キッチンカー(移動販売車)でバーを開くために必要な準備と注意点

キッチンカーでバーを開業するメリット、デメリット

キッチンカーでバーを開業するメリット、デメリット

キッチンカーでバーを開業するメリット、デメリット

まずはキッチンカーでバーを開業するメリットを紹介していきます。

第一のメリットは、類似した業態が昔から日本で成功してきた実例があるという点です。
キッチンカーとバーの組み合わせは、斬新な印象を受けるかもしれませんが、元々屋台文化が根付く福岡を例に考えると、仕事帰りにフラッと屋台に立ち寄り、店主とコミュニケーションをとりながらお酒や軽食を楽しむという様は、移動式バーと共通した要素を多く含みます。日本で長く親しまれてきた屋台飲食の要素に、バーという性別を越えて受け入れられやすいスタイルを伴ったものが、キッチンカーにて提供する移動式バーです。

次に、屋外のため換気性が優れているというメリットもあります。従来の店舗型バーは、隠れ家的雰囲気がより特別で落ち着いた空間を創出できたことから、地下や敷地面積の狭い物件で営業される傾向にありました。しかし、新型コロナなどの感染症対策との相性を考慮すると、どうしても好ましくないと見られがちです。その点、屋外でお酒を楽しむ移動販売車でのバーは、従来のバーのイメージを180度転換するほど極めて風通しの良い環境を顧客に提供することができます。

そして、コスト面でのメリットも見逃せません。キッチンカーで営むバーであれば、初期投資を抑え、家賃に代表されるメインの固定費をカットすることが可能です。初期投資と言えばキッチンカーの準備費用が大部分ですが、バーならば厨房設備に大々的な出費が必要ないため他の飲食メニューと比べて相対的に安く抑えられます。固定費は移動販売形態にとって皆無ではないものの、駐車場代、もしくはスペース利用料程度の出費で済んでしまいます。

デメリットは、一部のメリットと裏表の関係になってしまいますが、屋外であるため気候の影響をまともに受けるという点です。夏は蒸し暑く、虫なども多く寄ってくるでしょう。また、凍えるような寒さでの屋外飲食は、どうしても足が向かなくなってしまう人もいるはずです。こうした気候条件の問題は、キッチンカーでのバーには必ず付いてまわる課題なので、十分想定した上で必要な対策を講じなければなりません。

キッチンカーでバーを開業するまでの流れ

キッチンカーでバーを開業するまでの流れ

キッチンカーでバーを開業するまでの流れ

キッチンカーでバーを開業するには、まず最初に入念な開業計画を作成し、必要に応じて金融機関からの資金調達を行います。初めから何もかも順調に経営が進むとは限らず、予期せぬ社会情勢の変化に対応を余儀なくされるかもしれせん。少なくとも半年程度の運転資金は開業前に準備しておくことをおすすめします。

次に、移動式バーに使用するキッチンカーを製作します。キッチンカーのサイズや車種、加工の度合いによって製作コストが異なってきます。また、中古購入やリースによって移動販売車を調達するのも有力な選択肢です。どの方法によれば企画通りのキッチンカーを余裕資金の範囲で実現できるのか、物件選びと同じくらい重要局面となりますので検討を重ねて判断してください。

次に、移動販売のバーを営業するために各種資格や営業許可の取得を進めます。店舗型と同様に、各販売車両に付き1名の食品衛生責任管理者を配置しなければなりません。所定の講習会を受講することで得られる資格で、一旦取得すれば全国的に有効です。移動販売車によるバーの営業許可に関しては、事項で詳細を解説していきます。

最後にキッチンカーを出店する場所を決めます。もちろん移動型バーのため、一つの場所に絞らず見込みの良い箇所を数か所ピックアップして日替わりで営業するというやり方も可能です。ただし、どこに出店するにしても土地の所有者や責任者に然るべき許可を得なければなりません。許可のみで使わせてくれる場合もありますが、駐車料金や出店料が必要になるケースがほとんどです。

キッチンカーでお酒を売るための営業許可の種類

キッチンカーでお酒を売るための営業許可の種類

キッチンカーでお酒を売るための営業許可の種類

バーは酒屋とは違い、お酒を飲める状態で顧客に提供する業態です。よってキッチンカーでのバーは、制度上は販売業ではなく調理営業に該当し、必要な営業許可は「食品営業自動車」における「飲食店営業」となります。類似した「喫茶店営業」などもありますが、アルコールドリンクの提供は認められないので、適切な営業許可は飲食店営業の一択です。

許可が下りる要件は各地域の保健所によって多少異なってくるので、出店エリアごとに確認する必要があります。ちなみに、移動販売車で酒屋のように開栓前の商品も販売したいと考えるかもしれませんが、未開栓の酒類の販売は現行法上認められていなので注意してください。
そして、営業時間が深夜0時を回るという場合は、所轄の警察署へ「深夜酒類提供飲食店営業届」の提出を忘れないようにしましょう。

バーのキッチンカーを営業するためのおすすめ車種

バーのキッチンカーを営業するためのおすすめ車種

バーのキッチンカーを営業するためのおすすめ車種

バーをキッチンカーで営業する場合は、余分な調理器具を設置する必要はないので、小型の車両で十分対応できます。初期投資を抑えられるほか、狭いスペースにも出店しやすいというメリットも生じます。ただし、バーテンダーが立って作業できる分の車内スペースは必須です。

そうした点を考慮すると軽トラックはおすすめ車種の代表格です。同じく小型の車種で、軽バンを移動販売車に採用する例もありますが、構造上車内で立ち上がれないので移動式バーには向きません。
バーの方針によっては、飲料に限らず軽食を提供するという形態も考えられます。その場合は仕込みや厨房設備のスペースががいくらか余分に必要となります。メニューの内容次第では、1トントラックをベースにしたキッチンカーの方が好都合というケースもあるでしょう。
また、稀少事例ですが、トラック荷台部分を丸ごとカウンターと客席双方を含んだ空間に利用したキッチンカーも登場しています。そうした構造を目指す場合は、軽トラックではさすがに限界があり、1~2tトラック相当のスペースはどうしても必要です。

バーのキッチンカーを営業するための厨房設備

バーのキッチンカーを営業するための厨房設備

バーのキッチンカーを営業するための厨房設備

バーという業態に限ればそこまで多くの厨房設備が必要となるわけではありません。最低限の厨房設備として、給水・排水タンクとシンク、室内コンセント、換気扇などが挙がり、冷凍冷蔵庫に関しては氷や飲料、果物など余裕を持って収納できるよう大きめのサイズを設置しておくと使い勝手が良さそうです。あとは、トッピングや食事メニューに応じて、ガスコンロやIH調理器などを準備します。

さらに、冬の寒さ対策のための設備を揃えるという点も忘れてはいけません。車内スペースが許せばエアコンを設置するとともに、客席付近には電気ストーブなど火事になりにくい器具を配置しましょう。ブランケットなどの備品も顧客滞在時間の長いバー営業においては必需品です。

バーのキッチンカーの紹介とその施策

バーのキッチンカーの紹介とその施策

バーのキッチンカーの紹介とその施策

BAR TRUCK MEDIA TLUX


おすすめ車種の項でも軽く触れましたが、トラック荷台部分をカウンターと客席を完備したバーの一室に仕上げ、その革新的デザインが脚光を浴びているのがBAR TRUCK MEDIA TLUX
です。全体をマットブラックカラーでコーティングした、渋くて一際目を引くデザインのトラック車両。そして、荷台部分の側面全体が開放されると、トラック表面のデザインをそのまま反映したかのような、モダンシックな雰囲気のバーが登場します。まさにトラックによってバーが「運ばれてきた」ような不思議な空間を演出、日本初のデザイン設計と謳われるキッチンカーは今後の動向にも注目です。

普段は渋谷区宇田川町吉本ホール付近の出店スペースを拠点とし、夜間はバーとして、昼間はチャコール(炭入り)コーヒーの専門店として営業しています。カクテルはもちろん、ノンアルコールながらカクテル同様の見た目や風味を楽しめるモクテルが充実しており、コスパの良い価格設定も魅力的。多様な層の人々が本格バーの雰囲気に浸れる機会を提供してくれます。

Deerest


沖縄の石垣島で、天候次第の不定休で営業しているのがDeerestという移動式バーです。その日の天候を見ながら、営業場所や開店時間はSNSを通して通知、固定のドリンクメニューはなく、フードの持ち込みまで自由に歓迎、南国らしい大らかなスタンスで営業しているバーテンダーのお店です。年中温暖な気候の下、海風や波音に包まれながらお酒を楽しめる環境は、屋外バーとしては最高のコンディションの一つではないでしょうか。

お酒の美術館


京都をメインエリアに、東は東京、西は九州まで立ち飲み型のワンコインバーを20店舗以上展開。「美術館」の名の通り、お酒の品揃えは驚異的で、終売・休売中を含む全世界のオールドボトルを誰もが気軽に楽しめる社交の場として人気を集めます。その一方、酒類以外の調理は行わず、シビアに切り詰める部分は徹底しているというのが印象的です。そんなお酒の美術館は2021年春より、これまでの店舗運営のノウハウを活かした初の移動型バー、どこでもバー1号車の営業を開始しました。当分は京都エリアの出店をメインに、各イベントへの出張も視野に活動していく見通しです。

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コロナの影響でキッチンカーの需要は下がるのか?上がるのか?

2019年に中国の武漢で発生した「新型コロナウイルス」がキッチンカー業界に与える影響についてまとめました。

コロナがキッチンカーに与える影響

人々がオフィス外からベッドタウンに移ったことと、巣篭もりをしていることでキッチンカーの役割に変化が起こっています。