「キッチンカーって誰でも儲かるほど甘くないんだよね・・・私にできるかな・・・」
「どんな人がどんな理由で、キッチンカー開業後に失敗しやすいんだろう?」
「キッチンカーを失敗してから後悔しないために、開業前から知っておくべきことってなんだろう?」
こんな不安や疑問を抱えていませんか?
その気持ちはよく分かります。なぜなら、私自身もキッチンカーを開業する前には、必ずしも絶対的な自信があったわけではなく甘くないことも分かっていたので、失敗してから後悔しないためにも失敗要因を把握した上で、できるだけ対処しておきたいと考えていたからです。
キッチンカーを独力で開業した経験のある私が、自分が体験したことも踏まえてキッチンカー運営の失敗につながる要因を「人に由来するもの」と「キッチンカー事業の特性に由来するもの」に分けてまとめました。
この記事では、
- キッチンカーを開業しても失敗してしまう可能性が高い人の特徴
- キッチンカーである以上避けられないネガティブ要因
- 事前にしっかり準備すれば防げるキッチンカーの失敗要因
をお伝えします。
キッチンカー開業後に失敗する要因と、それぞれの要因への対処法も解説しています。キッチンカーが甘くないことへの理解を深めるとともに、失敗してから後悔しないためにも、ぜひ最後までお読みください。
誰でもできるほど甘くない!キッチンカーを失敗する人の特徴4選
キッチンカーは開業して終わりではなく、売り上げと利益を上げ続けることが必要であり、誰でも簡単にできるほど甘くないのが現実です。どのような特徴を持っていると、失敗しやすいかを解決方法と一緒に解説します。
1.調査・実行・改善のサイクルを継続できない
キッチンカーの運営は当初の事業計画通りに進むほど甘くないのが実情です。したがって、上手くいかない現状を受け止め、改善のための方法を調査・実行して、徐々にキッチンカー運営を改善していくことが必要です。
キッチンカー運営の場合は、業務の幅が「調理」「接客」「集客」など多岐に渡るので、改善点もさまざまな分野にわたります。しかも、日々周囲の環境が変化する中で、改善は1回では終わりません。したがって、現状をよくするための調査・実行・改善のサイクルを繰り返し継続することが、キッチンカー運営を成功させるためには必要です。
2.キッチンカー同業者と良好な関係を築けない
キッチンカーの運営では横のつながりが欠かせません。キッチンカー同業者と良好な関係を構築できない人が、そのまま成功できるほどキッチンカー運営は甘くないのが現実です。
実際にキッチンカーを運営している人から聞いた話として、開業当初は出店場所に困っていたが、同じ場所に出店していた人と意気投合した結果、その人の紹介で定期的に出店する場所が確保できたそうです。このようなチャンスを獲得するためにも、同業者との良好な関係構築は欠かせません。
3.経験ゼロでいきなり開業する
キッチンカー運営には「調理」「接客」「集客」とさまざまな業務が必要です。どれか一つが欠けても、キッチンカー運営は上手くいかないでしょう。したがって、これらの業務のうち一つでも経験がない状態で、開業して利益が上がるほどキッチンカーは甘くないと考えるべきです。
いずれかの業務の経験が十分なら、他の業務は準備・開業の過程で身につけながら運営できるでしょう。もちろん、アルバイトなどの形で実際にキッチンカーで働いてみるのが理想です。実際に働いてみることで、自分に向いているか?向いていないのか?を改めて確認できますし、より一層自分のキッチンカー開業に向けて、やる気を出すことも期待できます。
4.自分の理想を優先し需要に対応できない
キッチンカーを開業するにあたって、各オーナーが「キッチンカーのデザイン」「提供するメニュー」「SNSを活用した集客方法」など、自分のやりたいことの実現を目指します。このやりたいことが市場の需要と適合していれば問題ありませんが、適合していないときに、やりたいことに固執すると失敗する可能性が高くなるでしょう。
理想は頭に置きつつも、キッチンカー事業で利益を上げるためにやるべきことを冷静に判断し、実行する姿勢が求められます。具体的にどのような姿勢・考えで臨む人がキッチンカー運営に向いているかは、下記の記事で詳しく解説しています。
» キッチンカーに向いている人の特徴9選!向いていない人の対応策も解説
キッチンカー運営には避けられないネガティブ要因4選
キッチンカー運営が甘くない要因の一つに、キッチンカー事業の特性上、どうしても避けられないネガティブ要因があることがあげられます。具体的に四つの要因を紹介し、どのように対応すればよいかを解説します。
1.天候によって売り上げの増減が激しい
キッチンカーの営業場所は主に屋外になります。したがって、出店日の天候によって売り上げが大きく変わることは避けられません。1年間を通して、雨天の日の来客数は少なくなりますし、夏場の極端に暑い日や冬場の極端に寒い日も来客数は少なくなるでしょう。出店条件によっては、雨天でも出店しなければならない場合もあり、赤字額がさらに膨らんでしまいます。
天候はキッチンカー運営者の努力ではどうしようもありません。したがって、出店日が悪天候になって思うような売り上げが上がらない日があることを前提に、それでもしっかりと利益を上げられるような1年間の事業計画を立てることが必要です。
2.客単価が安くなり十分な利益を上げるのが難しい
キッチンカーはその事業の特性上、昼食または軽食として購入されることが多いので、客単価は1千円以下の場合が多く、安くなりやすい傾向があります。客単価が安ければ、大きな金額を売り上げることが難しく、結果として十分な金額の利益を上げることも難しくなります。
したがって、メニューを工夫して1円でも客単価を上げる努力が必要です。具体的には、メニューに使う素材にこだわったり、サイドメニューやドリンクとのセットメニューを販売したりする施策が考えられます。
3.メニューが重複して思うように出店できない
キッチンカーを出店する場合に、他のキッチンカーと販売するメニューが重複すると出店を断られることが少なくありません。特にイベントでは主催者が出店するキッチンカーを調整するので、メニュー重複による出店不可は避けられません。また、ショッピングモールなどでは、固定店舗で販売しているメニューは販売できないことが少なくありません。
人気メニューであればあるほど、競合店舗とのメニュー重複は避けられません。一つの出店場所がダメでもすぐに別の出店場所に当たれるように、常に複数の出店場所候補を確保しておく努力が日頃から必要です。または、キッチンカーを複数メニュー調理・販売できる仕様にしておいて、一つのメニューがダメでも他のメニューを提案できる体制を作ることもメニュー重複への有効な対応策です。
4.キッチンカーはLPガスの新規契約が難しい
LPガス(プロパンガス)はキッチンカーで広く使われる燃料の一つですが、近年ではLPガス販売事業者から新規契約を断られるケースが少なくありません。常に移動して営業するキッチンカーはLPガスの使用場所が定まらないので、LPガス事業者が保安機関認定を受けるための条件(緊急時には30分以内に現場に駆けつけて対応する)を満たせない可能性があることに起因します。
ただし、昨今のアウトドアブームや緊急災害時のLPガスの優位性が認められたことにより、国の方で方針が変更になり、キッチンカー事業者がLPガスを購入しやすい環境になりつつあります。詳しい現状については、ELG(イーエルジー)株式会社の公式サイトに掲載された以下の記事を確認してください。
» キッチンカー(フードトラック)に「湯沸し器」設備を設置できます|ELG株式会社 公式サイト
事前準備で防げる!キッチンカー開業後の失敗要因3選
キッチンカー運営業務の中には、多くの人が失敗しやすいが、事前準備をしっかりしておけば防げるものがあります。失敗の原因になりうる3種類の要因と、それぞれに対する対処法を解説します。
1.出店場所を安定的に確保できない
キッチンカー運営では出店場所を確保できなければ、その日の売り上げはゼロになるので、出店できない日が続けば営業失敗につながります。したがって、キッチンカーの出店場所探しは最優先で取り組むべき業務と言えるでしょう。開業直後は、えり好みせずに出店できる場所にどんどん出店して、経験を積むことをおすすめします。
出店経験を重ねることにより、自分のキッチンカーに向いている出店場所・営業時間の傾向などが掴めるようになるでしょう。また、出店時に他のキッチンカーオーナーと仲良くなれれば、そのつながりをきっかけに新たな出店場所を見つけられる可能性もあります。出店場所の確保については、以下の記事で詳しく解説しています。
» キッチンカーの出店場所おすすめ11選!出店料と3種類の探し方を解説
2.資金計画が甘く開業後に資金繰りに困る
キッチンカー開業時には事業計画と一緒に資金計画を必ず立てていますが、資金計画の数字の精度が極端に甘いと、開業後の資金繰りに困ってしまう可能性があります。特に開業直後は思うように売り上げ・利益が上がらないのが当然なので、その点を見据えた計画になっていないと現実との乖離が大きくなりがちです。
資金計画通りにキッチンカー事業を展開できる方が珍しいので、あらかじめ初期費用として開業直後の運用資金と生活費を準備しておくことをおすすめします。それぞれ最低でも3カ月分、可能なら6カ月分あると安心です。資金計画の立て方からお金の集め方まで、初期費用に関する詳しい情報は以下の記事をご覧ください。
» キッチンカーの開業資金は350万円から!初期費用の金額・内訳・調達方法を紹介!
3.メニューの認知度が低く思うように売れない
キッチンカーで購入する人の多くは、「新しい発見」よりも「失敗しないこと」を優先する傾向にあります。したがって、キッチンカーで販売するメニューは、聞いたことのない珍しいものよりも、認知度が高く誰でも知っているものが適しています。せっかく美味しい料理を提供しているのに、認知度が低いせいで思うように売れない可能性は否定できません。
どうしても売りたいメニューがあるなら、赤字覚悟で営業するか、定番メニューを販売しつつ売りたいメニューも販売する方式がおすすめです。キッチンカーで儲かるメニューについては、共通する特徴から具体例まで以下の記事で詳しくお伝えしています。
» 【2024年最新版】キッチンカーで儲かるメニューの特徴はこの5つ!具体例を17個紹介
まとめ
キッチンカー運営は誰でもできるほど甘くないですが、現実を受け止めて調査・実行・改善を繰り返せる人なら成功の確率を高められます。同業者と横のつながりを築けなかったり、目の前の問題に対応せず自分のやりたいことを貫いたりする人は、どうしても失敗しやすい傾向があります。
キッチンカーを運営する上では避けられない、天候による売り上げの増減・客単価が安くなりやすいことに上手く対応できないと失敗につながりやすいです。さらに、出店場所の確保・メニュー選びなど事前準備で対応できることにしっかりと対応しないことも、失敗の要因となります。
株式会社フードトラックカンパニーが主催する「キッチンカー開業セミナー」では、どのような姿勢でキッチンカーに取り組むべきか?開業に向けて必要な準備は何か?を学ぶことが可能です。セミナーで学んだことを生かせば、キッチンカー運営での失敗を防ぐことも可能です。受講料は無料で全国4カ所のセミナー会場・オンラインで随時開催しています。