「カフェを開業するならキッチンカーと店舗では何が違うのだろう?」
「固定店舗の方がキッチンカーよりお金がかかりそうだけど、その他にも違いはあるのだろうか?」
「移動販売カフェと店舗型カフェのどちらが自分には向いているのだろうか?」
こんな疑問を持っていませんか?
その気持ちはよく分かります。なぜなら、私自身がキッチンカーを使った移動販売カフェの開業を検討していたときに、そもそも店舗型カフェと何が違って自分に向いているのはどっちなんだろう?と疑問を感じた経験があるからです。
キッチンカーを開業した経験を持つ私が、開業前に自分で感じた疑問点も踏まえて、移動販売カフェと店舗型カフェの特徴をまとめました。
この記事では、
- 移動販売カフェと店舗型カフェの初期費用の違い
- 営業スタイルの自由度から見た移動販売カフェと店舗型カフェの違い
- 外部環境の変化に対応しやすいのは移動販売カフェである理由
- 移動販売カフェと店舗型カフェの集客戦略の違い
- 移動販売カフェ開業に欠かせない基礎知識
をお伝えします。
自分自身がキッチンカー開業の準備を進める前に知っておきたかったと思う情報をまとめたので、ぜひ最後までお読みください。
目次
1.移動販売カフェの方が圧倒的に初期費用は安い
移動販売カフェと店舗型カフェの初期費用を比べると、移動販売カフェの方がかなり少ない資金で開業できます。両者の開業費の違いを具体的な金額を用いて解説します。
店舗型カフェの初期費用は1,000万円前後
店舗型カフェの初期費用は大きく「不動産(テナント)賃借費」「内外装工事費」「機械・什器・備品費」「運転資金」に分けられます。
「不動産(テナント)賃借費」は、出店地域・面積などによって大きく異なります。テナントの場合、契約時に保証金・敷金(相場は家賃の10カ月分)を支払う必要があるので、礼金・仲介手数料・前払い家賃などを含めると、最初に家賃の13~15カ月分の支払いが必要です。
仮に家賃を10万円とすると、不動産賃借費だけで130万~150万円、家賃20万円の場合は260万~300万円を初期費用として支払わなければなりません。これに「内外装工事費」「機械・什器・備品費」「運転資金」を加えると、店舗型カフェの初期費用は1,000万円前後になるのが一般的です。
移動販売カフェなら300万円で開業可能
移動販売カフェの開業に必要な初期費用は「キッチンカー購入費」「機械・什器・備品費」「運転資金」に分かれます。一番金額が大きいのは「キッチンカー購入費」で、軽トラックベースの中古キッチンカーでもすぐに使える程度の良いものは、200万円程度は必要です。新車のキッチンカーになると250万円程度の資金が求められます。
程度の良い中古キッチンカーが200万円で購入できれば、「機械・什器・備品費」「運転資金」を加えても300万円あれば十分に移動販売カフェの開業が可能です。
2.移動販売カフェの方が営業スタイルの自由度が高い
店舗型カフェは曜日を問わず午前7時から午後8時頃までの営業が一般的です。立地によっては、開始時間が早いまたは終了時間が遅いといった違いがあります。営業方法としては、レジカウンターで注文して店内またはテイクアウトするスタイルか、着席した席で注文するスタイルのどちらかを採用する店舗が多いです。
一方、移動販売カフェではキッチンカーで調理したものをその場でテイクアウト商品として販売するスタイルは決まっているものの、営業時間や出店場所は毎日のように変化します。出店場所ごとに営業時間の範囲は決まっているものの、その時間内であれば早目に出店を切り上げることも可能です。
3.移動販売カフェの方が外部環境の変化に対応しやすい
固定店舗を構える店舗型カフェとキッチンカーで自由自在に移動できる移動販売カフェでは、お店を取り巻く外部環境が変化したときの対応のしやすさにも違いがあります。店舗型カフェと移動販売カフェでは、外部環境の変化への対応のしやすさにどのような違いがあるかを解説します。
店舗型カフェは開店後の環境変化に対応が難しい
店舗型カフェの場合は一度開店してしまうと、簡単には移転できません。仮に移転しようと思うと、今のテナントの原状回復工事費と新しいテナントの初期費用の両方が必要になるので、新規開店時よりも費用が必要になるでしょう。
したがって、店舗型カフェは気軽に移転できないので、開店後に「近所に競合店が開店した」「店舗近郊で再開発があり人通りが減った」などの外部環境の変化が起きても簡単には対応できません。
移動販売カフェは外部環境に合わせて変更できる
キッチンカーを使った移動販売カフェは、「出店場所」「営業時間」「販売メニュー」を自由に決められます。したがって、長年出店した場所の人通りが減ったり、競合するキッチンカーが増えてきた場合には、営業時間(曜日)をずらしたり、メニューを変更したり、他の場所で出店したりするなどの変更が可能です。
営業許可が取得できれば、1台のキッチンカーで全国47都道府県での出店も可能です。このように移動販売カフェは、外部環境の変化に合わせて柔軟に対応できる特徴があります。
4.移動販売カフェと店舗型カフェは集客戦略が違う
常に同じ場所で営業する店舗型カフェと毎日のように営業場所を変える移動販売カフェでは、集客数を増やすための戦略が異なります。それぞれの集客に求められる特徴について解説します。
店舗型カフェの集客にはリピーター獲得が欠かせない
店舗型カフェの顧客の中心は、店舗の近郊で生活している人です。最初こそ各種広告を使った新規集客が欠かせませんが、経営を安定させるためにはリピーターの獲得が必須です。
リピーターを獲得するためには、「店内の雰囲気」「接客の質」「メニューの独自性」など、何らかの点で自分のカフェを選んでもらえる特徴を作り出し、発信していくことが求められます。
移動販売カフェの集客は出店場所の影響が大きい
移動販売カフェに限らずキッチンカー事業では、集客は出店場所の集客力に依存する割合が高くなります。その傾向は特に土日祝日に開催されるイベントへの出店時には顕著になります。多くの人出が見込まれるイベントに出店できれば、それだけで大きな売り上げが期待できますし、反対に人出が少ない場所に出店しても売り上げは期待できないでしょう。
仮にその日に出店した場所の集客力が弱くても、次回以降は別の出店場所を試せる柔軟性があるのが移動販売カフェの強みです。試行錯誤を繰り返して、集客力が強い出店場所をドンドンストックしていきましょう。
移動販売カフェ開業に必要な基礎知識を解説します
キッチンカーを使った移動販売カフェを開業するにあたり、準備を始める前にまず知っておくべき基礎知識を四つ解説します。
軽トラックサイズのキッチンカーで開業できます
移動販売カフェに使うキッチンカーのサイズは、軽トラック(SUZUKI キャリイなど)、普通車1tトラック(TOYOTA タウンエースなど)、普通車1.5tトラック(MAZDA タイタンなど)のいずれかをベース車両に使った三つに分かれます。
ドリンクメニューを中心に、クッキーなどの焼き菓子を販売する営業スタイルであれば、軽トラックのキッチンカーで十分対応可能です。ランチ出店やイベント出店も考えているなら、普通車1tトラック・1.5tトラックサイズのキッチンカーがおすすめです。自分にピッタリなキッチンカーの購入方法は以下の記事で詳しく解説しています。
移動販売カフェにはコーヒーマシンが必須です
カフェには、コーヒーマシンが必須です。サイフォンやドリップで手作りする方法もありますが、スタッフが少ない移動販売カフェではコーヒーマシンによる効率化が欠かせません。カリタや上島珈琲などの大手から多種多様な機器がリリースされているので、サイズ・スペックを確認して自分のカフェにピッタリな商品を選びましょう。
お店の個性を打ち出すために、エスプレッソマシンを導入し、キッチンカーのコーヒーについてはエスプレッソをメインメニューに据える方法もあります。
コーヒー専門ではなくランチ出店・イベント出店などを通してさまざまな料理を提供するキッチンカー事業にする場合は、冷蔵庫・冷凍庫・ガスコンロ・鍋・フライパン・炊飯器などの調理器具が必要です。
ランチ出店するなら食事系メニューが必要です
どんな場所に出店し、どんな客層をねらうかによって、メニューの構成は大きく変わります。ランチタイムのオフィス街がターゲットであれば、ホットドッグやサンドイッチなどの調理パンメニューの充実が必須です。
実際の移動販売カフェでは、タコライスなどエスニック系料理や韓国料理系の丼ものをメインメニューとして成功している例もあります。
素材やメニュー構成で競合カフェとの差別化を図る
キッチンカー事業の中でも特別なスキルが必要ない移動販売カフェは競合も多いのが現状です。競合するカフェと差別化を図るためには、オリジナルブレンドのコーヒー豆を使うなど素材で違いを出すことが必要です。
その他にもカフェラテやカプチーノなどのコーヒー系メニューを充実させたり、ストロベリーやヨーグルトのスムージーをメニューに加えたりするなど、メニュー構成にバリエーションを持たせることでも競合との差別化が図れます。
まとめ
同じカフェ経営でも移動販売(キッチンカー)と固定店舗では、「初期費用の金額」「営業スタイルの自由度」「外部環境変化への対応しやすさ」「集客戦略」で大きく異なることを解説しました。
自由度が高く外部環境の変化にも対応しやすい移動販売(キッチンカー)でのカフェ経営に興味がある人には、無料で学べるフードトラックカンパニー社のキッチンカー開業セミナーがおすすめです。全国4会場とオフライン会場で随時開催していますので、誰でも気軽に参加できます。