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さまざまな場所にまるごと移動して営業ができるキッチンカーを、地方創生や観光開発に活かそうとする取り組みが2022年ごろから盛んになっています。これまでも、人気の観光スポットにキッチンカーが出店する事例は、観光スポットとキッチンカーそれぞれが相乗効果を得やすいため、非常にたくさんありました。
観光客が戻りつつあり、再びインバウンドも期待される状況になってきました。
本記事では地方の自治体や企業や観光団体が「観光資源開発のためにキッチンカーを活用している新しい取り組み」について、そのメリットや背景などの観点から、ご紹介しています。
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1000万円を超える飲食店舗の新設と比べ300万円程度・約2ヶ月で導入できる費用と早さ、地域で話題になりやすい注目度、地元食材を使ったメニューやお土産の物販、季節や曜日で運用を変えられる柔軟さに加え、千葉県・稲毛海浜公園や熊本県・阿蘇大観峰など4つの活用事例も紹介。
読み終えると、観光地にキッチンカーを取り入れる利点と各地の取り組みが分かります。
目次
飲食店舗を新しく建設するよりもキッチンカーは格段に安くて早い

観光地で、観光資源開発にキッチンカーを採用する最も大きい理由が「観光スポットや観光施設に、新しく飲食店舗や売店を建設するよりも、キッチンカーを導入するほうがコストが安く、かつ、開業までの期間が短い」というものです。
盛り上げたいと検討している観光スポットに新しい飲食店や売店を増設しようとした場合、その計画はおそらく一年程度の工期と1000万円では収まらない費用がかかります。大きなプロジェクトであれば予算が確保されますが「そこまでの規模ではない」という観光スポットでは、建築の必要がなく機動力があり、2ヶ月程度でオープンすることができ、300万円程度から導入できるキッチンカーが選択肢になっています。
地域の話題に上がりやすい

昨今のキッチンカー人気ということもあり「飲食店や売店を始めるよりもキッチンカーが地域の話題になりやすい」という事情もあります。2022年現在の傾向で将来的にも同じかどうかは未知数ではありますが、地方や観光スポットにおけるキッチンカーのオープンの話題はニュースバリュー(メディアが取り上げる価値)があり、地域メディアで取り上げられるため、キッチンカーが注目されています。
特にキッチンカーは、SNSに投稿されやすい・絵面がわかりやすいツールです。
地元食材や名産と相性がよく物販も可能

観光地では地元食材を使ったメニューが観光客から選ばれる傾向があり、話題に上がりやすいと言えますが、キッチンカーはメニューに地元食材や名産品を採用していることを訴求しやすいツールの一つと言えます。独自性を出すために、あえて地元食材を使用していることを謳い文句にしているキッチンカーもあるくらいです。
また、キッチンカーの強みは「調理した食品を提供できる自動車の営業許可が取得できる」という点にありますが、それだけでなく同時にお土産品などの物販も可能です。
キッチンカーだけで仕込み調理が可能になった

2021年6月に食品衛生法の運用が変わり、キッチンカーの設備次第でキッチンカー内での仕込み調理も可能になりました(それまではキッチンカーとは別に飲食店などの営業許可取得済の厨房が必要でした)。
キッチンカーを運用するためのオペレーションや準備が軽くなったことで、仕込み用の厨房がない観光スポットなどで以前よりもキッチンカーを導入しやすくなったという背景があります。
任意の魅力的な場所を観光地化できる

キッチンカーのできることが拡がったことで、キッチンカーが運用できる環境であれば「これまで観光開発まで至っていなかった景色の良い場所」や、「これまで観光開発まで至っていなかった小さな観光スポット」などの観光資源化、観光地化が可能になりました。
各地の観光推進の担当者の方が「あそこにお店があったら良いのに」と考えたり、地元の方々から「あの場所で商売すると良いよ」などと言われることがよくあると思いますが、そういう場所にキッチンカーはアプローチできます。
SNSの活用や、企業との連携も欠かせませんが、各地で実証実験が始まっています。
オンシーズン、オフシーズンでキッチンカーの運用方法を変えられる

たとえばスキー場や高原・避暑地など、特定のシーズンに観光客が多く訪れる観光地がありますが、キッチンカーを活用する場合、オフシーズンは別の観光客が集まる場所へ移動して運用することも可能で、観光地における稼働率という点において、固定店舗と比べて設備が無駄になりにくいと言えます。
また、キッチンカーはタペストリーと呼ばれる看板の付け替えをすることで、1台のキッチンカーを別のお店のように運用することが可能です。
曜日ごとにキッチンカーの運用方法を変えられる

シーズンごとに運用方法を変えることとも近いですが、土曜日・日曜日・祝日の観光客が多い観光地の場合には、土日祝にキッチンカーを観光スポット用の設備として活用しつつ、平日はランチ出店や、商業施設でのテイクアウト専門店として出店する、などの方法も可能になります。
臨時のイベントにも活用できる

特に、初詣や、お花見、花火大会や地域のお祭り、スポーツの大会、ライブコンサートなど、遠方から目的を持ったたくさんの観光客が、数日間だけ集まるようなイベントがある観光地の場合、観光客に対して、瞬間的にサービスを提供する飲食店や売店が、既存の店舗だけでは圧倒的に足りなくなることがあります。
機動性の高いキッチンカーは、こうした短期イベントの臨時の受け皿としても活用が可能です。
最近の保健所やイベント主催者の傾向として、屋台による営業よりも、キッチンカーによる営業を推奨するようになってきています。
移動・転用・撤去のコストが低い

さまざまな運用パターンを例に挙げましたが、「調理した食品を提供できる自動車」であるキッチンカーだからこそ、移動を前提とした運用コストが低く、こうした運用が可能になります。
観光地×キッチンカーの事例
ここからは「観光スポットをキッチンカーを活用して観光資源化した事例」をご紹介していきます。
千葉県 稲毛海浜公園 SUNSET BEACH PARK INAGE 「The SUNSET Pier & Café」
2022年4月開業して、地元住民に愛されているサンセットをよりダイナミックに海の上から愉しむことが出来るスポットとして、キッチンカーの営業を前提として観光開発されています。

出典元:チイコミによる「【千葉市】いなげの浜に白いウッドデッキが誕生「The SUNSET Pier & Café」」
稲毛海浜公園 SUNSET BEACH PARK INAGE 「The SUNSET Pier & Cafe」で活躍するキッチンカーでは、ドリンクやアルコール類、キャラメルバターポップコーンなどを販売しています。
https://chiicomi.com/press/1912159/
熊本県 阿蘇大観峰 キッチンカー「あそBo-郷」
大観峰は熊本県でも随一の人気観光地ですが、知る人ぞ知る扇谷展望所跡という絶景スポットがあり、2017年には嵐の5人が出演するJALのCM撮影場所にもなりました。
この扇谷展望所跡に土日祝日だけ出店しているキッチンカーがあり、観光客にとって嬉しい観光施設となっています。

・阿蘇南小国から車で20分!阿蘇の新絶景スポット扇谷展望所跡に土日祝限定でキッチンカーが登場!
https://minamioguni.jp/archives/214371
神奈川県 真鶴町とJR東日本
JR東日本スタートアップが2022年3月、真鶴町・真鶴町商工会・真鶴町観光協会と連携し、カスタムVAN・タイニーハウス・キッチンカーのモビリティを活用したコンドミニアムの開発をおこない、これまでにない新しい観光資源にするための実証実験を開始しました。

・海の見える絶景無人駅を拠点とした可動産(モビリティ)による地域を巡る旅「動く〇(マル)△(サンカク)□(シカク)」3月20日(日)よりJR根府川駅で可動産(モビリティ)による無人駅滞在と地域移動の実証実験を開始!
https://jrestartup.co.jp/news/2022/02/65349/
沖縄県 石垣島 キッチンカーによる展望デッキ
石垣島では、大自然を一望できる展望デッキ【深呼吸】が2017年に完成し、カフェとしてのキッチンカーの活用が始まっています。自家産牛のハンバーガーや、マンゴージュースなど地域ならではの食材が使われています。

・【石垣島】絶景が見れる山の上のカフェ「展望デッキ 心呼吸」
https://aumo.jp/articles/36804
観光が改めて経済のトレンドになってきている
2022年6月の情勢としては、①GOTOトラベルの再開はまだですが、国と都道府県が県内旅行者向けの助成である「県民割」を推進しており、②インバウンドの観光客受入が再開され、為替相場も円安であることから今後の外国人観光客の拡大が予測されている状況です。
そのため、日本のさまざまな地方の観光地でも期待が高まっており、お問い合わせも増えています。
本記事では、キッチンカーを活用して、観光資源開発をおこなっている事例をご紹介しました。観光に従事されている方々のお役に立てたら幸いです。
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よくあるご質問(Q&A)
Q観光資源開発にキッチンカーが採用される理由は何ですか?
A.飲食店舗を新設する場合に比べ、費用も期間も大幅に抑えられるためです。建物を新築すると工期は1年ほどかかり費用も1000万円では収まりませんが、キッチンカーなら300万円程度から導入でき、2ヶ月ほどで営業を始められます。話題性が高く地域メディアやSNSで取り上げられやすいことも、自治体や観光団体が注目する理由です。
Q厨房設備のない観光スポットでも、キッチンカーで飲食を提供できますか?
A.できます。2021年6月に食品衛生法の運用が見直され、設備の要件を満たしたキッチンカーであれば車内での仕込み調理が認められるようになりました。それまでは飲食店営業許可を取った別の厨房で仕込む必要があったため、仕込み場所を確保しづらい景色の良い場所や小さな観光スポットでも、導入のハードルが下がっています。
Q観光客が来る季節が限られる観光地では、キッチンカーが無駄になりませんか?
A.オンシーズンとオフシーズンで運用を切り替えられるのがキッチンカーの強みです。スキー場や高原のように客足が特定の季節に偏る場所でも、オフシーズンは人が集まる別の場所へ移して営業できるため、設備が遊びません。タペストリー(看板)を掛け替えれば1台を複数の店のように使い分けられ、土日祝は観光スポット・平日はランチ出店や商業施設のテイクアウト専門店という曜日別の運用も選べます。
Q実際にキッチンカーを観光開発に活用している観光地の事例はありますか?
A.4つの事例が挙げられます。千葉県・稲毛海浜公園のサンセット鑑賞スポット「The SUNSET Pier & Café」(2022年4月開業)、熊本県・阿蘇大観峰の扇谷展望所跡に土日祝日限定で出店する「あそBo-郷」、JR東日本スタートアップが神奈川県真鶴町・商工会・観光協会と連携した実証実験「動く〇△□」(2022年3月開始)、沖縄県石垣島の展望デッキで自家産牛のハンバーガーなどを販売する取り組みです。
Qお祭りや花火大会など数日だけのイベントにもキッチンカーは向いていますか?
A.向いています。初詣・お花見・花火大会・地域のお祭りのように短期間だけ人が集中するイベントでは、既存の店舗だけでは飲食の提供が追いつかず、必要な場所へ移動して営業できるキッチンカーが力を発揮します。最近は保健所やイベント主催者も、屋台よりキッチンカーでの営業を勧める傾向にあります。役目を終えた後の移動・転用・撤去のコストが低い点も利点です。









































