
宅配ピザのCMや配達するバイクの姿をみない日がないくらい、ピザは日本人の生活に密着するようになってきています。
スーパーの売り場では冷凍食品やチルドの商品が数多く並び、人気の高さがうかがわれます。
とろ~りとろけるチーズがたっぷり乗ったピザは、焼きたてのアツアツ感も魅力のひとつです。
近年はピザを焼く窯が進化してきていることにより、ピザを販売するキッチンカーが増えてきています。
この記事では、そんな人気のピザのキッチンカーの開業を検討されている方に向けて書いています。
ぜひご覧ください。
目次
キッチンカーでピザを売るメリット、デメリット

キッチンカーでピザを売るメリット、デメリット
メリット
- 顧客層が厚い
- リピーターが見込める
- まだまだキッチンカーで販売している人が少ない
- 厨房設備が少なくてすむ
- 焼き上がりの熱々を提供できる
あらゆる世代からピザは人気があるので、広い年代の方々から購入してもらえます。
また、ピザ好きの方が多い割に、まだまだ販売しているキッチンカーが少ないので、一度顧客の心を掴んでしまえば、リピーターになってもらえる可能性が高いです。
設備に関しても、ピザを焼く窯がメインとなるので、厨房設備が少なくてすみます。
さらに、宅配ピザと違ってその場で焼いたピザをすぐに提供できるので、熱々の状態のピザを販売することができます。
デメリット
- 窯の種類によっては設置が困難
- メニューの選択が困難
- 原価が高い具材がある
- 夏場は売れ行きが減る
「石窯焼き」というフレーズが付加価値をつけやすいですが、窯の種類によっては車載が困難な場合があります。また、ピザはメニューのバリエーションが豊かなため、販売するメニューの選定が難しくなったり、魚介を使用すると原価がかかりすぎてしまったりする場合があります。
また、ピザのこってりとしたイメージは、暑さで食欲が減退する夏場には敬遠されてしまいがちです。
キッチンカーでピザを販売するまでの流れ

キッチンカーでピザを販売するまでの流れ
1. 事業計画をたてて資金調達をします
開業に必要な計画を立てて、必要な資金を調達します。車載できるピザ窯の価格は、石窯の場合110~200万円になる場合もあるので、予算オーバーにならないように注意が必要です。
2. キッチンカーの仕様の打ち合わせをします
車のサイズや使用する厨房設備、塗装・看板ラッピングシールなどの外装イメージを決定します。ピザ窯を積めるサイズの車種となりますので確認が必要です。
3. ピザ窯を手配します。
近年のピザブームでピザ窯の入手に時間がかかるようになってきています。石窯の場合はオーダーメイドになる場合もありますので、時間に余裕を持って手配しましょう。
4. メニューを開発します。
メニューの選定や調理オペレーションの決定だけでなく、原価計算もしっかりと行っておきましょう。
5.各種許可の申請と取得
営業許可を取得するために、講習会を受講したり保健所に申請を行ったりします。
6.車両完成
近年のキッチンカーブームの影響で、制作に時間がかかるようになってきています。納品までに3カ月から半年はかかると思っていてください。
7.陸運局予備検査
陸運局で検査を行い、合格したら予備検査証が出ます。
8.登録申請
地域陸運局に車両を持ち込んで、登録申請します。
9.納車
車両が納車になります。
10.営業許可申請
納車前に保健所と検査日を決めておき、必要書類と車両を持ち込んで検査してもらいます。
許可が下りれば、晴れて開業です。
ピザをキッチンカーで売るための営業許可の種類

ピザをキッチンカーで売るための営業許可の種類
食品衛生責任者の資格
食品衛生責任者とは、飲食を扱う出店の場合に必ず必要となる資格です。
飲食店や食品に関わるお店ごとに、必ず食品衛生責任者を1人ずつ配置することが義務づけられています。
保健所の営業許可
保健所の営業許可は、出店する地域ごとに取得する必要があります。
「食品移動自動車」の営業免許ではピザを販売できないので、「食品営業自動車」の営業許可が必要となります。
保健所によっては見解が違う場合もあるので、スムーズに準備を進めたい場合には、保健所の営業許可取得に詳しい移動販売車の製作会社に相談してみるとよいでしょう。
ピザが売れやすい季節、出店場所

ピザが売れやすい季節、出店場所
基本的に季節を問わないメニューですが、チーズのこってり感からか、夏は売り上げが悪くなりがちです。
夏場には、イタリアの人気メニューであるジェラートなどを併売するなどの工夫で、落ち込む売り上げの穴埋めをすることもできます。
昼食にも軽食にも販売数が見込める商品ですが、出店場所は下記の場所が特におすすめになります。
- 遊園地
- 観光施設
- 公園
- オフィス街
トマト味がメインであることやチーズを使っていることから、ピザはお子さんに人気の高いメニューです。
お子さん連れのご家族が休日にたくさん集まる遊園地や観光施設・公園などで売れやすくなっています。
また、ランチにサクッと食べられるため、ランチ時のオフィス街でも人気となっています。
ピザの販売におすすめのキッチンカーの車種

ピザを販売する際には、ピザ窯が必要不可欠です。
ピザ窯の大きさや重量は、タイプによって大きく異なります。
使用するピザ窯のタイプが決まったら、キッチンカー製造会社に相談をして車種を決めるようにしましょう。
ピザを作るために必要なキッチンカーの厨房設備

ピザを作るために必要なキッチンカーの厨房設備
加熱調理が必要な具材の下ごしらえさえしておけば、必要な設備はピザ窯がメインになります。
ピザ窯にはいくつかの種類があり、価格も大きく異なってきます。
・薪を用いるピザ窯
薪を燃料に用いる本格的なピザ窯です。
平均的な価格相場は100万円からとなり、煙突設置費用もかかるので、導入費用はさらに高額になります。
・ガスを用いるピザ窯
ガスを燃料にするガス窯です。
平均的な価格相場は100万円からとなりますが、こだわりたい場合には、最低でも200万円は見積もっておいた方がいいでしょう。
・電気を用いるピザ窯
電気を用いるピザ窯です。
60万円〜100万円が相場となっています。
・「ペレット」を用いたピザ窯
木材の燃料である「ペレット」を使用するピザ窯です。
平均的な導入費用としては65万円ほどと、極めて低価格で導入が可能です。
その他に必要な厨房設備としては、下記のようなものになります。
- 冷蔵庫
- シンク
- 給排水設備
- 換気扇
ピザの材料を安く仕入れる方法

ピザの材料を安く仕入れる方法
業務用のピザやクラフトを、ネットなどの業務用食品卸問屋で大量に購入することで、安く仕入れることができます。
さらに、チーズや具材があらかじめトッピングされた商品なら、人件費も時間も削減できてさらにコストを削減できます。
完全手作りで他店との差別化を出したい場合には、粉やチーズなどを個別に仕入れることになります。
その場合にも、業務用食材卸店やネット店舗などから大量に購入すると、安く仕入れることができます。
ピザの販売で成功しているキッチンカーの紹介とその施策

ピザの販売で成功しているキッチンカーの紹介とその施策
石窯ピッツァ&ジェラート 石窯PIZZA ANTHONY(アンソニー)
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石窯で焼いたピザとイタリアンジェラートが名物の、キッチンカー石窯PIZZAアンソニー。
地産地消の具材をふんだんに使い香ばしく焼き上げたピザと、イタリアジェラート協会の認定を受けた本物ジェラートが味わえます。
地元とアウトドアを愛する店主が、自身のボンゴトラックのキャンピングカーを改造したフードトラックで販売しています。
ハウスメーカーやカーディーラー、携帯ショップや子供会などからの依頼に応じて出店しています。
場所により、メニューの内容・価格・サイズを変更したり、出店イベントや季節によって限定メニューを登場させたりする場合がありますが、価格帯は800円〜1000円となっています。
FELICE(フェリーチェ)
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さいたま市を中心に、石窯ピザを販売しているキッチンカーです。
住宅展示場やカーディーラーのイベント会場などをメインに出店をしています。
事前に一定数量のピザを購入してもらい、イベントに来場いただいたお客様に無料で配布するスタイルがメインになります。
50食5万円からの料金設定となり、お客様の予算に合わせてプラン内容の変更も可能となっています。
また、ピザ作り体験が実際に出来る、「ピザ作り体験」のプランなどもあります。
素材にもこだわり、生地には、国産で唯一ナポリピッツ協会から認定を受けた北海道江別産の希少な国産小麦を使用しています。
さらに、モッツァレラチーズなど、その他食材はイタリア産や国産など厳選されたものを使用しています。
最後に
ピザは、幅広い年代層に好まれるメニューですが、キッチンカーで販売するというイメージがまだまだ定着していません。
だからこそ、キッチンカーとしてこれからの伸びしろが大きく、将来性も期待できるメニューと言えるでしょう。