「おしゃれなキッチンカーを作りたいけど、どうしたら良いのか分からない」
「おしゃれなデザインはどんなふうに考えたら形になるのだろうか?」
「パッと見ておしゃれだ!と思えるキッチンカーを見て自分の車両作りの参考にしたい」
こんな不安を抱えていませんか?
その気持ちはよく分かります。なぜなら、私自身はデザインの経験も知識もなかったので、自分のキッチンカーの開業準備を進めるときに同じように「おしゃれにしたいけど、デザインの方法も考え方も分からない」と感じた経験があるからです。
そんな状態から、周りの人たちに助けてもらい、自分でも学んで「素敵なデザインのキッチンカーですね!」と言ってもらえるキッチンカーを開業した経験のある私が、そのときに学んだことや新しく集めた情報をまとめました。
この記事では、
- キッチンカーをおしゃれにすることで得られるポジティブな効果
- おしゃれなデザインを作るために必要な考え方
- おしゃれなキッチンカーを製作するためのコツ
- デザイン性に優れたキッチンカーにおすすめの出店場所
- おしゃれなキッチンカーの具体例の紹介と解説
をお伝えします。
どんなデザインがおしゃれなのか分からないという人にも理解してもらえるように、具体例を用いながら詳しく解説していますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
おしゃれなキッチンカーは来客数増加につながる
キッチンカーをおしゃれなデザインにする一番のメリットは、女性の来客数が増えることです。女性のお客様が増えることによる影響は、単純に来客数が増えることにとどまりません。というのも、インフルエンサーの多くが女性であることからも分かるように、一般的に男性よりも女性の方が、流行に敏感で発信力を持っている人が多いと考えられます。
そのため、デザイン性に優れたおしゃれなキッチンカーを出店し、女性の注目を集めて出店の様子をInstagramなどのSNSで発信してもらえれば、さらに来店数を増やせる可能性があります。業界内での影響力が大きいインフルエンサーの目に留まれば、とんでもなくバズるかもしれません。
おしゃれなキッチンカーデザインに必須な考え方4選
おしゃれなキッチンカーを製作するために欠かせない重要な考え方を四つ紹介します。おしゃれなデザインに仕上げるために、しっかり読み込んで自分のキッチンカー製作にいかしましょう。
1.コンセプトに沿ったデザインを作る
おしゃれなキッチンカーを製作するためには、最初にキッチンカーのコンセプトを明確にすることが必要です。コンセプトとは英語の「concept」をカタカナ読みしたもので、「概念」「発想」「構想」などの意味があります。
ここでのコンセプトは、キッチンカーを開業するにあたっての「土台となる考え方・構想」や「どのような価値をどんな想いで提供するか」という意味になります。もう少し簡単に言うと「どんなキッチンカーにしたいか?」を言葉で表したものです。
例えば、「訪れた人がみんな元気になるキッチンカー!」「落ち着けるひとときを提供するキッチンカー」などがコンセプトの例です。コンセプトが決まっていないと、色使いなどにまとまりがなくなり、おしゃれなキッチンカーに仕上げることは難しくなります。
コンセプトを決めたら、それに沿ったデザインを作ります。元気を伝えたいなら淡色系、落ち着いた雰囲気を出したいならモノトーン、やすらぎを伝えたいならウッド調などコンセプトに合わせたデザインを作りましょう。
2.デザインや色使いをメニューに合わせる
キッチンカーのデザインや色使いを見れば販売メニューを想像できるように統一感を持たせることが、おしゃれなキッチンカー作りには欠かせません。なぜなら、キッチンカーのデザインとメニューのイメージが大きく異なると、通りがかった人の来店を遠ざけてしまう可能性があるからです。
デザイン・色使いと販売メニューの理想の形は、キッチンカーを見ればメニューが想像できる関係性です。メニューと色の組合せの具体例をいくつか紹介します。
ガッツリ系メニューには食欲を刺激する赤!
「赤」を始めとする暖色系の色には、見た人の気分を明るくして高揚させる特徴があります。人間の食欲を刺激して高める効果があるので、キッチンカーに限らず食品に広く使われています。
キッチンカーのメニューの中では、唐揚げ・牛タン串・ハンバーガーのような肉料理を中心としたガッツリ系メニューにピッタリです。「黒」との相性が良いので、両方の色を使ったデザインもおすすめです。
スイーツには楽しいイメージの明るめの色
「ビビッドカラー」は明るくて楽しそうなポジティブな印象を与えます。また、「パステルカラー」からは、優しさや柔らかさを感じられます。このような明るめの色は、クレープなどのスイーツ系メニューとの相性がバッチリです。
「ビビッドカラー」「パステルカラー」をベースに水玉・ストライプ・リボン柄などのアクセントを加えることで、明るさ・優しさと一緒にかわいらしさも表現できるので、スイーツ系メニューのキッチンカーにピッタリのデザインになります。
ソフトクリーム・アイスクリーム・かき氷などの清涼感・冷たさを感じられるメニューには、「青」「水色」などの寒色系の色がピッタリです。
カフェなど癒しを提供するなら濃い色
「青系」「緑系」の色は、見る人の緊張を和らげ落ち着きを与えてくれます。それらの中でも「紺」「深緑」といった濃いめの色は、より一層の落ち着き・冷静さを感じられます。
ゆったりとした気分でコーヒーを楽しんでもらいたいカフェなど、飲食にとどまらず癒しも提供したいと思うキッチンカーのデザインには、「紺」「深緑」などがピッタリです。
3.おしゃれな先輩キッチンカーを参考にする
キッチンカーのコンセプトは決まっているものの、デザインに落とし込むのが難しいようなら、すでに開業している先輩キッチンカーのデザインを参考にするのがおすすめです。さまざまなキッチンカーを見ることで、おしゃれなキッチンカーに共通する色使い・デザインなど、自分の頭でどれだけ考えても気づけないデザインのヒントを見つけられるでしょう。
参考にするキッチンカーは、Google画像検索やInstagramの検索で見つけることが可能です。Instagramでは、「#キッチンカー」で検索すれば簡単に多数のキッチンカー画像を確認できます。
可能なら検索で見つけたキッチンカーの実物を見学することをおすすめします。画像では分からない角度を含め、360度からデザインを確認できるので、おしゃれなキッチンカーづくりに向けたより多くの情報を得られるでしょう。
4.飲食店に欠かせない清潔感のあるデザインにする
キッチンカーのデザインには、飲食店に必須の清潔感も求められます。おしゃれであることと清潔感を両立できるデザインが理想です。清潔感を表現できる色は「白」や淡い「水色」「黄緑」などです。
デザイン面で清潔感を演出するためには、シンプルで統一された色使いを心がけましょう。車両デザインはシンプルにしつつ、タペストリー・のぼり・看板などは写真を含めて目立つ色使いにすれば、清潔感の表現とメニューのアピールを両立可能です。
おしゃれなキッチンカーを作るコツ4選
おしゃれなキッチンカーを作るために、どのようなキッチンカーを作ればよいか具体的な方法を四つ解説します。多くの人が実現可能な方法なので、自分のキッチンカーをおしゃれにしたいと思ったら、ぜひ取り入れてみてください。
1.外装はコンセプトのメインカラーまたは白にする
キッチンカーの外装の色は、見た人の印象を一番左右します。したがって、キッチンカーを塗装する場合は、お店のコンセプトがしっかりと伝わるように、コンセプトのメインカラーで塗装することをおすすめします。
キッチンカーの塗装には数十万円がかかるので、予算的に難しい場合には塗装せずそのまま「白」にしましょう。「白」は清潔感を象徴する色なので、キッチンカーの色に適しています。白いキッチンカーの場合は、特にタペストリー・のぼり・看板などを使って通りかかった人にお店の良さをアピールすることが欠かせません。
2.デザインの一部として見せる内装にする
おしゃれなデザインかどうかよりもキッチンカーの内装で最も重要なのは、調理・接客のしやすさです。もちろん、食品を扱う場所なので、常に掃除が行き届いて清潔に保つことも欠かせません。
これらの条件を満たしたうえで、デザイン性に優れた調理器具などの内装を意図的に見えるように配置すると、キッチンカー全体のデザイン性を高めることが可能です。おしゃれに見える内装デザインは、レストランなどのオープンキッチンを参考にすることをおすすめします。
3.窓を大きくして明るい印象にする
キッチンカーの窓を大きくすることで、見た人に開放的で明るい雰囲気を与えられます。また、窓から中の様子がしっかりと見られることで、来訪者の安心感にもつながります。
さらに、キッチンカーの運営を考えた場合も、窓が大きい方が購入者とのやり取りがしやすいので、スムーズな運営につなげることが可能です。
4.メニューを提供する容器もおしゃれにする
おしゃれなキッチンカーを実現するためには、車両デザインはもちろんのこと、メニューを提供する容器類のデザイン性にもこだわりましょう。容器選びの際にもコンセプトとの整合性をもたせることを意識することが求められます。
プラスチック製の容器なら軽くて耐久性が高いですし、クラフト紙などの紙製なら温かい印象を与えられます。さらに、同じ材質でもさまざまな色があるので、店舗のコンセプトを常に意識して商品を選びましょう。
おしゃれなキッチンカーは若者が多い出店場所がピッタリ
流行に敏感な若い世代が集まる場所が、おしゃれなキッチンカーの出店場所に適しています。具体的には、「イベント・フェス会場」「オフィス街」「大学構内」「ショッピングモールなどの商業施設」が該当します。
多くの人出が期待できるイベント・フェスの中でも、特に若い年代や女性客をターゲットとしたものに出店できれば、おしゃれなキッチンカーの力を存分に発揮してくれるでしょう。来訪者が多ければ多いほど、SNSでの拡散も期待できます。
オフィス街や大学構内でのランチ出店も同様に、キッチンカーの車体・メニューの両方をSNSで拡散されれば、より一層の来客数・売り上げが期待できます。また、若い客層が多いショッピングモールなどもおしゃれなキッチンカーの出店に適した場所です。
一方で、スーパーマーケットや遊園地などの家族連れが多い場所や、年齢層が高い人が客層の中心となる商業施設などでは、おしゃれなキッチンカーがもつ優位性を存分に発揮できない可能性が高くなります。
デザイン性に優れたおしゃれなキッチンカー5選
おしゃれなキッチンカーも、それぞれのコンセプトに応じてデザインにはいくつもの種類があります。全国を対象におしゃれな5台のキッチンカーをデザインから伺えるコンセプトや販売メニューと一緒に紹介します。
1.ハワイアン料理にピッタリな南国風デザイン
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「Loco Kii(ロコキー)」は、明石市を中心に関西エリアで出店している、ハワイアンフードとブラジリアンスナックが自慢のお店です。ハワイらしいターコイズブルーにイエローを合わせた、ビビッドな色合いのキッチンカーがひときわ目を引きます。
ハワイ好きで現地の味を知り尽くしたオーナーが作るハワイアンフードは、どれも絶品です。ロコモコ・モチコチキン・ガーリックシュリンプを中心に日替わりで3種類のメニューを800~1千円の価格帯で味わえます。
フードと一緒におすすめなのが、インスタ映えするドリンク類です。カラフルな『オーガニックレインボーレモネード』や『ハワイアンビール』など、見て・撮って・飲んで楽しめるドリンクが揃っています。
2.白の背景と木材が板場を連想させる和風デザイン
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おにぎりのキッチンカーはよく見かけますが、「次男(つぎお)の焼きおにぎり」は店名の通り焼きおにぎり専門のキッチンカーです。シンプルな白のキッチンカーですが、要所要所に使用されている木の素材や木製のグッズが、割烹の板場を連想させます。
三重県を中心に出店しており、三重県産の素材にこだわった料理を提供しており、「伊勢うなぎ(450円)」「炙りかつおマヨ(300円)」など10種類の焼きおにぎりと4種類のだし茶漬けを販売しています。その他のメニューは「かつおと昆布のだし汁(200円)」「お茶(200円)」のみと、シンプルなメニュー構成です。
3.黒と写真の組み合わせが食欲をそそる欧米風デザイン
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「MACRAME CAFE (マクラメカフェ)」は愛知県を中心に岐阜県などにも出店しているキッチンカーです。黒い車体をベースに、店舗部分の前面に透明ガラスが使用されている、とてもおしゃれなデザインが目を引きます。また、黒背景にメニューの写真を掲載するタペストリーや看板のデザインは、食べ物の魅力を高めると同時に食欲をそそります。
定番の「ホットドッグ(650円)」の他に「チーズドッグ(750円)」「メキシカンドッグ(700円)」「ステーキドッグ(900円)」と4種類のホットドッグを味わうことが可能です。その他にも「ダブルフランク(2種類のフランクの食べ比べセット)」「唐揚げ」などの定番メニューもあります。
ホットドッグや定番メニューを中心に、スノーアイス・スープなど季節性の高いメニューも販売することで、一年を通してさまざまな出店場所にも対応できるメニュー構成となっています。また、まとめて頼むとお得になるセットメニューも準備するなど、収益を安定させるためには欠かせない単価を上げる工夫も見逃せません。
4.「和風×かわいい」のコンセプトが光るデザイン
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「可愛井カフェ」は、「和×かわいい」をコンセプトに、道南から道東まで北海道中を巡っているキッチンカーです。ピンクの車体をベースに、大きなハートが大きく描かれたのれん、吹き出しのようなのぼり旗、とどれをとっても隙がなくオーナーの遊び心が伝わってきます。
小麦粉とタピオカ粉を配合したもちもちの生地に、15種類のクリームとあんこをカスタマイズしてサンドする「北海道 泡おやき」を販売しています。小さなお団子がたくさんついたような独特な見た目は、初めて見る人に大きな衝撃を与えるでしょう。
15種類の味から1種類が選べるシングル(300円)と2種類が選べるダブル(480円)を販売しています。15種類の味はつぶあんやカスタードといった定番はもちろん、ずんだ・ほうじ茶・豆乳などが揃っています。飲食物の他にもキャラクターが描かれたアパレルグッズも販売していて、ズレのない遊び心に脱帽です。
5.キッチンカー全体からみかんを感じられるデザイン
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「愛媛みきゃんずキッチン」は、東京都内を中心に関東地方で出店しているキッチンカーです。車体はみかんカラーのオレンジをベースに、みかんをイメージしたモチーフやキャラクターが描かれており、360度どこから見ても「みかん」を感じられます。
デザインから想像できる通り、蛇口から注げる新鮮な100%みかんジュースや県産食材を使った美味しい愛媛グルメ(宇和島じゃこカツ(400円)、今治焼豚卵丼(650円)など)を販売しています。
まとめ
おしゃれなキッチンカーで出店すれば、多くの人が来店し売り上げも大きくすることが期待できます。デザインに関する基本的な考え方やおしゃれに作るコツを身につけた上で、キッチンカー製作会社などとの打合せに臨むことが、おしゃれなキッチンカー実現のために求められます。
おしゃれなキッチンカーがそのポテンシャルを最大限に発揮する出店場所は、若い年齢層が集まるイベントや商業施設などです。写真付きで紹介したキッチンカーのデザイン・コンセプトを参考にして、デザイン性に優れたおしゃれなキッチンカーを開業しましょう。
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