まだまだ続く新型コロナウイルスの影響により、
と考えられている和食料理の経営者の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
「少しでも以前のようにお客様のそばで、売上を上げる方法はないのか・・?」
そのような思いを持たれている方に、「キッチンカー(移動販売車)」の活用をおすすめいたします。
キッチンカーといえば、「クレープ」や「カレー」をイメージされるかもしれません。
しかし、新型コロナウイルスの影響もあり、店舗の運営がメインだった「大手企業」や「ホテル」などが、新たな事業として、キッチンカー導入の流れが生まれています。
キッチンカーを取り入れることで、店舗に来られていたお客様の元へ、こちらから伺うことができるからです。
また、今までの店舗運営を応用することで、より売上を確保することが可能です。
では、どのように経験を活かし、キッチンカーを取り入れていくといいのでしょうか?
この記事では、
2.キッチンカーで和食料理を始める方法
について、まとめています。
ぜひご参考いただけると幸いです。
目次
和食料理店がキッチンカーをするメリット
和食料理店がキッチンカーをするメリットは、大きく3つあります。
・・売上を稼ぎやすい。
②本格的な和食料理を提供できる。
・・他のキッチンカーと差別化をしやすい。
③出張キッチンカーでコースのようなメニューが提供できる。
・・予約をいただいて準備をすることが出来るため、ロスが出にくい。
・・既存のお客様の元へも伺えます。
①高単価でメニューが出せる
通常、キッチンカーで提供するメニュー単価は、「700円前後」が主流です。
そのため、1000円以上のメニューを出した場合、「高い」イメージがつき、なかなか購入に繋がりません。
しかし、お店を構えて和食料理を運営している場合、900円~1200円の価格でメニューを作り販売したとしても、お客様にご購入いただくことが可能です。
高めの価格で販売する場合、「料理長こだわり」「長年愛されている味」のようなキャッチフレーズを用いて、お店のこだわりをしっかり打ち出すことがポイントです。
その結果、他のキッチンカーにない「特別感」や「レア感」をお客様へ持っていただくことができます。
②本格的な和食料理を提供できる
料理にこだわりがあるお客様の中には、
そのお客様の想いをくみ取れるのが、店舗で運営をしてきた和食料理が出すキッチンカーです。
「お客様の近くまで」本格的な料理を、住宅街やお店まで足を運べないご年配の方へもお届けする事ができます。
また、テイクアウトで提供出来ないメニューもキッチンカーだと、メニュー化することができ、よりお客様へお店の味を召し上がっていただくことが可能となります。
③出張キッチンカーでコースのようなメニューを提供できる
キッチンカーは、出張キッチンカーとして、今までお店に来られていた常連のお客様の元へ伺うことができます。
家族との大切な行事をご家庭で行う方から、会社での集まり・ホームパーティーなど、幅広いシーンで、キッチンカーを活用できます。
お客様の自宅などへ伺う場合、ご要望いただいたメニューやお店側が考えたコースのようなメニューの提供もできます。
事前にご予約いただき販売となるため、お店側も仕込みの量をしっかり把握でききます。
その結果、ロスがなく対応できる点もメリットです。
また、テイクアウト用の容器ではなく、通常のお皿やコップでおもてなしすることもできます。
特別な時間のためにお客様のご自宅や開催場所に行き、ご要望に合わせたメニュー展開も対応できるキッチンカーは、お客様にも喜んでいただけることでしょう。
ここまで、和食料理店がキッチンカーを展開する強みをご紹介いたしました。
今までの店舗運営と併せてキッチンカーを活用することで、売上を確保していくことができると、想像いただけたのではないでしょうか?
では、実際キッチンカーを始めるにはどのような流れで進めたらいいのでしょうか?
ここからは、キッチンカーを始める流れを確認していきましょう。
和食料理店をキッチンカーで始める方法
キッチンカーで和食料理を始める流れは、おおまかに4つポイントがあります。
②キッチンカーと必要な設備を手に入れる。
③必要な保険を確認する。
④営業場所を確保する。
それぞれ留意点がありますので、詳しく確認していきましょう。
①キッチンカーの営業許可を保健所で取得する
キッチンカーを始める場合、保健所で「営業許可」を取得する必要があります。
以下の流れで取得します。
(商材・出店場所・キッチンカーの設計図を元に担当者と打ち合わせ)
・申請書類に記入
(記入方法がわからない場合は保健所の担当者に確認)して申請書提出
・キッチンカー入手後、施設検査の日程調整
・キッチンカーを保健所に持ち込み施設検査の実施
(指摘事項を受けた場合には改善して後日再検査を実施)
・許可証の交付
営業許可の申請は、店舗を運営する場合と異なり、「販売する地域を管理している保健所」で申請・取得を行います。
各都道府県単位で申請をするのではなく、各市町村または地域にある保健所へ届け出が必要です。
そのため、同じ県でも市町村などが異なる場所で販売する場合、2・3つの営業許可が必要となる場合があります。
「どこで販売するか?」しっかり検討したうえで、準備を進めましょう。
営業許可の有効期限は、発行から5年間で、更新が必要となります。
・主な営業地域が大阪市の場合
⇒各区の保健所へ申請
・堺市で営業する場合
⇒堺市地域の保健所に申請をします。
※販売する地域が大阪市・堺市の場合、2つの保健所で営業許可が必要です。
大阪府すべての地域でキッチンカーの販売できるようにと考えた場合、9箇所で許可が必要となります。
よって、「どの地域で販売するか」しっかり戦略を立て、営業許可を取得することをおすすめいたします。
【注意1】営業許可の基準は、自治体により異なる場合がある
営業許可の取得基準は、自治体によって微妙に異なります。
おもに注意が必要な点は、下記の8項目です。
・給水・排水タンクの設置され容量は充分であるか
・シンクの数は充分であるか
・収納ケースや棚の設置は充分であるか
・石鹸は常時、清潔さを保てる状態であるか
・換気はしっかり考慮されているか
・冷蔵庫・冷凍庫の設置
・ゴミ箱の設置
特に、キッチンカーで開業する際、給水・排水タンクの容量には注意が必要です。
〇タンク容量
・40リットル以上・・喫茶店営業
(多量の水は使わない・容器は使い捨て・商材は単一品目)
・80リットル以上・・飲食店営業
(多量の水は使わない・容器は使い捨て・商材は複数品目)
・200リットル以上・・上記以外
(上記は東京都の場合ですが、横浜だと軽自動車はタンク容量にかかわらず単一品目のみなど保健所によって基準が違います。)
初期費用を抑えるためにも、キッチンカーの製作前に営業許可を取得したい保健所に事前に確認をしておくといいでしょう。
【注意2】販売するメニューによって、営業許可の種類が異なる
営業許可には、大きく分けて2種類あります。
⇒自動車に施設を設け、車内で調理、加工および販売する形態。生ものは提供できない。
・食品移動自動車(販売業)
⇒自動車に施設を設け移動して食品を販売する形態。
さらに、それぞれ細かく分類分けがされています。
和食料理店の場合、営業許可は「飲食店営業」に該当します。
しかし、飲食店営業を取得を行ったら、すべて販売できるのではありません。
お刺身など生ものを検討されている場合は、管轄の保健所によって許可が出る場合と出ない場合があります。
お刺身など予定されている場合、保健所へ事前に確認されておくことをおすすめいたします。
また、飲料の販売も併せて行う際は、喫茶店営業も併せて取得が必要です。(2021年4月現在)
さらに、お酒を販売したい場合は、こちらの記事を参照ください。
営業許可の取得の際、1つ営業許可は1台のキッチンカーのみで使用となります。2・3台に使い回しが出来ませんので、お気をつけください。
この期間の前後にキッチンカーをされる場合は、注意が必要です。
参考リンク:2021年6月に施行されるキッチンカーでの保健所の営業許可・食品衛生法の詳細と対策
【注意3】営業許可の申請に必要なもの
営業許可の申請に必要な書類も各保健所で異なります。
作成前に営業許可の取得を希望する保健所で確認をしておきましょう。
例として、東京都の場合を記載ております。ご参照ください。
①営業許可申請書
②営業設備の大要・配置図
③営業の大要
④仕込場所の営業許可書の写し(営業許可がある場合)
⑤許可申請手数料
⑥登記事項証明書(法人のみ)
⑦食品衛生責任者の資格を証明するもの(食品衛生責任者手帳等)
※④仕込み場所は、店舗を仕込み場所として設定することが可能です。別途、仕込み場所の準備は不要です。
ここまで、営業許可の取得方法についてご紹介してきました。
では、その内容を踏まえ、キッチンカーを手に入れる方法、和食料理店をキッチンカーで始める方法にはどのような設備が必要か併せて確認しておきましょう。
キッチンカーと必要な設備を準備する
営業許可の基準や必要な準備ができた後は、キッチンカーの準備となります。
キッチンカーを手に入れる方法は、
②中古車のキッチンカーを購入する
③キッチンカーをレンタルする
となります。
それぞれ、メリット・デメリットを簡単に確認してみましょう。
①新車のキッチンカーを購入するメリット・デメリット
【 メリット 】
・外観を自社ブランドイメージに合わせたキッチンカーに出来る
・オペレーションがしやすい内装に出来る
【 デメリット 】
・初期費用が180万~かかる。(ただし、その後の費用は抑えることが可能)
こちらもご参考ください。
②中古車のキッチンカーを購入するメリット・デメリット
【 メリット 】
・移動販売を始める際の製造費用が軽減できる。
・車内の改装が不要。
・営業する際に必要な器具や看板など、備品の準備のみでよい。
・新車やベース車両を購入し改造する車と比べ、コストパフォーマンスが非常に高い
・新車を購入するよりも迅速なスピードで開業することが可能です。
【 デメリット 】
・車両本体の整備が新車より劣っていること。
・動作確認のみでの販売のため、見た目より劣っている場合もある。
・車両によっては、あたりハズレがある。
・「使用感」が残っていて、自分向きの仕様ではない。
こちらで、詳しくご確認いただけます。
③キッチンカーをレンタルするメリット・デメリット
【 メリット 】
・出店の準備がすぐにできる。
・低コストで経営することが出来る。
・初めての場合色々な設備を調べるためにレンタルすることもできる。
【デメリット】
・キッチンカーのデザインが自由にできない
・細かいところを自分がやりたい仕様にはできない。
・長期でレンタルする場合、購入した方が経費を抑えることが可能。
・キャンセル料が100%かかってしまう。
こちらで、詳しくご確認いただけます。
費用の回収やコスト、キッチンカーを手に入れた後の手間などを考えた場合、新車でキッチンカーを入手されることをおすすめいたします。
キッチンカーの種類を決めるには、「どんなメニューするか」をしっかり決めておく必要があります。
・天ぷらなどがメインの場合は、フライヤーを何個置くのか。
・お寿司など海鮮ものを扱う場合は、冷凍冷蔵庫の大きさをどうするか。
・丼ぶりメインにするのであれば、焼き台の大きさをどうするか。
・蕎麦やうどんをメインにするのであれば、茹で麺機の準備
・お酒を扱うのであれば、どのような対応をするかなど・・
メニューによって、メインでおく調理設備が異なってきます。
また、調理設備や保健所の許可によって、トラックの大きさも異なってくる可能性がありますので、充分留意しましょう。
簡単に軽トラック・普通車バン・1tトラックのメリット・デメリットを記載しておきますので、ご参考いただければと思います。
軽トラックのメリット・デメリット
【メリット】
・窓が大きいので提供がしやすい。
・車両の維持費やメンテナンス費用のコストを抑えれる。
・駐車しやすいので、狭い場所でも出店できる。
【デメリット】
・調理設備にこだわると狭い可能性がある。
・荷台にキッチン部分を追加する必要があるため、車代に別途費用が必要。
普通バンのメリット・デメリット
【メリット】
・製作費があまりかからない。
・車内が広いので2・3人乗ることが可能。
【デメリット】
・天井が高くないので、座った状態での調理となる。
・長時間営業の場合、腰やひざに負担がかかる。
・軽自動車より、車両の維持やメンテナンス費用が掛かる。
1tトラックのメリット・デメリット
【メリット】
・荷台に搭載したキッチンを立ったまま調理することができる
・走行性能が高いので、広いエリアで出店が可能
・車体に貼った店名が読みやすくなるので、ラッピングデザインの宣伝広告の効果が高くなります。
【デメリット】
・キッチンカー製作費用が高くなる。
・スペースによっては、出店場所が限られる。
どの方法でキッチンカーを開業するにしても、営業を行う地域の保健所の許可が取れる仕様になっていることが重要です。
そのために、保健所の営業許可の情報に強いキッチンカーの製作会社やキッチンカーのレンタル会社に問い合わせることが大切です。
ここまで、キッチンカーの選び方と必要な設備について記載してきました。
それでは、キッチンカーで和食料理を展開するために、必要な保険も併せて確認していきましょう。
必要な保険を確認する
キッチンカーで必要になる保険は、自動車保険・PL保険となります。
レンタカーの場合、任意でドライバーズ保険も検討に入れるといいでしょう。
自動車保険(対人・対物賠償、搭乗者・車両保険)
キッチンカーを購入する場合は、入っておく必要がある保険です。
レンタルの場合は、レンタル会社が基本入っておりますので、どの保険でどのような保証かをしっかり確認しておきましょう。
PL保険
万が一食中毒や提供中の事故などが起きてしまった時に使う保険です。
販売場所を提供する会社や地主さんから信頼されるためにも、飲食業であれば必ず入るPL保険には必ず加入するようにしましょう。
保険会社が提供しているPL保険もおすすめですが、公益社団法人日本食育衛生協会が提供している「あんしんフード君・スーパーあんしんフード君」は安価で説明も分かりやすいのでオススメです。
キッチンカーの営業許可を保健所で取得する際、同時に申し込むことができます。
ドライバーズ保険
レンタル会社などからレンタルしたキッチンカーを運転している時に起こしてしまった事故を保証する保険です。
ドライバーズ保険は、任意で自分が入る保険になりますので、心配な方は入っても良いかと思います。
その場合は、一般的な自動車保険にどの会社で入っているか、レンタル会社に聞き同じ会社を検討するのが安くすむ秘訣なので、そのヒアリングも忘れずに行ってください。
最後に、キッチンカーを続ける要となる営業場所を確保する方法についてもご紹介いたします。
営業場所を確保する
キッチンカーで営業する際に重要となるのが「出店場所」です。
実は、キッチンカーで失敗する要因の1つに「積極的に出店場所を探さなかったこと」が上がってくるほど、継続して運営するには大切な点となります。
下記にキッチンカーで販売できる場所を参考に掲載してます。
アイデアによっては、さらに展開できる場所がでてきます。
ぜひ、「ここでキッチンカーを展開することはできないか?」と常にアンテナを張っていただければと思います。
【 キッチンカーの候補地 】
・タワーマンションや住宅街
コロナの影響で、テレワークなどの生活スタイルが変わり、自宅でご飯を食べる方が増えてきています。
それでも、「本格的な和食料理が食べたい!」「今日は、手を抜きたい」という隠れユーザーに寄り添うことが可能です。ここで、購入していただいたお客様が、今後店舗に来店いただける可能性もでてきます。
タワーマンションや住宅街の場合は、事前にチラシを各家庭に配っておくことも有効です。
・ビジネス街のランチ
「コロナの影響で、お店の中で食べるのはちょっと抵抗がある・・」そのようなお客様にアプローチすることができます。テレワークを導入していない地域を狙って出店するといいでしょう。
ただし、道路での営業は警察の取り締まりの対象となります。道路ではなく、ビルのオーナーなどに交渉して駐車場を借りるなどもおすすめいたします。
・スーパーや催事の駐車場
コロナの影響もあり、厳しくはなっていますが、スーパーの駐車場も絶えず人がいる場所のため、選択肢としておすすめいたします。
スーパーによっては、あえてキッチンカーを導入するようになっている店舗もあるようです。
「ここはちょっと・・」と思う場所、今は出店しているキッチンカーがいない場所も、どんどん想像力を膨らませてチャレンジしていくといいでしょう。
最近は、雑貨屋さんや車屋さんなど色々な業種の駐車場や空きスペースでもキッチンカーを活用されることが増えているようです。
・キッチンカー(移動販売車)用の企画
地域によっては、自治体が主体でキッチンカーに力をいれている市町村もあります。
最近では、大手のチェーン店が自治体の企画を活用し、公園等でキッチンカーの社会実験を行っているようです。
また、マルシェなど、移動販売車が沢山集まるイベントも増えてきています。
このような場所に本格的な和食料理で参加の交渉をしていくのも、おすすめです。
出店した際、「出張キッチンカーとして予約を受付しています」とご案内して営業をしておくと次に繋がる展開を確保できます。
そのために、出店の際チラシの配布、TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSの活用も有効です。
また、既存のお客様の顧客情報を管理されている場合、ダイレクトメールやメールなどでご案内をお送りするのもいいでしょう。
なお、その他にキッチンカーを出店した際に他のキッチンカーの方と仲良くしておくことで、出店場所を入手することも可能です。
以上、営業場所を確保する方法をご紹介いたしました。
コロナの影響でキッチンカーの需要は 下がるのか?上がるのか?
和食料理店の営業にキッチンカーを導入予定のご担当者様へ
「少しでも早く導入したい!」
「経験がしっかりある会社にお願いしたい!」
そんな想いで、キッチンカー導入を検討されている方のご相談を随時、フードカンパニーでは、承っています。
フードカンパニーでは、
①貴社に変わり、保健所や警察署など情報収集を徹底的に行い質の高い情報提供
②大手企業や行政を中心に年間1000件以上の方に開業支援
③開業時に関わってくる車両・暖房・食品仕入れ関連会社との連携
の特徴を生かし、キッチンカーの開業コンサルをさせていただいています。
貴社の今後の発展手段の1つとして、キッチンカーをご検討いただければと思います。
こちらからお問い合わせいただけます。