江戸時代に屋台が出来て大流行となった江戸の名物「蕎麦」ですが、今やキッチンカーというお洒落でスピーディーに料理を提供出来るものへと進化しました。
そんな、キッチンカーで蕎麦の販売に関心のある方に向けてお役たちの情報をまとめました。
ぜひご覧ください。
目次
キッチンカーで蕎麦を売るメリット、デメリット
美味しい蕎麦の3大条件とは「挽き立て、打ち立て、茹でたて」と言われていますが、キッチンカーではスピーディーに茹でた美味しい蕎麦をお客様に提供することができることがメリットです。
デメリットは実店舗のように大きな厨房がなく、販売数が限られてしまうので、早期完売となってしまった場合は1日働くつもりでいたらお昼には商品が売り切れて午後から来たお客さんにご提供できなくる可能性がある点です。
キッチンカーで蕎麦を販売するまでの流れ
蕎麦はうどんやパスタや焼きそばと比べた時に最も繊細で扱うのが難しい麺なので、厨房を持つ蕎麦処の新たな事業としてスタートさせるところが多く見受けられます。
食品衛生責任者の取得や保健所での蕎麦販売者の検査、許可、蕎麦の仕込み場所の検査、許可が必要です。
実際の蕎麦の販売に至るまでには食品衛生法や保健所の指導に準ずるキッチンカーを用意し、8ナンバーの車検の手配などが必要となってくるので、事前によく調べて早めに保健所へ問い合わせ、入念な確認をすることが必要です。
また注意点として保健所の規定により、蕎麦をキッチンカー内やご自宅で打つことは出来ないので料理を仕込む為の場所が別途必要となってきます。
蕎麦をキッチンカーで売るための営業許可の種類
キッチンカーによる、蕎麦の販売には「営業希望地域の保健所の指定基準を満たしたキッチンカー」での営業許可証が必要です。
この営業許可証なしでは蕎麦の販売は出来ません。
取得の流れとしては以下の4ステップになります。
- 所管の保健所に相談
- 必要書類の提出
- 設備の確認検査
- 検査結果に問題がなければ、営業許可所が交付される
先ずは、最寄りの市町村の保健所に届出を出す必要がありますが、同じ県でも販売する場所により営業許可が2-3通必要となる場合もあります。営業許可の条件も各都道府県の保健所により異なります。
その為、実際に「どの地域で何を販売したいか?」は事前に決めておく必要があります。保健所の提示条件の把握により、キッチンカーの仕様・販売メニューの擦り合わせを事前に行うことで申請をスムーズに行うことが可能です。
営業許可証の種類は販売するメニューにより、
「食品営業自動車業」として自動車内に施設を設け、社内で調理、加工および販売をする形態であるか、
「食品移動自動車」として自動車に施設を設け、移動して食品を販売する形態であるかの2種類に分かれます。
例えばキッチンカー内で蕎麦を調理し、提供する場合は「食品営業自動車業」に分類され、
蕎麦をあらかじめ厨房で調理したものをプラスチック容器に入れたものを現地で販売するだけで調理は行わない場合は「食品移動自動車」に分類されます。
例えば蕎麦には「飲食店営業」甘味には「菓子製造業」の営業許可証が必要なので、蕎麦と蕎麦アイスクリームを販売したい場合には「飲食店営業」と「喫茶店営業」の2つが必要となります。また、営業許可証の有効期限は5年間で5年ごとに更新料がかかります。
蕎麦が売れやすい季節、出店場所
蕎麦が一番美味しく食べられる季節は冷たいせいろを欲する夏でしょう。
夏には新蕎麦が出回るので、風味豊かでコシのある新鮮な蕎麦の風味を存分に味わえる季節となります。
さらに、夏は様々なフェスティバルが開催されます。
例えば、フジロックフェスティバルのような10万人規模の人数を動員する音楽フェスティバル、道の駅や高速道路のサービスエリア、ショッピングモールやスーパーマーケット、国内BtoBマーケティング展示会、オフィス街や住宅街、全国の公園で開催されている日本酒関連のフェスティバル、そして、蕎麦がメインの蕎麦フェスと呼ばれるものまで様々です。
蕎麦の販売におすすめのキッチンカーの車種
蕎麦の販売に必要なのはシンクが1個以上ついていること。洗い物だけではなく、夏は茹でた蕎麦を氷水で〆る必要があるからです。
最も人気のある弊社で販売している車種はキッチンボックス350です。
シンプルでオペレーションが行いやすい設計となっており、低コストかつ通常のトラックに比べて小回りが効き、シンクが2個ついています。
次にキッチンボックス1000という車種。こちらは1tトラックのキッチンカーなので荷物を多く詰めるだけでなく、奥行き幅、広さがあるので大人3人が作業をするのに十分な空間があり、シンクが3個ついているところが魅力。
そして最後にキッチントラック1500です。普通免許で運転可能で一般駐車場に保管出来、更にシンクが3個完備されており、沢山食材を詰め込めるため、一番売り上げにつながりやすいキッチンカーです。例えばロックフェスティバルのような来場者数が10万人規模の大きなイベントでもオペレーションをスムーズにしやすく、販売力を発揮出来る車種です。こちらは上記3台とも車両込、保健所に必要な手続きや役所の代行込みという部分が魅力的です。
蕎麦を作るために必要なキッチンカーの厨房設備
基本的な厨房機器は蕎麦を茹でる為のコンロ、食材を保管する冷蔵庫と2〜4個のシンクが必要となります。
更に天ぷらの提供もあるのであれば、フライヤー、焼き鳥などの提供もあるのであればサラマンダーや焼鳥器などのオプションが必要となってくるでしょう。
厨房設備もご予算、使いやすさ、提供する料理の品目により変わってくるので、キッチンカーの会社や厨房機器メーカーに相談し、見積もりを取り、よく考えた上で最もご自身のニーズにあったものを決定することが大事です。
蕎麦の材料を安く仕入れる方法
蕎麦の材料を安く仕入れる方法は東京ビッグサイトで開催されている飲食業界のイベント『FOOD EXPO』と同時開催されている『麺産業展』がおすすめです。
催しには色々な種類の蕎麦粉、製麺の機械、麺打ちの道具、出汁用の鰹や昆布から醤油などの調味料まで様々な商品をご覧になることが出来ます。厨房機器の展示もあるので大いに参考になると思います。蕎麦にあった焼酎や蕎麦も沢山置かれているので、実際に試食も含めてメーカーさんからじっくり話を伺い、蕎麦の材料を安く仕入れるチャンスです。
最近では、美味しい生麺が増え機械打ちでも石臼挽きのこだわりの蕎麦粉や水があればプロさながらの味を出せます。
既製品のメリットは、蕎麦を打つ時間と人件費削減です。
製麺所の生麺でもクオリティの高い麺を作っているメーカーが増え、東京の世田谷区にある「むらめん株式会社」信州の「盛谷製麺」「株式会社渡辺製麺」などでは様々な種類の蕎麦が販売されているのでコストやニーズに見合った蕎麦を製麺所から買うことも可能です。
個人店では業務用スーパー等に自分で買い出しに行かれる方もいるのでそこも自由に販売者のやりやすいスタイルにカスタマイズ出来るところも最大の魅力です。
蕎麦の販売で成功しているキッチンカーの紹介とその施策
『榑木野』(くれきの)
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蕎麦で有名な信州、長野県松本市にある『榑木野』(くれきの)は1991年創業の職人が手打ちをしている本格派のそば処です。
自社農園の地産地消による石臼挽きの純手打ち蕎麦の実店舗の他にオンラインショップと移動販売を行なっています。楽天市場では1位連続獲得の人気ぶりです。
『太閤』(たいこう)
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高田馬場に『太閤』(たいこう)です。
キッチンカーのカウンターには『十四代』、『結』、『新政』などの日本酒通の間で人気の日本酒が並んでいるところは圧巻。日本酒のラインナップを見ただけで蕎麦の味にも期待が高まります。
うごく蕎麦屋さん
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長野県諏訪市では2021年2月には諏訪市の『十割蕎麦そば屋』岡谷市の『石臼そばやわかば』諏訪市の中華料理店『ぱおず屋陽太』の3店舗が『うごく蕎麦屋さん』をスタート。地元の蕎麦粉や味噌を使い、蕎麦やだけでなく、蕎麦粉の皮で信州のたまり味噌や蕎麦の実を包んだ『信州小籠包』も販売され、蕎麦もユニークなものへと進化を遂げています。