「フライドポテトってキッチンカーに向いているのだろうか?」
「フライドポテトって珍しいメニューではないけど儲かるの?」
「フライドポテトのキッチンカーを始めるのに資格とか許可って何がいるの?」
こんな疑問を持っていませんか?
その気持ちはよく分かります。なぜなら、私自身もキッチンカーの開業準備を進めていたときには、自分が検討しているメニューに対して同じような疑問を感じた経験があるからです。
キッチンカーとの関係性ゼロの状態から、必要な手続きを全て自分で行いキッチンカーを開業した経験のある私が、フライドポテトのキッチンカーについて情報をまとめました。
この記事では、
- キッチンカーメニューとしてのフライドポテトのメリット・デメリット
- フライドポテトのアレンジメニュー
- フライドポテトのキッチンカー開業に必須の基礎知識
- フライドポテトのキッチンカーで成功するためのコツ
- 参考にしたい先輩キッチンカー
をお伝えします。
フライドポテトのキッチンカーを開業しようと思い立ったら、必ず知っておきたい情報をキッチンカー運営の経験を生かしてまとめましたので、ぜひ最後までお読みください。
目次
キッチンカーでフライドポテトを扱うメリット4選
フライドポテトはキッチンカーで販売するメニューにピッタリです。具体的にフライドポテトのどのような特徴がキッチンカーで販売する際にメリットになるかを四つ紹介します。
1.原価が年間を通して安定している
フライドポテトの主な材料はジャガイモであり、1年間を通して大きな価格変動が見られません。季節によって仕入価格が変動する食材を使ったメニューでは、しっかりと利益を出すためには販売価格の調整などが必要となります。ジャガイモはそういった計算が必要ないので、年間の原価を推測しやすいメリットがあります。
2.認知度が高く顧客層が幅広い
キッチンカーでの販売に適したメニューの特徴の一つに、多くの人に認知されていることが挙げられます。フライドポテトは、小さい子どもから大人まで、また女性男性を問わず広く認知された人気メニューの特徴なので、キッチンカーで販売するメニューとしてピッタリです。
3.味付けや切り方で種類を増やしやすい
フライドポテトのような競合店が多いメニューでは、他店との差別化が売り上げを伸ばすために欠かせません。フライドポテトの場合は、塩味を基本にシーズニングやソースを使って、さまざまな味付けが可能です。さらに、細長いもの・太いもの・くし形・波型・格子状・らせんなど、切り方の種類も豊富で競合店との差別化がしやすいメリットがあります。
4.メインメニュー・サイドメニューの両方になる
ハンバーガーをはじめさまざまな料理の付け合わせとしてフライドポテトは使われており、セットメニューとして販売することが可能です。さらに、ご飯・おかず一品・フライドポテトで、弁当としても販売できます。また、おやつタイムを中心とした軽食需要が大きい時間帯には、メインメニューとして単体としても大きな売り上げが期待できる優秀なメニューです。
キッチンカーでフライドポテトを扱うデメリット3選
フライドポテトをキッチンカーで販売する際には、気を付けるべきデメリットもあります。具体的に三つのデメリットを紹介し、それぞれへの対応策についてもお伝えします。
1.固定店舗も含めて競合が多い
フライドポテトは、キッチンカーに限らずハンバーガーなどのファストフード店やコンビニなどでも購入できます。イベント会場などでは、このような固定店舗が競合になることは少ないと考えられますが、ショッピングモールを始めとする商業施設や駅前広場などでは、周辺の固定店舗が競合になる可能性も否定できない点がデメリットです。
対策として、ソースやトッピングの種類を増やすなどして、一般的なフライドポテトとの差別化が求められます。
2.調理スペースが高温になりやすい
キッチンカーの調理スペースは、その構造上特に夏場は高温になりやすい特徴があります。フライヤーを使う油で揚げるフライドポテトの場合は、この傾向がより顕著になるデメリットがあります。こまめな水分補給・休憩はもちろん、換気扇・扇風機などを使った換気の徹底やスポットクーラーなどによる冷却対応が必要になるでしょう。
3.単体ではランチ出店に向いていない
キッチンカーの主な出店方法の一つにランチタイムの出店があります。限られた時間で大きな売り上げが期待できる出店方法ですが、フライドポテト単体メニューでは、このランチ出店に適していないデメリットがあります。フライドポテトを副菜の一つとして弁当などのメニューを開発するか、ランチ出店に頼らない事業計画立案などの工夫が必要です。
キッチンカーにおすすめ!アレンジフライドポテトメニュー3選
キッチンカーで販売するのにピッタリな、アレンジフライドポテトを3種類紹介します。生のジャガイモを切って調理するものと、粉末状に加工した原料から作るものの両方をお伝えします。
1.ラスポテト(ロングポテト)
「ラスポテト」「ロングポテト」「もちもちポテト」などの名称で販売されている商品は、粉末状ジャガイモから作った生地を油で揚げたものです。材料の常温保存が可能・調理時間が短くて済む・温度変化による揚げ油の劣化を抑えられる、などのメリットがあります。生地に他の素材を混ぜ込むことで、オリジナルポテトを作ることも可能です。
2.ローディットフライ
「ローディットフライ」は、アメリカでは専門店が存在するほどの人気を誇るアレンジフライドポテトです。ローディッド(loaded)は、直訳すると”積み込んだ、満載した”という意味で、「ローディットフライ」は具材やソースをたっぷりトッピングした具沢山で贅沢なフライドポテトです。
トッピングの種類はベーコン・チーズ・ミートソースはもちろん、ワカモレとサワークリームチーズの組み合わせやガツンと牛ステーキまであります。好きな食材を何でもトッピングできる無限の組み合わせを持つので、見た目のインパクトもばっちりで、SNS映えすることも間違いなしです。
3.ポテトトッピングサラダ
健康志向のお客様向けに、ベイクドポテトをトッピングしたサラダをメニューに加えることもおすすめです。ポテトは主食にもなるので、食べ応えは抜群です。また、芋類には食物繊維も含まれていますし、他にもビタミンやミネラル、抗酸化作用のあるポリフェノールなども豊富で美容と健康に良い食材なので、女性にも好まれるメニューになるでしょう。
フライドポテトキッチンカー開業の3大基礎知識
フライドポテトのキッチンカーを開業するためには、必ず知っておきたい基礎知識を三つ紹介します。開業準備をスムーズに進めるためにも必ず目を通しておきましょう。
1.食品衛生責任者資格と飲食店営業許可が必要
フライドポテトのキッチンカーを開業するために必要な資格は、運転免許証以外には「食品衛生責任者資格」のみです。この資格は、各都道府県で開催される「養成講習」に参加すれば、即日取得できます。
また、フライドポテトに限らずキッチンカーを開業するためには、出店地域を管轄する保健所で「飲食店営業許可」を取得しなければなりません。営業許可取得の申請時には、食品衛生責任者に関する情報を記載する欄があるので、先に資格を取得してから営業許可を申請する流れになります。詳しくは以下の記事で解説していますので、参考にしてください。
» 【2022年8月更新】キッチンカーの営業許可取得マニュアル5ステップ!
2.準備が必須な調理器具はフライヤーのみ
フライドポテトの調理にはフライヤーが必須ですが、その他には特に必要な調理器具はありません。調理スピードを上げたり、二度揚げしたりするために、フライヤーを複数搭載しているキッチンカーもあります。販売するメニューによっては、コンロ・フライパンなども必要になるので、計画に合わせて準備しましょう。フライヤーの詳細は以下の記事を参照してください。
» キッチンカーのフライヤー選びを徹底解説!おすすめメニュー6選・油処理方法も紹介
3.軽トラックサイズのキッチンカーがおすすめ
フライドポテトのキッチンカーは、先ほど説明した通り、フライヤー以外に必要な調理器具はないので、キッチンスペースがそれほど多くなくても十分です。したがって、車両サイズは軽トラックサイズがおすすめです。
軽トラックサイズのキッチンカーであれば、初期費用を抑えられますし、運転も含めて扱いやすいメリットもあります。軽トラサイズのキッチンカーについては、以下の記事で詳細に解説していますので、一読をおすすめします。
» 軽トラックのキッチンカーをおすすめする理由4選!購入予算は264万円
フライドポテトのキッチンカー成功のコツ5選
フライドポテトのキッチンカーで成功するためには、ちょっとした工夫の積み重ねが欠かせません。成功に向けて、最優先で実行してほしい成功のコツ5選を紹介します。
1.トッピング・ソースで販売単価を上げる
キッチンカーで安定的に利益を獲得するためには、大きな売り上げが欠かせません。売上金額を高めるためには、客単価を上げる施策が必要です。フライドポテトの場合は、ベースとなる塩味に加えて、チーズ・チリビーンズ・ネギなどのトッピングや、各種ソース(サワークリーム・甘辛ソース・ミートソース)をプラスするなどして販売価格を上げられるよう工夫しましょう。
2.SNSでの拡散を意識した見た目にする
キッチンカーでは、SNSの中でも特にInstagramを上手に活用できると、集客において有利に働きます。実際に商品を購入した人が投稿した内容を見て、来店してくれるケースも少なくありません。食べておいしいフライドポテトを提供することはもちろんですが、盛り付けやパッケージなど、思わず撮影して投稿したくなる見た目を意識できれば集客にもつながるでしょう。
3.食材にこだわり質の高い商品を提供する
キッチンカーで高品質な商品を提供できれば、購入者の満足度を上げることと販売価格を上げることの両方を一度に実現できます。フライドポテトの場合は、ジャガイモと揚げ油がこだわり食材となるでしょう。ジャガイモは品種によって、食感・味が異なるので、複数種類のジャガイモで作ったフライドポテトの食べ比べセットメニューにすることも可能です。
4.セットメニューを販売し単価を上げる
客単価を上げる施策として、セットメニューを販売することも有効です。フライドポテトのキッチンカーの場合は、ドリンク類や他の揚げ物とのセットメニューが作れますし、複数のトッピング・ソースを組み合わせる形でのセットメニューもおすすめです。
5.軽食需要のある出店場所を最優先で確保する
フライドポテトは、食事需要よりも軽食需要の方が大きいという特徴があります。この特徴を最大限に生かして売上金額を高めるために、出店場所にもこだわりたいところです。例えば、1日を通して客が絶えないイベント・商業施設や夕方の時間帯の駅前など、軽食需要が高いことが見込まれる出店場所を確保することを最優先にしましょう。
フライドポテトのキッチンカーおすすめ3選
参考にしたいフライドポテトの先輩キッチンカーを3店舗紹介します。どのような場所に出店し、どのようなメニューを販売しているかなど、開業計画を立てる参考にしてください。
1.Snow Kotan
昨日まで計3回あびこ桜まつりに出店させていただきました🌸
やっと咲いた桜は待ちわびただけあって感動もひとしおですね!🌸✨😭綺麗😍ライトアップとキッチンカー出店は14日までの延長が決定しているそうです😊✨
是非夜桜を見に親水公園に🌸お出かけください🌸 pic.twitter.com/8DcxxmsuCW— SnowKotan (@SnowKotan) April 8, 2024
「Snow Kotan」は、千葉県柏市・我孫子市・印西市を中心に営業する、「北海道のおいしい!」を届けるキッチンカーです。フライドポテトは、味付けやジャガイモの品種を分けることで、さまざまな種類を販売しています。フライドポテトにピッタリのソフトドリンク・アルコール飲料も取り扱っています。
2.asombroso!
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「asombroso!(アソンブロッソ!)」は、北海道を中心に北海道産ジャガイモを100%使用し、企業秘密の製法でカリッカリの食感とジャガイモ本来の甘味・旨味を最大限に引き出したフライドポテトを提供しています。北海道内には固定店舗がある他、関東地方や関西地方でもキッチンカーでフライドポテトを販売しています。
3.リベラルキッチンカー
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「リベラルキッチンカー」は、兵庫県淡路島を拠点に、兵庫県・徳島県・大阪府で活動する「ロングポテト」を販売するキッチンカーです。平日は商業施設、土日は公園やイベント会場を中心に出店しています。塩バター・バター醤油・チーズなど5種類のトッピングから好きな味をえらぶことが可能です。ポテトとの相性抜群な、ソフトドリンクも取り扱っています。
まとめ
フライドポテトは、広い認知・年齢性別を問わない人気・イベントとの相性の良さなどの特長があるので、キッチンカーにピッタリです。また、ジャガイモの種類やトッピング・ソースにこだわれば、競合店との差別化も可能なので、十分に稼げる可能性を秘めています。フライドポテトのキッチンカーは、食品衛生責任者資格を取得して保健所で営業許可を取得すれば開業可能です。
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