牛タンのキッチンカーをお考えの方に向けて記事にまとめました。
ぜひ最後までご覧ください。
お手頃な値段で気軽に食べられるワンプレートや丼物は、キッチンカーでも人気のメニューです。
しかし、人気のメニューであるがゆえに、競合が多くなっています。
他のフードトラックと差別化をするには、メニューに付加価値をつける必要が出てきます。
そのようなメニューにぴったりの食材が、「牛タン」になります。
目次
キッチンカーで牛タンを売るメリット・デメリット
メリット
- 付加価値がつけやすい
- 名前に高級感がある
- キッチンカーで販売している人が少ない
- メニューのバリエーションが豊富
- キッチンオペレーションが比較的シンプル
- 材料の種類が少ない
- 熱狂的に好きな人がいる
牛タンは高級なイメージがあるので、「牛タン」という名前を付けることで付加価値がつけやすく高価格で販売することができます。
また、キッチンカーで販売している人が少なく、競合が少ないです。
「牛タン」と聞くと焼くという調理方法を思い浮かべる方も多いでしょうが、「牛タンシチュー」「牛タンコロッケ」などメニューのバリエーションが豊富です。
また、焼肉でも熱狂的に牛タンを好きな方は多く、「牛タン」という名前がついているだけで、牛タン愛好者の購買意欲を掻き立てることができます。
デメリット
- 販売できる場所や時間帯が限定される
- 売価が高くなりやすい
- 原価が高い
- 牛タンの知識がない方にはなじみがない
- ボリューム感が出しにくい
価格が高めでボリュームのある主食メニューにした場合、販売できる場所や時間帯が限定されてしまいます。
また、販売価格は高くできますが、牛タン自体の仕入れ値も高いので、利益を出しにくくなります。
焼肉で牛タンを好きな方は多いですが、焼肉店をあまり利用しないお子さんや高齢者の方にはなじみがなく、受け入れにくくなっています。
さらに、他の部位に比べて仕入れ価格が高いので、同じ値段で販売した場合、ボリューム感を出しにくくなる危険性があります。
キッチンカーで牛タンを販売するまでの流れ
1. メニューを開発します。
メニュー決定や原価計算だけでなく、ロスがないようにオペレーションも細かく決めておきましょう。
2.各種許可の申請と取得
営業許可を取得するために、講習会を受講したり保健所に申請を行ったりします。
3.キッチンカーの仕様の打ち合わせをします
車のサイズや使用する厨房設備、塗装・看板ラッピングシールなどの外装イメージを決定します。
4.車両完成
工事の目安は、軽ベースは2週間~3週間、普通車ベースで1カ月~2カ月、トラックベースで1カ月半~2カ月となります。
5.陸運局予備検査
陸運局で検査を行い、合格したら予備検査証が出ます。
6.登録申請
地域陸運局に車両を持ち込んで、登録申請します。
7.納車
車両が納車になります。
8.営業許可申請
納車前に保健所と検査日を決めておき、必要書類と車両を持ち込んで検査してもらいます。
許可が下りれば、晴れて開業です。
牛タンをキッチンカーで売るための営業許可の種類
保健所の営業許可
キッチンカーで出店する地域ごとに、その地域の保健所の営業許可を取得する必要があります。
キッチンカーで必要な営業許可は大きく分けて、「食品営業自動車」と「食品移動自動車」の2種類になります。
牛タンを調理する場合には「食品営業自動車」の営業許可が必要となります。
食品衛生責任者の資格
移動販売の営業許可書を申請するときに、食品衛生責任者の資格も必要になってきます。
営業許可書1枚につき、食品衛生責任者を1人ずつ配置することが義務づけられています。
1日の養成講座の講習会を受ければ資格が取得できるようになっていますが、大学で所定の課程を履修した人や調理師の資格保持者は講習会への参加は免除されます。
保健所の営業許可は地域によって見解が違う場合もあるので、営業許可をとりたい保健所で必ず事前に確認をとるようにしてください。
保健所の営業許可取得に詳しい移動販売車の製作会社に相談してアドバイスをもらうと、複雑な申請業務もスムーズに行えます。
牛タンが売れやすい季節、出店場所
牛タンは焼肉のイメージがあるため、夏の時期にスタミナメニューとしてお客様にアピールしやすく売れやすいです。
また、冬の時期には、テールスープや牛タンシチューなどのあったかメニューと組み合わせることで、販売数を伸ばすことができます。
以前は肉をメインにしたメニューは男性に人気でしたが、最近は「がっつりと肉を食べる」ということが若い世代を、中心に女性にとっても当たり前のことになってきています。
そのようなことから、牛タンの売れやすい出店場所は下記のような場所になります。
- オフィス
- パチンコ店などの駐車場
- 道の駅
- 高速道路のサービスエリア
牛タンを使った主食メニューはランチにぴったりなので、オフィス街で働く方の需要が期待できます。
また、男性の利用が多いパチンコ店などの駐車場では、高価格でも購入してくれる方の来店が見込めます。
牛タンは日常の食事とはかけ離れたイメージが強いので、観光気分の味わえる道の駅や高速道路のサービスエリアでも人気の商品になります。
牛タンの販売におすすめのキッチンカーの車種
牛タンを使ったメニューは必要とする厨房設備も少ないので、軽バンや軽ワンボックスでも営業が可能です。
しかし、軽バンや軽ワンボックスは天井が低いので、座って作業をすることになります。
オペレーションの効率が悪くなる場合もあるので、あまりおすすめしません。
また、換気扇は必須ですが、煙が狭い車内にすぐに充満する恐れもあります。
その点、軽トラックや1tトラックは広さもあり、天井までの高さが十分にとれます。
効率よく快適に作業をするためにも、これらの車種がおすすめです。
牛タンを作るために必要なキッチンカーの厨房設備
牛タンを使ったメニューで、加熱する食材を牛タンのみにすれば、比較的シンプルな調理工程になります。
必要な厨房設備としては、下記のようなものになります。
- 冷蔵庫
- シンク
- ガスコンロ
- LPガスシステム
- 給排水設備
- 換気扇
その他、コンセント・天井蛍光灯・作業台なども必要になります。
牛タンの材料を安く仕入れる方法
牛タンは、肉の中でも高額な部位になります。
牛タンは「皮付きの丸のタン」「皮なしの丸のタン」「タン先」「タン元」と指定して仕入れができます。
タン元は面積を広くカットできるので見栄えがいいですが、その部分のみの仕入れだと単価が高くなります。
「皮付き」が一番低価格ですが、皮をむく手間がかかります。
「皮なしの丸のタン」が使い勝手と価格のバランスがよいです。
基本的に輸入の冷凍ものになるので、ネット等で価格の安い卸問屋を見つけて、大量に購入するとコストを抑えられます。
牛タンの販売で成功しているキッチンカーの紹介とその施策
sugiwagon
東京都や千葉県などに出店しているのが、2014年に開業し牛タンや牛肉を使ったメニューを売りにしている「sugiwagon」です。
赤と白のツートンカラーの車体に、黄色と黒の「sugiwagon」という看板のキッチンカーです。
牛肉を使用したメニューのみになりますが、「牛タン」「カルビ」「プルコギ」と味も食感も変化させることによって、毎日来店するお客様にも飽きられないラインナップになっています。
メニューは、すべてご飯に肉類をトッピングした丼スタイルです。
しきりのついた容器の片方には、シャキシャキの葉物野菜がこんもりともられ、栄養バランスもばっちりです。
「牛タン」1,100円、「カルビ」900円、「プルコギ」850円をベースに、2種類を組み合わせた、「牛タンカルビ」「牛タンプルコギ」「カルビプルコギ」などのメニューがあります。
お米にもこだわっていて、秋田県の「アキタコマチ」を使用していて、胚芽米にすることもできます。
日替わりやイベント出店で出店場所は変更になりますが、今後の予定や出店場所はtwitterで確認できます。
『sugiwagon』
Tweets by Sugiwagon
牛たん炭焼 利久
牛たん焼の本場、宮城県の仙台に店を構えて30年という、「牛たん炭焼 利久」のキッチンカーです。
楽天生命パーク内に出品している他、全国各地でのイベント等でも出店しています。
熟練した職人が丁寧に手仕込んだ牛タンを一気に焼き上げた逸品は肉厚ジューシーで、野球観戦のお供にぴったりです。
牛たんのスライスから手振り塩による味付け・熟成に至るまで、全て熟練した職人の手仕込みというメニューは高級感があるのにリーズナブルです。
おススメは、「牛たん弁当」1,300円、「牛たんまかない丼」800円などになっています。
ご飯は麦飯になっていて、以外にもビールとの相性がばっちりです。
店舗の利用には当日の観戦チケットが必要となり、楽天生命パーク宮城での1軍公式戦開催日のみ営業となります。
楽天生命パーク以外での出店場所は、ホームページで確認できます。
『牛たん炭焼 利久』
https://www.rikyu-gyutan.co.jp/corpo/greeting.html
牛タンのキッチンカーに関するまとめ
牛タンは高級感があるために付加価値がつきやすく、通常の丼メニューよりも高価格で販売することが可能です。
ただし、材料も高価なので、ボリューム感や利益を出しにくいというデメリットもあります。
それらの点を上手にカバーすることができれば、他のキッチンカーと差別化のできるヒットメニューにすることができます。