この記事は「スーパーの駐車場で移動販売をする」ための記事ではありません。出店場所を探している方はこちらの「出店場所を探すためのノウハウ記事」をご覧ください。
スーパーマーケットを移動販売で行う方のために、必要な準備や移動販売スーパーの流行などをまとめました。こちらの記事を読みながら、改めて移動販売スーパーをやりたいかどうか検討いただければと思います!
「とくし丸」で大注目の移動スーパー。超高齢化社会の発展業種です。
「とくし丸」、みなさんも見たり聞いたりしたことがあるのではないでしょうか。東京でも見かける「とくし丸」ははまさに移動スーパーの仕掛け役者。現在社会の問題解決に一役買っている存在なんです。そう、いま移動スーパーが熱いんです!!!
徳島県徳島市で産声を上げた移動スーパー「とくし丸」。
「とくし丸」は創業者の親が中山間地域で暮らしていたために買い物に不自由していることから買い物難民問題に着目し、移動スーパー事業を立ち上げたのが始まりです。
その後、全国的にフランチャイズ店が増え、過疎地の買い物難民になくてはならないサービスとなっています。都会の住宅地での老人家庭増加が進むこれからは、大都会でのニーズも確実に増えていきます。→とくし丸のHP
買い物弱者支援としての移動スーパーに注目が集まる。
移動スーパーが流行している理由、それには大きな2つの理由があります。
1つ目は「進行する高齢化」。高齢化が進むことによって、高齢世帯鵜が増加し、移動手段が無くなるため買い物に行きにくくなったり、重いものを購入することが困難になります。
2つ目は郊外に大きいショッピングモールなどができてしまったため、最寄りの商店街の閉店が相次ぎ、やはり車などでの移動無しに買い物をすることが難しくなってきているからです。
「買い物弱者」は経済産業省が14年に示した推計で700万人。交通事故防止のために高齢者に運転免許の返納を促す機運が高まるなか、「買い物弱者」は着実に増えているのは間違いありません。
地方においては、さらにこのような買い物難民の問題は深刻化しており、移動スーパーは打開策の一つとして注目が集まっているのです。
移動スーパーとは簡単に言えばどんなものか?
簡単に言えば移動スーパーは、生活に必要な物が手に入る便利屋さんだと思えば良いと思います。それら全てを事業者さんが揃えて、いつも新鮮なものを届けるのが難しいところもあり、「とくし丸」のフランチャイズが成長している背景があります。
フランチャイズの多くはスーパーと販売委託契約を結んで、提携スーパーが取り扱う生鮮食品や生活雑貨等の移動販売を行うところが多いようです。
今後は大手も参入!?
既述しましたが、全国的に買い物弱者は増加の一途をたどっており、「とくし丸」を皮切りにいろんな大手企業も移動スーパー業界に参入し始めています。
こちらの農林水産省のサイトでは買い物支援の取り組み事例を挙げています。
<http://www.maff.go.jp/j/shokusan/eat/zenkoku_jirei.html>
例えば、セブンイレブン、ローソンなどの大手コンビニや、JA、地方のスーパーやコープ(生活協同組合)などなど。他にも地域の町おこしとして自治体がキッチンカーの運営を始めたところもあります。
そんな大手企業が参入してくるのであればライバルが多くて大変なのでは?そんな心配をしている人もいるかもしれません。しかし、別に大手と同じサービスを提供する必要はないのです。
固定客の欲しがるものを欲しいと思う時期に提供し、一人一人とのつながりを大切にする、国民的アニメ「サザエさん」にでてくる三河屋さんの「サブちゃん」のようないわゆる『御用聞き』を目指してみてはどうでしょうか。
移動販売(キッチンカー)スーパーで必要な装備
小さいながらも、スーパー。生鮮食品や冷凍商品を欠かすことはできません。そこで必須となるのが冷蔵ショーケースと冷凍ストッカーです。いずれも小型のものを車載することになりますが、冷蔵ショーケースが3〜6万円、冷凍ストッカーが3〜12万円といった価格ゾーンです。価格は容量次第です。
そのほか、LED照明付の商品棚、手洗い用流し台も必須。ご用聞き方式での営業では、車が来たことを知らせる放送スピーカーなどの設備も大切となります。これらを稼働させる電源(発電機)にもそれなりの高性能が求められます。
移動スーパーの製作会社も沢山ありますから、必要な性能や自分に合ったサイズのキッチンカーのイメージの参考にするとよいでしょう。
装備とは異なるかもしれませんが、当日配送エリアに行きますよとか、30分後に到着しますといったアナウンスをSNSやアプリなどを利用して流すのもうまく取り入れたいですね。
装備以上の重要ポイントとなるのが、商品の仕入れです。個人で複数の仕入れ先と提携することは不可能ではありませんが、相当な労力が必要です。そこで、移動スーバーのほとんどが行っている「既存のスーパーとの契約に基づく仕入れ(フランチャイズ)」が基本パターンとなります。当然利益率は下がりますが、そのことを含めて経営計画を立てることが大切です。
地方では道の駅と契約したりする方法もあるようです。都内で地方の野菜を売るなど特色を出すのもよいでしょう。
移動販売(キッチンカー)スーパーでおすすめの品揃え
品揃えは、どんなエリアで活動するかによって大きく変わります。買い物弱者をサポートする意味での過疎地をめぐる場合は、生活の基本となる食材、生鮮食品や乾物、調味料、レトルト食品、冷凍食品などがベースとなります。日常使用する調理用具や食器なども喜ばれます。
一方、都市の住宅地の場合は地域の実情次第。地域にコンビニなどがあれば、そのコンビニで扱っている商品との違いを出し、差別化を図ることが大切です。
どのエリアでも水やお米など重いものは重宝されるかもしれませんが、移動スーパーに搭載できる量は決まっていますから、オーダー方式を採用することをお勧めします。
移動販売(キッチンカー)スーパーでおすすめのクルマ
多数のアイテムを積み込んでの営業となりますので、クルマは大きければ大きいほど利便性が高くなります。といっても、そこは経営の問題。資金面で苦しければ、小型トラックを使い、それに合わせた品揃えを工夫するという方法もあります。
また、山間部の道や都内の住宅街などはUターンや切り返しが難しいところもあるので、そういった意味でも大型が必ずしもよいとは言い切れないでしょう。
軽トラックタイプで移動スーパーをする場合は商品は約300品目、およそ1000点程度を搭載することができます。積み方などを工夫すればさらに積み込むことが可能なようです。
キッチンカー・移動スーパーの先輩訪問:新鮮な食材を移動販売車に積み込み、買物不便地域を巡回する「マツゲン生鮮移動スーパー」
和歌山県伊都郡高野町、伊都郡かつらぎ町、有田郡有田川町、橋本市一円で買物不便地域を定期的にまわっている「マツゲン生鮮移動スーパー」さん。その名のとおり、品揃えの中心は鮮魚、精肉などの生鮮食品。手作り惣菜、各種加工食品、日用品もおこたりない品揃え。→HP
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