
「生ものであるお寿司をキッチンカーで提供してもいい?」
「キッチンカーでお寿司を販売するにはどんな営業許可が必要なの?」
「保健所から許可を取るために、必要な書類や手順が分からない」
こんな悩みをかかえていませんか?
生ものやお寿司のキッチンカーをやってみたいけど、保健所の許可が厳しいと知り、不安を抱えるケースは少なくありません。
![]() | 監修者 キッチンカー開業コンサルタント |
キッチンカー開業を志す方々の夢を形にする専門家。メニュー開発から車両選定、出店計画、開業資金の計画まで、キッチンカー開業に必要な全てをワンストップでサポートします。フードトラックカンパニーの豊富な実績とノウハウを活かし、成功への最短ルートを共に描きます。
この記事では、
- 食品衛生法の改正で生ものやお寿司の販売基準が明確になった背景
- お寿司のキッチンカーで成功している「鮨さきがけ」様の事例
- 保健所に営業許可をもらうまでの3ステップ
- 生ものやお寿司をキッチンカーで取り扱う注意点
をお伝えします。
この記事を読めば、生ものやお寿司をメニューに取り入れるメリットとデメリットが分かるようになります。これからキッチンカーを開業したい方に役立つ内容になっておりますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
生ものやお寿司のキッチンカーでも、保健所から許可が出る

キッチンカーでお寿司や刺身などの生ものを、販売するのはむずかしいと感じる方は少なくありません。しかしキッチンカーの設備を整え、保健所の衛生基準に合格すれば、キッチンカーで生ものやお寿司を提供できます。保健所から許可が出るようになった背景を解説していきます。具体的には以下のとおりです。
- 2021年の食品衛生法の改正により、保健所による許可条件が変わった
- お寿司を販売する「鮨さきがけ」様のキッチンカー成功事例
2021年の食品衛生法の改正により、保健所による許可条件が変わった
2021年(令和3年)6月に法律が改正され、キッチンカーで生ものやお寿司の提供が可能となりました。法改正前の法律では加熱済みメニューでないと、営業許可を認められない事例が多くありました。実際に「調理営業」の業種分類では、生ものを販売できません。
しかし食品衛生法の改正により、保健所が定める基準を満たしたキッチンカーは、「飲食店営業」の許可を取得できます。保健所から営業許可を取得できれば、お寿司や刺身などの生ものを販売できます。具体的に給水・排水タンクの容量は、それぞれ200リットルを目安にしたキッチンカーの設備が必要です。
食品衛生法の改正でお寿司や刺身などの生ものをキッチンカーで提供できるようになりました。キッチンカー営業許可に関しては、下記記事で徹底解説しています。法改正により、営業許可の範囲が広がった都道府県も多くありますので、ぜひ参考にしてください。
» 改正食品衛生法のキッチンカー営業許可への影響を徹底解説!保健所対策は必要?
»【2025年4月更新】改正食品衛生法施行に伴いキッチンカー営業許可の範囲が変更になった都道府県一覧
お寿司を提供する「鮨さきがけ」様のキッチンカー成功事例
生ものやお寿司のキッチンカーでも保健所から許可が出ている事例として、「鮨さきがけ」様のキッチンカーを紹介します。神奈川県鎌倉市を拠点に活動している「鮨さきがけ」様は、日本で初めてお寿司を販売するキッチンカーとして注目されています。オーナーの小林魁様は東京すしアカデミーを卒業し、25歳のときにキッチンカーで独立しました。
キッチンカーで江戸前寿司を提供している「鮨さきがけ」様は、メディアだけでなくSNSなどからも話題性があり、人気となりました。例えばお寿司のキッチンカーとして、開業前から奮闘するYouTubeの総再生回数は30万回を超えています。Instagramでは日々の出店情報だけでなく、ショート動画(リール)も配信しています。
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お寿司の値段としては、「おまかせさきがけ握り10貫3,500円(税込)」とキッチンカーの中では高価格のメニューです。しかしお客様の目の前で握る江戸前寿司をキッチンカーで提供する事例は珍しいため、口コミで人気を集めています。
設備を備えたキッチンカーで、必要書類を提出し、保健所の許可を得られれば、キッチンカーで生ものやお寿司を販売できます。
お寿司の販売以外にも、和食料理店でキッチンカーで成功している事例は珍しくありません。キッチンカーで生もの以外に販売するメニューのヒントにしてください。
生ものやお寿司のキッチンカーで営業許可をもらうまでの3ステップ

食品衛生法の改正により、保健所の条件を満たせば、刺し身やお寿司となどの生ものを販売できるようになりました。保健所で営業許可を取得するための具体的な方法は、以下3つです。
- 許可基準を満たしたキッチンカー車両を用意する
- 営業許可に必要な書類を準備する
- 保健所に必要書類を提出し、キッチンカーを検査してもらう
1. 許可基準を満たしたキッチンカー車両を用意する
生ものやお寿司をキッチンカーで販売するには、保健所の許可条件を満たす車両が必要です。保健所の許可条件を満たしたキッチンカー車両を用意するために、まずは保健所に確認しましょう。不安な場合は、保健所の許可条件に詳しいキッチンカー製造会社に相談するのもおすすめです。
例えば、生ものやお寿司をキッチンカーで販売する場合、200リットルの給水・排水タンクが必要です。フードトラックカンパニーでは、独自に200リットルのタンクを開発しているため、キッチンカー車内でもスムーズに調理できます。無料の開業セミナーではキッチンカーを見学できるため、どんな大きさのタンクがどう配置しているのかを実際に見ることができます。
中古のキッチンカーは安く抑えられる場合がありますが、保健所の許可基準を満たしていないと生ものやお寿司を販売できません。保健所により細かな許可基準が異なるので、営業を予定している保健所に確認しましょう。
下記記事では、営業許可を得るための申請方法や保健所の審査基準を詳しく解説してますので、ぜひお読みください。
» 【2025年最新版】キッチンカーの営業許可証取得を申請から4ステップで徹底解説!
2. 営業許可に必要な書類を準備する
キッチンカーの発注から1〜2ヶ月程度の時間がかかることは珍しくありません。そのためキッチンカー車両が届くまでの期間を使って、必要書類を効率的に用意していきましょう。具体的には生ものやお寿司をキッチンカーで販売するには、以下の書類が必要です。
- 営業許可申請書
- 車内レイアウト図面
- 設備の写真
- 食品衛生責任者の資格証
- 許可申請手数料(1〜2万円程度)
基本的な提出物は同じですが、保健所によって細かな違いがあるため、注意が必要です。また営業許可は地域ごとに異なるため、イベントなどで他県でキッチンカーを出店する場合、管轄地域の保健所に許可を申請しましょう。
保健所の許可で具体的な必要書類や資格については下記記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。
»キッチンカー(移動販売)を運営するために必要な資格(食品衛生責任者、営業許可など)
» 移動販売車の営業許可・資格を徹底解説!開業時の3つの手続きも解説!
3. 保健所に必要書類を提出し、キッチンカーを検査してもらう
書類審査が終わると、保健所による設備検査があります。保健所と事前に決めた指定日に、キッチンカーを持ち込み、保健所の許可基準を満たしているかを確認します。
具体的な検査項目は、以下のとおりです。
- 二層シンクの大きさ
- 給水・排水タンクの容量(200リットルあるか)
- 冷蔵・冷凍設備の動作と温度管理
- 換気設備や照明の有無
- 運転席と調理スペースが分かれているか
保健所の審査に合格すると、営業許可証の交付予定日が案内されます。キッチンカー車内で営業許可証を提示すれば、生ものやお寿司を販売できるようになります。
図面と実際の設備が異なっていたり、タンクの容量が不足していたりすると、保健所から許可を得られません。再検査になるとキッチンカー開業が遅れてしまう可能性があるため、事前に保健所で確認するのが重要です。
保健所の営業許可を取るための方法は、下記記事で詳しく解説しています。具体的な開業手順や仕込み場所も分かるようになるので、ぜひお読みください。
»保健所でキッチンカー(移動販売)の営業許可を取る方法を解説!開業手順や仕込み場所も解説
キッチンカーで生ものやお寿司をあつかう際の注意点

寿司や刺身などの生ものは、他のメニューと比べて衛生面でリスクが高くなる傾向があります。そのため保健所の審査も厳しくなりやすく、営業許可を取得した後も、設備、ルール、衛生管理が求められます。具体的な注意点は以下のとおりです。
- 生ものやお寿司を販売できるキッチンカーの許可条件を満たす
- 地域ごとで保健所ルールが違う場合がある
- 食中毒を発生させないよう、不衛生な環境を作らない
生ものやお寿司を販売できるキッチンカーの許可条件を満たす
保健所はキッチンカーが食中毒を出さないためにも、一定の条件を設けています。特に重要なのが、タンクの大きさと容量です。なぜならタンクの容量が小さいと、生ものなど食材の洗浄や手洗いが不十分になり、不衛生な環境を作るからです。
他にもキッチンカーの設備は、水道設備・冷蔵冷凍設備・照明・換気・電源など、基準を一つでも満たさないと保健所から営業許可を取得できません。かならず最新の許可基準を保健所で確認し、必要な設備を備えたキッチンカーを用意しましょう。
フードトラックカンパニーでは作業スペースを確保しつつ、独自に開発した200リットルのタンクを配置したキッチンカーを用意しています。保健所の許可条件にクリアできる図面を事前に相談するなどの無料サポートも行っております。保健所の許可条件を満たしているか不安な場合は、キッチンカー制作会社にお願いするのもおすすめです。
下記記事ではキッチンカーの設備基準を満たす具体例や、保健所が求めるキッチンカーの内装を図面で解説しています。キッチンカーの設備基準をイメージできるようになりますので、ぜひお読みください。
»キッチンカーの内装に必要な3つの役割を徹底解説!保健所の審査基準も公開します!
地域ごとで保健所ルールが違う場合がある
保健所は地域ごとでルールが変わり、申請書類の内容や求められる添付書類も異なります。そのため営業を予定する地域の保健所の許可基準を確認しておくことが欠かせません。
例えば音楽フェスや野外フェスで大きく売上を作ろうと考える時、イベントが開催される地域の保健所の許可が必要です。また東京の保健所で基準に合格しても、別地域の保健所では営業許可をもらえなかった事例はあります。
具体的には東京都でキッチンカーの営業許可を取得するには、以下の書類が必要です。
- 営業許可申請書
- 施設の構造及び設備を示す図面(2通)
- 営業の大要
- 許可申請手数料食品衛生責任者資格
仕込み場所が東京都内でない場合、別途営業許可が必要になる可能性があります。
一方愛知県でキッチンカーの営業許可を取得するには、以下の書類が必要です。
- 営業許可申請書・営業届
- 営業施設(自動車)の図面(平面図、側面図)
- 許可を取得する自動車の車検証のコピー
- 営業許可申請手数料(愛知県収入証紙)
- 登記事項証明書(法人のみ)
- 食品衛生責任者資格
東京都では必要なかった車検証のコピーなどが愛知県では必要であると分かります。生ものやお寿司のように衛生管理が求められる食品の場合、特に注意が必要です。
不安な場合は地域ごとの基準に詳しいキッチンカー会社に相談するのもおすすめです。フードトラックカンパニーでは取り扱いメニューと店舗を教えていただければ、保健所の許可基準を満たす車両の特徴やメニュー相談まで無料サポートをおこなっています。
下記記事では関東圏内の申請書類を一覧にしてまとめていますので、一例として参考にしてください。
» 【関東版】キッチンカー(移動販売)の営業許可申請に使う保健所一覧
食中毒を発生させないよう、不衛生な環境を作らない
お寿司や刺身などの生ものをあつかうには、衛生管理と品質管理が欠かせません。保健所は食中毒を起こさないことを前提に、営業許可を出しているからです。意識しておきたいポイントは以下のとおりです。
- 手洗いや消毒を入念におこなう
- まな板や包丁は使い分け、交差感染を防ぐ
- 車内の温度管理を徹底する
不衛生な環境を生まない努力が、食中毒のリスクを減らします。特に生ものやお寿司は食中毒を発生させやすいため、油断せずに衛生管理を徹底しましょう。
下記記事ではキッチンカーで実際に食中毒が発生した事例や、厚生労働省が提唱する衛生管理法を解説しています。食中毒は夏場だけでなく1年を通して発生するので、具体的な対策を把握しておきましょう。
»キッチンカーで食中毒や不衛生を防ぐには?事例から学ぶ衛生管理の徹底ガイド
またキッチンカーの仕込場所として、自宅やアパートが挙げられます。保健所により異なりますが、施設として営業許可を取得する必要があります。仕込みとしてどこまで使えるのか、下記記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
» キッチンカーの仕込み場所を徹底解説!自宅やアパートを改装して使えるのか?
よくある質問

キッチンカーで生ものやお寿司を扱うメリットはなんですか?
生ものやお寿司を提供するキッチンカーは、話題性につながり収益を大きく伸ばせる可能性があります。なぜなら生ものを扱うキッチンカーは珍しいからです。実際にお寿司を提供する鎌倉市の「鮨さきがけ」様のキッチンカーは、メディアに報道され、高価格帯で成功している事例です。
揚げ物や手軽に食べられるメニューとは異なり、新鮮な魚介や生野菜を使ったお寿司など、健康志向のお客様からの需要があります。鮮度が重要な生ものは車内で仕込みする必要があるため、仕込み場所も不要となる点も魅力です。
話題性・値段・健康志向へのマッチ・仕込み不要の観点から、キッチンカーで生ものやお寿司を扱うメリットがあります。
生ものやお寿司を提供するキッチンカーの開業費用はいくらかかりますか?
保健所の設備基準の違いや、新車か中古によって異なりますが、一般的に400万円〜500万円程度が目安です。生ものをあつかうキッチンカーの開業費用は、通常のキッチンカーと比べ高くなる可能性があります。なぜならお寿司などの生ものに対応したキッチンカー車両は、大型タンクや高性能な冷蔵庫など設備が必要になるからです。
キッチンカーの開業費用に関しては、下記記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
» キッチンカーの開業資金は350万円から!初期費用の金額・内訳・調達方法を紹介!/a>
» キッチンカーを購入するとしたら? 初期費用や早期回収方法のポイントつき
保健所の許可取得にはどのくらい時間がかかりますか?
営業許可が下りるまでの期間は地域や申請状況によって異なりますが、交付まで2〜3週間程度かかるのが一般的です。繁忙期や保健所の処理状況によっては、申請から交付まで1〜2ヶ月かかる場合もあります。
例えば東京都では営業開始の10日前までに申請するのが目安とされています。スケジュールに余裕を持って手続きを進め、許可取得を目指しましょう。
保健所の許可基準を満たし、生ものやお寿司のキッチンカーを選択肢に入れよう
生ものやお寿司を販売するキッチンカーは、保健所の許可基準に合格すれば営業可能です。お寿司を提供する「鮨さきがけ」様のキッチンカー成功事例では、口コミから広がりSNSで人気を集めています。
- 食品衛生法の改正によって、生ものやお寿司を提供しやすい環境になった
- 保健所の許可基準を満たすために、必要なキッチンカー車両を準備する
- 生ものやお寿司を取り扱うには、200リットルの給排水タンクが必要
- 保健所によって必要書類や添付書類が異なる
- 食中毒を防ぐために、衛生管理を徹底する
フードトラックカンパニーは日本全国の保健所に許可基準のヒアリングなどを行った上で、自社工場でキッチンカーを製造しております。事前に取り扱いメニューと出店地域を教えていただければ、保健所の許可基準にクリアできる図面かを事前に相談するなど、無料サポートも行っております。今まで1,624件の開業を支援してきましたので、キッチンカー経営に関する知識が豊富です。
まずは無料のキッチンカー開業セミナーで情報収集を始めませんか?生ものやお寿司のキッチンカーだったり、保健所の許可が難しそうだなと思われるメニューを考えたりしている方は、ぜひフードトラックカンパニーにご相談ください。