことでキッチンカーの収益性を高めることに貢献してくれる可能性があります。ドリンクを販売するなら、メインとなるフードメニューとの相性・提供スピードの関係性を考慮して、販売するドリンクメニューの種類を決めることが必要です。

ドリンクメニューのために大きな厨房設備は不要ですし、簡単にメニューの種類を増やせるので、キッチンカーの販売メニューの一部にドリンクメニューを加えることをおすすめします。

フードトラックカンパニー社が実施する無料のキッチンカー開業セミナーでは、ドリンクも含めキッチンカーで販売するメニュー選びについても学ぶことが可能です。私自身も実際にこのセミナーを受けて、キッチンカー開業にいかすことができたので、キッチンカー開業・起業に興味がある人に強くおすすめします。

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