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うどんの人気をキッチンカー(移動販売車)で。
日本の麺と言えば、うどんとお蕎麦を双璧と言っても過言ではないと思います。つるっとした舌ざわりと弾力のある歯ごたえが特徴で、讃岐うどんや稲庭うどん、武蔵野うどんや博多うどんなど種類も多く、日本各地で食べられています。
その文化は蕎麦よりも古く、奈良時代には食べられていた説や、平安時代などに唐から入ってきたなど所説あり、現代の形の「うどん」は、江戸時代前期には全国的に普及して広く食べられるようになっていたというから驚きですね。
スーパーやコンビニ、食堂やうどん屋などをはじめとして、最近でははなまるうどんや丸亀製麺などフランチャイズのうどん専門店も多く、街を歩けば必ず見かけるほど、うどんは日本人にとって欠かせないメニューです。
種類も多くバリエーションが豊富だから、うどんは移動販売をはじめるのに向いている食材 です。
今回はそんなうどんの移動販売を始めるためにどうしたらいいのか、なにを準備をしたらいいのかなど、具体的な方法をご紹介します。
移動販売のうどん屋に必要な準備や許可について
うどんの移動販売をはじめるには、いくつかの許可や資格が必要です。多くは他のメニューのキッチンカーと同じですが、一点だけ注意が必要です。それはうどんの仕込みについてです。みなさんはうどんを自分で製麺しますか?それとも製麺所の麺を使用しますか?
▷自分で製麺する場合
自分で製麺する場合は、仕込み場所の確保が必要になります。仕込み場所として自宅の台所では認可がおりません。独立した空間であること、手洗い場所の確保やシンクの規定など細かく定められています。自宅をリフォームするか、飲食店を経営している知人がいれば場所を貸してもらうなどの対策が必要になります。また、最近では仕込み場所をシェアしてくれるサービスもあるので、色々調べてみると良いでしょう。
ただし、これも十分な仕込みスペースをキッチンカー内に確保できるのであれば、仕込み場所が無くても大丈夫な場合があります。規定等は保健所によって異なりますから、まずは管轄の保健所に相談してみるとよいと思います。
▷製麺所の麺を使用する場合
特に仕込み場所はいらないでしょう。スープや具材の調理で仕込み場所を必要とする場合はやはり別途に仕込み場所を確保しないといけません。
仕込みの方法が決まればあとは順にならって必要な準備と資格を用意していきましょう。
1.保健所への条件の確認(車の手配前)
2.うどん販売車の設備、手配(2~3か月以上)
3.8ナンバーでの車検(1か月以上)
4.「食品衛生責任者」の取得(1か月前後)
5.保健所でのうどん販売車の検査、食品営業自動車の取得許可
6.うどんの仕込み場所の検査、許可
気をつけてほしいことがいくつかあるので、ひとつずつ見ていきましょう。
1.保健所への条件の確認(車の手配前)
移動販売車(キッチンカー)は、ご家庭でつかっているような車をそのままつかうことはできません。食べ物を販売する用に車を整備し、保健所に検査をしてもらう必要があります。
またその検査にも、保健所の基準があり、給水できる設備を整える、その給水のタンクは何リットル以上であること、などいくつかの条件があります。
そのため、保健所への条件の確認をまず最初に行います。。
キッチンカーの営業許可はそれぞれの地域を管轄する保健所に許可を得る必要があり、また保健所によってその条件が違います。
販売の地域を数か所考えている場合は、それぞれの地域の保健所で条件を確認しましょう。
2.うどん販売車の設備、手配(2~3か月以上)
車の設備の条件を聞いたら、その条件をクリアする設備を手配しましょう。
車を手配するとこからはじめるひとは、新車で買うのか、中古車で手に入れるか、譲ってもらうかなどで調達すると思いますが、車を調達してから設備を整えるのは、数か月という時間がかかります。
前にうどんの移動販売をしていた中古車などが出回っていればよいのですが、自分の希望に合致しているものはほぼ出回りません。
中古で探すのでしたら、さらに早く動くといいですよ。
うどんの移動販売をするための車の設備については、おすすめの車種の項目で説明させていただきますね。
3.8ナンバーでの車検(1か月以上)
設備を整えてもらったら、次は車検です。
車の設備を変えることは、改造扱いになり、車検を受けなければなりません。
また、車検がいくら残っていようと、改造後は新しく車検を受けなおす必要があります ので気をつけくださいね。
車検は混んでいる時期や、安いところでは時間がかかるところもあります。
車の整備を依頼した後に予約をするなど、車がかえってきたらすぐに車検に出せるようにしておくのがいいですよ。
4.「食品衛生責任者」の取得(1か月前後)
食品を扱うには必要な「食品衛生責任者」。
こちらの資格は、6時間ほど食品に関する講義を聞き、その後の試験を合格することで資格を得ることができます。
受講には予約が必要で、人気のためにひと月先まで予約があることも。
月に数回しか開講されない地域もありますので、予約は早めに おこなうのがオススメです。
車の手配をしている間は時間がありますので、その間にこちらの資格を取得してしておくのがおすすめです。
5.保健所での車の検査、食品営業自動車の取得許可
車の車検が終わったら、次は保健所に食品営業自動車の許可を得るために検査をしてもらいます。
保健所での検査には予約が必要。
また、いくつかの箇所で販売を考えている人は、それぞれの場所での許可が必要 です。
この検査には合格するためのいくつかの条件がありますが、事前に条件を確認している方は、まず落ちることはないでしょう。安心して受けてくださいね。
6.うどんの仕込み場所の検査、許可
保健所へ車の許可をもらったら、次は仕込み場所の検査です。
こちらも事前に条件の確認をされているなら、検査に落ちることはほとんどないでしょう。安心してくださいね。
ここまでクリアしたあなたはうどんの移動販売を開始することができます。
やることも多いですが、ここまでくればあとは販売するだけです!
うどんの移動販売におすすめのメニュー!
うどんといったら、温かいめんつゆに浸ったうどんや煮込みうどん、きつねうどんや月見うどんなど種類はさまざまです。
寒くてからだが冷え切った時には温かいうどんが食べたいですよね。夏の暑い季節にはキンキンに冷えたうどんなど、季節によっても売れる傾向も変わります。
どのような場所で、どのように売るか。
地域によってもめんつゆやうどんの好みも変わります。
香川ではコシがある讃岐うどんが好まれますし、めんつゆはだしの効いた色の薄いものです。関東では醤油を使った色の濃いめんつゆが一般的ですし、うどんはコシがそこまでありません。
うどんの種類やトッピングはたくさんありますので、まずはどの地域でうるのか、どのようなうどんにしたいのか、想像してみてください。
あなたが想像したうどん、作りたいうどんはどのようなものでしょうか?うどんの太さや厚みは?食感はどのようなものでしょうか。めんつゆやトッピングはどうでしょう?具体的にすると、必要なものが見えてきます。もし今考えていなくても、どのようなうどんがいいのか、少し考えてみてくださいね。
うどんには以下のような要素があります。
よかったらこちらも参考にしてみてください。
粉
うどんでは小麦粉一種である中力粉を使用しますが、タピオカ粉を入れるとモチモチとした食感が強くなります。最近では冷凍食品などでもタピオカ粉が使われているうどんが増えてきました。
メーカーにより独自のブレンドをした、うどん粉も販売しています。
安定した味をつくるためにはメーカーのものを使われるのもいいかもしれませんし、自分でブレンドしてもいいですね。それだけで特徴になります。
ご当地うどんとしては、
じゃが芋のでん粉と小麦粉などを配合した豪雪うどん(北海道)や最近はやっている武蔵野うどんは地粉を使用しているため黒っぽい麺が特徴であったり、麺にトビウオのすり身が使用されてる宮崎県の魚うどん(ぎょうどん)などがあります。
太さ、厚み
うどんの厚みや太さによって、地方色を出してるところがあります。
薄くて太いめんのきしめんや、栃木県の郷土料理の耳うどんは耳の形をしたうどん(すいとんのようなもの)、通常のうどんよりかなりの太さがある一本うどん、きしめんより幅広いひもかわうどんなど、種類は様々。
めんつゆ
だし、醤油などにより味や色も変わります。
関東では醤油の色が強い濃口醤油を使っためんつゆ、関西では薄口醤油の色の薄いめんつゆが一般的です。ほうとう(山梨県)のようにみそ仕立てのうどんも美味しいですよね。
だしも、昆布やにぼし、カツオ、シイタケなどがあり、組み合わせてもいいですね。麺の厚みや太さによって、どのようなめんつゆで食べるのかも変わります。
冷汁うどん(埼玉県)はつけ汁はすり胡麻や味噌による味が主であり、他に野菜などを入れるなんていうのもあるようですし、おしぼりうどん(長崎県)ねずみ大根という辛味の強い大根をすりおろした汁に信州味噌を溶かしたつゆにつけて食べるもの。想像するだけでワクワクしちゃいますね。
トッピング
かまぼこやわかめ、甘辛く煮たお揚げや揚げ玉。天ぷらやお肉、山菜など、なんでも乗せることができます。薬味も、ネギやみょうが、ショウガなどをがありますね。このようなスタンダードな物もいいですし、独自のトッピングなどを考えてもいいですね。
うどんは形や太さ、厚みなどを変えられることができますし、めんつゆやトッピングも好きにできます。かなり自由度の高い食材です。トッピングは別料金にして、好きにトッピングをしてもらうこともできますし、売り方も自由です。
うどん屋ならこれだ!移動販売にオススメの車種と設備
うどんは自由にできますが、車の設備はうどんの売り方に合わせる 必要があります。まずはどのようなうどんにするか、どのように売るかを決めておくといいです。
トッピングを選べるようにするなら、トッピングが見えるショーケースなどを設置してもいいですね。作っている所が見えると、安心感や待たされている感じも少なくなりますので、窓は広くするのもおすすめです。
車の大きさについては、こちら(キャリィのURLリンク)のスズキのキャリィのような軽トラックがいいです。麺をゆでるためのお鍋や、ある程度の水と場所が必要ですし、めんつゆのお鍋と場所も必要で、ゆでたうどんを洗う場所、トッピングが必要ならそれを作る台などが必要です。
夏など暑い時期に冷たいうどんをつくる場合は、うどんを冷やすための氷をつくる製氷機なども必要でしょう。
先輩キッチンカーの紹介!
三重県の伊勢うどんを販売しているキッチンカー文ちゃんのキッチンカー 紀伊路さんをご紹介!
伊勢うどんはたまり醤油に鰹節やいりこ、昆布等の出汁を加えた、黒く濃厚なつゆ(タレ)を、太い麺に絡めて食べるのが特徴です。太麺でコシというよりはふわっとした麺の食感がたまらなく美味です。
日本人の心の故郷、食べるパワースポット 伊勢うどんが食べたいときはぜひ!!