「タコライスを販売するキッチンカーって儲かるの?」
「タコライスを売って1年間でどれくらいの売り上げになるの?」
「キッチンカーのタコライスを開業するための初期費用はいくら必要になる?」
こんな疑問を持っていませんか?
その気持ちはよく分かります。なぜなら、私自身がキッチンカーの開業準備を進めていたときにも、どれくらいの費用が開業にかかるのか?と、いくらぐらい儲けられるのか?は特に気になった情報だからです。
キッチンカーに関する経験ゼロの状態から、自分の足で稼いだ情報をもとに独学でキッチンカーを開業した経験のある私が、タコライスのキッチンカーで儲けられるのかをシミュレーションしました。
この記事では、
- タコライスのキッチンカーを1年間運営したときの売り上げはいくらになるのか?
- キッチンカーでタコライスを販売すると、いくらぐらい儲かるのか?
- タコライスのキッチンカー開業に必要な初期費用の金額はいくらになるのか?
をお伝えします。
現実的な数字に基づいた、タコライスキッチンカーの収支シミュレーション結果をお伝えしていますので、ぜひ最後までお読みください。
タコライスのキッチンカーが儲かるかをシミュレーション
タコライスのキッチンカーが儲かるかを数字を使って検証しました。1年間で何日間営業し、いくらぐらいの単価で販売し、何人くらい集客できれば、いくらぐらいの売り上げ・利益になるのか参考にしてください。
週5日営業で売り上げ1,000万円を達成可能
タコライスのキッチンカーが儲かるかを検証するために、最初に売り上げをシミュレーションしました。売上金額を試算するために、実際のタコライスを販売するキッチンカーの数値情報などを基に、以下の条件を設定しました。
- メニューごとの平均単価:タコライス 1千円・ソフトドリンク 200円
- 購入比率:来客者の95%がタコライス、20%がソフトドリンクを購入する
- 稼働日:土日と平日のうち3日(週に5日稼働)
- 年間稼働日:土日 104日(52週×2日)、平日 156日(52週×3日)
- 来客数:土日 70人・平日 20人
以上の数値を用いて、1日あたりの売上金額を土日と平日のそれぞれについて算出すると、以下の結果になります。
- 土日1日の売上金額:タコライス 1千円×66人+ソフトドリンク 200円×14人=6万8千800円
- 平日1日の売上金額:タコライス 1千円×19人+ソフトドリンク 200円×4人=1万9千800円
今回のシミュレーション条件で、タコライスのキッチンカーを週休2日で年間260日(土日:104日、平日:156日)出店すると、1年間での売上金額は以下の結果になります。
- 年間売上金額=6万8千800円×104日+1万9千800円×156日=1,024万4千円
※平均単価:985円、平均原価:292円、平均原価率:29.6%
実際にタコライスのキッチンカーを営業したときには、今回のシミュレーション条件とは数値が異なり、売り上げの金額は異なる可能性が高いです。それでも、タコライスのキッチンカーを運営し、土日70人・平日20人の集客ができれば、1,000万円を超える売り上げを上げる可能性があることが分かりました。
収入は週休2日で年収433万円(月収36万円)
先ほど算出した年間売り上げ1,024万4千円をもとに、年収(収入・利益)と月収を算出するために、タコライスのキッチンカーを1年間運営するために必要な各種経費を下記の通り設定しました。
- 原価:タコライス 300円(平均単価の30%)・ソフトドリンク 40円(平均単価の20%)
- 出店料:売上金額の10%
- バイト人件費:土日のみ1名を1日8千円で雇用
- その他雑費:売上金額の10%(車両交通費・通信費など)
以上の条件で算出した、タコライスのキッチンカーを1年間運営するために必要な経費金額と年収(収入・利益)および月収は下記の通りとなります。
- 原価:303万1千600円
- 出店料:102万4千400円
- バイト人件費:83万2千円
- その他雑費:102万4千400円
— - 収入(年収・利益):433万1千600円(年間売上金額-原価-出店料-バイト人件費-その他雑費)
- 月収:36万967円
実際にキッチンカーを運営した場合は、今回のシミュレーション条件とは結果が異なる可能性が高いですが、現実的な一つの数値として、タコライスを販売するキッチンカーで433万円の収入を得られることが分かりました。
今回の条件よりも、客単価・来客数・稼働日数などの売り上げに関係する数値を大きくして、原価・出店料・バイト人件費などの経費に関係する数値を小さくできれば、1年間の売上金額・収入(年収・利益)をさらに大きくすることも可能です。タコライス以外のメニューも含めたキッチンカー事業者の収入(年収)については、以下の記事で詳しく解説しています。
» キッチンカー事業者のリアルな年収・月収と収入アップのコツ9選
儲かるタコライスキッチンカーの初期費用575万円の内訳
タコライスのキッチンカーを開業するための初期費用は575万円になります。どのような用途にいくらぐらいの費用が必要になるのかを「設備購入費」「開業直後の運営費用」に分けて解説します。
※費用は全て消費税・諸税込の金額を想定して表示しています。
キッチンカー・調理器具一式の購入費:338万円
タコライスのキッチンカー開業のために、キッチンカー車両と調理器具一式を購入する場合は337万円が必要です。どのような設備を購入するために、それぞれいくらぐらいの費用が必要になるかを解説します。
キッチンカー(軽トラックサイズ):298万円
タコライスのキッチンカー開業におすすめの車両は軽トラサイズのキッチンカーです。タコライスの調理に必要な調理器具は炊飯器・簡単な加熱調理器具・冷蔵庫(冷凍庫)のみなので、それほど大きな調理スペースは不要となり、軽トラックサイズのキッチンカーで十分でしょう。
軽トラックサイズのキッチンカーなら、株式会社フードトラックカンパニーが販売する「キッチンボックス453」がおすすめです。軽トラックサイズながらキッチンスペースでの仕込み調理が可能な特長を持つことに加えて、新車の軽トラックをベース車両に使っているので、メンテナンス費用がかからない点もおすすめする理由です。
また、「キッチンボックス453」には、保健所での飲食店営業許可取得に必要な「3槽シンク」「蛇口3個」「給排水用200Lタンク」「換気扇」「照明」「コンセント」「収納棚」などの設備が標準搭載されているので、保健所での検査対策も万全となっています。
炊飯器など調理器具一式:16万円
タコライスの調理は、タコスミートをあらかじめ調理しておけば、出店時にはご飯を盛り付けて具材(タコスミート・チーズ・野菜など)をトッピングするのみです。したがって、キッチンカーで必要な調理器具は「炊飯器(予算:3万円)」と必要なときに簡単な調理ができる「加熱調理器具(同:3万円)」のみです。
限られたキッチンスペースを有効活用するために、キッチンカーには食材の冷蔵・冷凍保管機能と調理台・作業台機能の両方の役割を担う「コールドテーブル」を設置するケースが少なくありません。軽トラックサイズのキッチンカーに設置するなら、幅:1,200mm・奥行:450mmサイズの2ドアタイプの「コールドテーブル」(予算:12万円ほど)がピッタリです。
販促ツール一式(のぼり・看板など):10万円
キッチンカー出店時には、店舗前を通りがかった人に「タコライスを販売していること」を伝えることが必要であり、そのために販促ツール(のぼり・看板・タペストリーなど)を購入することが欠かせません。
さらに、キッチンカーの集客戦略として「チラシ」「ショップカード」などを作成する場合もあるでしょう。こうした販促ツールを購入する予算として10万円程度は準備することをおすすめします。販促ツールに関しては、以下の記事で詳細に伝えていますので、一緒にご覧ください。
» キッチンカーの「セールスツール」に関するワンポイントアドバイス!
開業用の資格・許可取得費用:4万円
キッチンカーを開業するためには、出店地域を管轄する保健所で「飲食店営業許可」を取得する必要があります。また、この許可を取得するためには「食品衛生責任者資格」を保持しなければなりません。食品衛生責任者資格は、各都道府県で随時開催されている講習会に参加することで取得可能です。
「食品衛生責任者資格」と「飲食店の営業許可」を取得するための費用は4万円ほどです。ただし、各都道府県によってそれぞれの取得に必要な費用は異なるので、正確な金額は出店予定地域の保健所での確認が欠かせません。キッチンカーの営業許可取得については、下記の記事で詳しく解説しています。
» 【2022年8月更新】キッチンカーの営業許可取得マニュアル5ステップ!
その他費用(試作費・見学費など):10万円
タコライスの試作のための材料費や情報収集のための書籍購入・交通費など、細々とした出費もキッチンカーの開業までには必要になります。こうした出費に使う予算として10万円を準備することをおすすめします。
開業直後のキッチンカー運営費用:237万円
タコライスのキッチンカーを開業しても、開業直後は思うように出店や集客できず、売り上げ・利益が事業計画の通りには上がらない可能性が低くありません。こうした、想定外の状況になっても焦ることなく腰を据えてキッチンカー運営に当たるためにも、開業直後に必要となる「運営費用」とオーナー自身の「生活費」を開業資金の一部として準備しておくことをおすすめします。
「運営費用」には、「タコライスの材料の仕入れ費用」「出店料」「アルバイトの人件費」「その他雑費(燃料費・通信費など)」が含まれます。先ほど紹介したシミュレーションでは1年間で1,000万円を売り上げるために、毎月49万円の運営費用が必要です。最低でも開業直後の3カ月分、合計147万円(49万円/月×3カ月)を準備しておくと安心です。
家庭を持つ人は特に開業直後の「オーナーの生活費」を初期費用の一部として準備しておくことを強くおすすめします。1カ月あたり30万円として、こちらも最低3カ月分の90万円(30万円/月×3カ月)を確保しておくと良いでしょう。
「運営費用」と「オーナーの生活費」を合計すると、237万円(147万円+90万円)の資金が必要になります。開業直後の一番難しい時期に精神的な余裕をもってキッチンカーを運営するためにも、タコライスのキッチンカー開業直後に必要となる資金の一部を初期費用として準備することをおすすめします。
まとめ
タコライスのキッチンカーは、週5日の出店でも1年間で売上金額:1,000万円、収入:430万円を儲けられる可能性のあることがシミュレーションから明らかです。この売り上げを達成するためには、土日:70人・平日:20人の集客が必要となります。今回の条件では、タコライスキッチンカーの開業に必要な初期費用は575万円です。
今回紹介した売り上げ・初期費用以外のタコライスキッチンカーに関する情報は、そもそもキッチンカーとタコライスの相性は良いのか?も含めて、下記の記事で詳しくお伝えしています。タコライスキッチンカーに興味のある人は、ぜひこちらの記事も参考にしてください。
» タコライスのキッチンカーの開業手順を7ステップで徹底解説!
タコライスに限らず、キッチンカーについて詳しく学びたい人には、株式会社フードトラックカンパニーが主催する「キッチンカー開業セミナー」を強くおすすめします。私自身も開業準備中に参加して、ものすごい学びを得て実際に開業に役立てた経験があるセミナーです。セミナーはもちろん、キッチンカー見学ができるのも非常に有益です。
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