イタリア料理店が営業にキッチンカー（移動販売車）を取り入れる方法

こだわりのパスタやピザ・スープ。
イタリア料理を引き立てるための店内。
お客様のために徹底的にこだわった接客。

今では、「お店舗を構えて、お客様に来店いただく」常識が、新型コロナウイルスの影響で、崩れつつあります。

「現状の営業では、今後お店を閉店しないといけない・・」
「緊急事態宣言に振り回されない経営をすることはできないか？」

「なんとか、現状から回復する方法はないのか・・？」
「テイクアウトだけでなく、出来立てを召し上がっていただく方法はないのか？」

と、考えられている経営者の方々や

「シェフとして、このお店で調理を続けたい」

「また以前のように、お客様の笑顔が見える料理を提供し続けたい」

そんなシェフの方々にお伝えしたいのが、
「キッチンカー（移動販売車）」を活用する方法です。

キッチンカーといえば、「クレープ屋」や「カレー屋」がパッとイメージしやすいかと思います。

しかし、新型コロナの影響もあり、店舗運営を行っていた「ホテル」や「ラーメン屋」などが、新たな展開として、キッチンカーを導入する流れが生まれています。

理由として、こちらからお客様のいる場所へ伺うことが可能だからです。

さらに、飲食店を運営してきた経験は、はじめての開業でキッチンカーを展開する方より、オペレーション方法やシェフの腕を活用し、特色を出すことができます。

この記事では、

について、まとめています。

ぜひご参考いただけると幸いです。

イタリア料理店がキッチンカーをするメリット

イタリア料理店がキッチンカーをするメリットは、大きく３つあります。

それぞれさらに詳しく確認してみましょう。

①高単価でメニューが出せる

通常、キッチンカーで提供するメニューの単価は、「700円前後」が多くなっています。

そのため、1000円以上のメニューを出した場合、「高い」イメージがつき、よっぽどの理由がない限り、購入に繋がりません。

しかし、店舗でイタリア料理を運営していることから、「シェフこだわり」のようなキャッチフレーズで打ち出すことが可能です。

すると、他のキッチンカーにない「特別感」や「レア感」をお客様へイメージしていただくことができます。

その結果、900円～1200円のメニューでも高すぎない印象を与え、高単価で出店し、売上・利益を稼ぐことが可能です。

②本格的なイタリア料理を提供できる

コロナウイルスの影響もあり、テイクアウトを取り入れているお店もあるかと思います。

しかし、テイクアウトだと、お店の味をそのまま再現することが難しいメニューがあるのが現状ですね。

そのため、お客様に食べていただきたいけど、テイクアウトにいれていない料理もあるかもしれません。

その状況を打破できるのが、キッチンカーです。

キッチンカーだと、調理設備を搭載し、「お客様の近くまで」本格的な料理をお届けすることが出来ます。

その結果、テイクアウトで提供出来ないメニューも、キッチンカーだとお客様にお家で召し上がっていただくことが可能です。

③出張キッチンカーでコースのようなメニューと提供できる

ホームパーティーや、ママ友との集まり、会社の打ち上げなど特別な時間にお客様にご用命をいただいて、出張キッチンカーを行うことが可能です。

通常キッチンカーで提供しているメニューだけでなく、お店側が考えたコースのようなメニューの提供もできます。

事前にご予約をいただく対応で、仕込みも適正量を準備できます。

お客様の人数が予想できない出店と異なり、ロスが発生しないため、売上を予測することができます。

特別な時間のためにご自宅や開催場所にキッチンカーで伺え、ご要望に合わせたメニュー展開も対応できるので、お客様にも喜んでいただけることでしょう。

外食が思うようにできない状況の中で、そのような時間を提供できるキッチンカーは、お客様もキッチンカーを運営する方も思い出に残る特別な時間を過ごすことが可能です。

そのため、他のキッチンカーと差別化を行うことができます。

ここまで、イタリア料理店がキッチンカーを展開する強みをご紹介いたしました。

今までの店舗運営に、キッチンカーを併用することで、店舗の売上にプラスして、キッチンカーで売上を確保していくことが可能です。

または、店舗運営をキッチンカーでスライドすることで、店舗運営よりも売上を出しやすくすることもできます。

では、キッチンカーを始めるにはどのような流れで進めたらいいでしょうか？

ここからは、キッチンカーを始める流れを確認していきましょう。

イタリア料理をキッチンカーで始める方法

キッチンカーでイタリア料理を始める流れは、おおまかに４つポイントがあります。

それぞれ、詳しく確認していきましょう。

①キッチンカーの営業許可を保健所で取得する

キッチンカーを始める場合、保健所で「営業許可」を取得する必要があります。

以下の流れで取得します。

営業許可の申請は、店舗を運営する場合と異なり、「販売する地域を管理している保健所」で申請・取得を行います。

各都道府県単位ではなく、各市町村または地域にある保健所へ届け出が必要です。

そのため、同じ県でも市町村などが異なる場所で販売する場合、２・３つの営業許可が必要となる場合があります。

「どこで営業するか？」しっかり検討したうえで、準備を進めましょう。

また、営業許可の有効期限は、発行から5年間。
更新も必要となりますので、併せて注意しておきましょう。

例えば、東京都で営業する場合

よって、「どの地域で販売するか」しっかり戦略を立て、営業許可を取得することをおすすめいたします。

【注意１】営業許可の基準は、自治体により異なる場合がある

また、営業許可の取得基準は、自治体によって微妙に異なります。
注意が必要な許可基準は、下記となります。

特に、イタリア料理で開業する場合、給水・排水タンクの容量には注意が必要です。

初期費用を抑えるためにも、キッチンカーの製作前に営業許可を取得したい保健所に事前に確認をしておくといいでしょう。

【注意２】販売するメニューによって、営業許可の種類が異なる

営業許可には、大きく分けて２種類あります。

さらに、それぞれ細かく分類分けもされています。

イタリア料理の場合、飲食店営業に該当します。

ただし、飲み物も販売する場合、喫茶店営業も併せて取得が必要です。（2021年3月現在）

お酒を販売したい場合は、こちらの記事を参照ください。

ここで重要なポイントは、１つ営業許可を取得すれば、どのキッチンカーにも充当できるのではありません。

お気をつけください。

【注意3】営業許可の申請に必要なもの

営業許可の申請に必要な書類も各保健所で異なります。
参考に東京都の場合を記載してみます。

申請書の準備前に各保健所でご確認ください。

※④仕込み場所は、店舗を仕込み場所として設定することが可能です。

ここまで、営業許可の取得方法についてご紹介してきました。

では、その内容を踏まえ、キッチンカーを手に入れるにはどのような方法があるか確認していきましょう。

②キッチンカー・必要な設備を手に入れる

営業許可の基準や必要な準備が掴めたところで、キッチンカーの準備へ取り掛かります。

キッチンカーを手に入れるには、３パターンとなります。

それぞれ、メリット・デメリットを簡単に確認してみましょう。

①新車のキッチンカーを購入するメリット・デメリット

【 メリット 】
・外観を自社ブランドイメージに合わせたキッチンカーに出来る
・オペレーションがしやすい内装に出来る

【  デメリット 】
・初期費用が180万～かかる。（ただし、その後の費用は抑えることが可能）
こちらもご参考ください。

②中古車のキッチンカーを購入するメリット・デメリット

【 メリット 】
・移動販売を始める際の製造費用が軽減できる。
・車内の改装が不要。
・営業する際に必要な器具や看板など、備品の準備のみでよい。
・新車やベース車両を購入し改造する車と比べ、コストパフォーマンスが非常に高い
・新車を購入するよりも迅速なスピードで開業することが可能です。

【 デメリット 】
・車両本体の整備が新車より劣っていること。
・動作確認のみでの販売のため、見た目より劣っている場合もある。
・車両によっては、あたりハズレがある。
・「使用感」が残っていて、自分向きの仕様ではない。

こちらで、詳しくご確認いただけます。

③キッチンカーをレンタルするメリット・デメリット

【 メリット 】
・出店の準備がすぐにできる。
・低コストで経営することが出来る。
・初めての場合色々な設備を調べるためにレンタルすることもできる。

【デメリット】
・キッチンカーのデザインが自由にできない
・細かいところを自分がやりたい仕様にはできない。
・長期でレンタルする場合、購入した方が経費を抑えることが可能。
・キャンセル料が100％かかってしまう。

こちらで、詳しくご確認いただけます。

費用の回収やコスト、キッチンカーを手に入れた後の手間などを考えた場合、新車でキッチンカーを入手されることをおすすめいたします。

また、キッチンカーは、軽トラック・軽バン・普通車バン・1tトラックと種類があります。

キッチンカーの種類を決めるには、「どんなメニューするか」をしっかり決めておく必要があります。

メニューによって、使う調理設備が異なってきます。
調理設備や保健所の許可によって、トラックの大きさも異なってくる可能性がありますので、充分留意しましょう。

簡単にに軽トラック・普通車バン・1tトラックのメリット・デメリットを記載しておきますので、ご参考いただければと思います。

どの方法でキッチンカーを開業するにしても、営業を行う地域の保健所の許可が取れる仕様になっていることが重要です。

そのために、保健所の営業許可の情報に強いキッチンカーの製作会社やキッチンカーのレンタル会社に問い合わせることが大切です。

弊社では、ご希望のキッチンカーの運営方法をお聞きし、その内容に沿うキッチンカーの車種やメニューについて、ご提案させていただいております。お気軽にご相談ください。

ここまで、キッチンカーの選び方と必要な設備について記載してきました。

それでは、キッチンカーでイタリア料理を展開するために、必要な保険も併せて確認していきましょう。

③必要な保険を確認する

キッチンカーで必要になる保険は、自動車保険・PL保険となります。
レンタカーの場合、任意でドライバーズ保険も検討に入れるといいでしょう。

自動車保険（対人・対物賠償、搭乗者・車両保険）

キッチンカーを購入する場合は、入っておく必要がある保険です。
レンタルの場合は、レンタル会社が基本入っておりますので、どの保険でどのような保証かをしっかり確認しておきましょう。

PL保険

万が一食中毒や提供中の事故などが起きてしまった時に使う保険です。

販売場所を提供する会社や地主さんから信頼されるためにも、飲食業であれば必ず入るPL保険には必ず加入するようにしましょう。

保険会社が提供しているPL保険もおすすめですが、公益社団法人日本食育衛生協会が提供している「あんしんフード君・スーパーあんしんフード君」は安価で説明も分かりやすいのでオススメです。

キッチンカーの営業許可を保健所で取得する際、同時に申し込むことができます。

ドライバーズ保険

レンタル会社などからレンタルしたキッチンカーを運転している時に起こしてしまった事故を保証する保険です。

ドライバーズ保険は、任意で自分が入る保険になりますので、心配な方は入っても良いかと思います。

その場合は、一般的な自動車保険にどの会社で入っているか、レンタル会社に聞き同じ会社を検討するのが安くすむ秘訣なので、そのヒアリングも忘れずに行ってください。

最後に、キッチンカーを続ける要となる営業場所を確保する方法についてもご紹介いたします。

④営業場所を確保する

キッチンカーで営業する際に重要となるのが「出店場所」です。

実は、キッチンカーで失敗する要因の１つに「積極的に出店場所を探さなかったこと」が上がってくるほど、継続して運営するには大切な点となります。

下記にキッチンカーで販売できる場所を参考に掲載してます。
アイデアによっては、さらに展開できる場所がでてきます。

ぜひ、「ここでキッチンカーを展開することはできないか？」と常にアンテナを張っていただければと思います。

【 キッチンカーの候補地 】

・タワーマンションや住宅街


コロナの影響で、テレワークなどの生活スタイルが変わり、自宅でご飯を食べる方が増えてきています。
それでも、「本格的なイタリアンが食べたい！」「今日は、手を抜きたい」という隠れユーザーに寄り添うことが可能です。ここで、購入していただいたお客様が、今後店舗に来ていただく可能性もでてきます。
タワーマンションや住宅街の場合は、事前にチラシを各家庭に配っておくことも有効です。

・ビジネス街のランチ

「コロナの影響で、お店の中で食べるのはちょっと抵抗がある・・」そのようなお客様にアプローチすることができます。

テレワークを導入していない地域を狙って出店するといいでしょう。
ただし、道路での営業は警察の取り締まりの対象となります。道路ではなく、ビルのオーナーなどに交渉して駐車場を借りるなどもおすすめいたします。

・スーパーや催事の駐車場

コロナの影響もあり、厳しくはなっていますが、スーパーの駐車場も絶えず人がいる場所のため、選択肢としておすすめいたします。
スーパーによっては、あえてキッチンカーを導入するようになっている店舗もあるようです。
「ここはちょっと・・」と思う場所や、今は出店しているキッチンカーがいない場所もどんどん想像力を膨らませてチャレンジしていくといいでしょう。

・移動販売用の企画
市町村によっては、自治体が主体でキッチンカーに力をいれている地域もあります。
また、マルシェなどでは、移動販売車が沢山集まるイベントも増えてきています。そのような場所にイタリア料理で参加の交渉をしていくのもいいかもしれません。

本格的なイタリア料理だからこそ、出店した際は、「出張キッチンカーとして、予約を受付しています」と、ご案内して営業をしておくと次に繋がる展開を確保できます。

そのために、出店の際チラシの配布、TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSの活用も行っておくといいでしょう。

なお、その他にキッチンカーを出店した際、他のキッチンカーの方と仲良くしておくことで、出店場所を見つけることも可能です。

以上、営業場所を確保する方法をご紹介いたしました。

こちらの記事もぜひご参考ください。
コロナの影響でキッチンカーの需要は 下がるのか？上がるのか？

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キッチンカーの導入には、キッチンカーの購入から保健所への申請まで幅広く対応が必要です。

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