キッチンカーで綿あめを販売しようと考えている方のために、その長所や短所、成功事例といった有益な情報をまとめました。ぜひ、ご一読してみてください。
目次
キッチンカーで綿あめ(綿菓子)を売るメリットとデメリット
キッチンカーで綿あめを売る際のメリットは、初期費用を抑えることができる点です。
サイズにもよりますが、綿あめを作る機械の値段はおおむね20万円以下。たこ焼きやフライドポテトなど調理が必要な商品に比べると、安い資金で開業まで進められます。生ものを管理する冷蔵設備や広い調理スペースも必要ありません。
小型のキッチンカーで営業でき、車両代も抑えられます。
ターゲットが明確なため、出店場所が絞りやすい点も長所となります。綿あめの場合、メインターゲットは子ども、もしくは家族連れなので、どこに、どんなイベントに出店すればいいのか、が考えやすくなります。そのため、ターゲティングに費やす時間と労力を、味を開発したりキッチンカーのデザインを考えたりすることに回せます。
原価が安い、つまり、利益率が高いという点も非常に大きな魅力です。目安としてはザラメが1キロあれば、約50人分の綿あめを作ることができます。1キロのザラメは高くて約1500円なので、1本の原価は30円です。これを例えば300円で販売すると、10倍の利益率になるということです。1000円のザラメだと、綿あめ1本の原価は20円。400円で提供した場合、利益率は20倍です。
デメリットは、天候の影響を受けるということです。綿あめは、湿度が高い環境でしぼみやすくなります。そうなると魅力である、フワフワとした見た目と大きさを失い、売り上げに響いてしまいます。
キッチンカーで綿あめ(綿菓子)を販売するまでの流れ
まずは、商品の質を高めることが最優先です。焦って出店しても、消費者の満足度を下げるだけです。そうなると口コミも広がらない上、リピーターにもなってくれません。
味を確立した後は、どこに出店するかを決めます。これについては、後述する「綿あめが売れやすい季節と場所」を参考にしてください。
出店ポイントが決まれば、その場所にある保健所に営業許可について相談しましょう。許可が下りるかどうかの基準は、自治体で違います。それを確認せずにキッチンカーやその設備を揃えてしまうと、不必要なものを買ってします可能性があり、無駄な出費に繋がります。まずは、担当者からキッチンカーで綿あめを販売する際に必要な設備や広さについて聞きましょう。衛生管理の観点から、特に排水、給水タンクの有無や大きさは傾聴する必要があります。
綿あめ(綿菓子)をキッチンカーで売るための営業許可の種類
保健所によって分類や名称は異なりますが、綿あめを作って販売する際は、調理営業の菓子製造業という営業許可が必要です。あらかじめ作った綿あめをキッチンカーで販売するなら、販売業の食料品等販売業という許可を取得しましょう。
ただ、綿あめは簡易な加工で提供できる食品なので、そもそも営業許可が必要ないケースもあります。前述しましたが、出店する場所を管轄する保健所に必ず確認しましょう。
綿あめ(綿菓子)が売れやすい季節と場所
綿あめは、かき氷やおでんなどのように季節を連想させる食べ物ではありません。
オールシーズン対応できるので、出店場所に重きを置いてキッチンカーで販売に取り組みましょう。
メリットでも触れた通り、綿あめのターゲットは子ども、もしくは家族連れなので、売れやすい場所は、子どもがたくさん集まる場所です。
具体的には、大型ショッピングセンターや祭りの会場、スポーツ大会が開かれている体育館、公園、遊園地などです。後で紹介する事例では、ショッピングセンターの駐車場に出店している方が多いです。
冬はスポーツ大会の開催頻度が落ち、公園を利用する子どもも時間も減ってしまいます。しかし、イルミネーションがきれいな観光名所での出店は、売り上げ増加の可能性を秘めています。
イルミネーションが有名な施設では近年、棒が光る綿あめを売り出しています。そうすることで、綿あめを「お菓子」から「思い出の品」や「インスタ映えのアイテム」に変化させ、子どものみならずカップルや女性客にも届けることに成功しています。参考にしてみてください。
綿あめ(綿菓子)の販売でおすすめするキッチンカーの車種
綿あめを作る際に広々としたスペースは必要ありません。
綿あめだけを販売するキッチンカーにするのであれば、軽自動車がおすすめです。普通車に比べ、本体価格と車検などの維持費が抑えられるからです。中でも、ワンボックスタイプの軽バンが最適です。軽トラックの場合、荷台にキッチン設備を取り付けなければならず、その分の費用が掛かるためです。ただ、軽トラックの魅力は2人で作業できるほどの広さです。綿あめを販売する人数とキッチンカーに掛かる費用を考慮し、車種を選択してみましょう。
綿あめ(綿菓子)を作るために必要なキッチンカーの厨房設備
どうアレンジするかにもよりますが、一般的な綿あめであれば、作るのに必要な設備は綿あめを作る機械だけです。その他の設備では、機械に電気を供給する発電機もそろえた方が出店場所の幅が広がります。ポータブル電源で代替するという方法もあります。しかし、電力容量と発電可能時間の問題があるので、購入の際の確認が必須です。発電機の方が高価ですが、初期費用が抑えられるので販路拡大のために購入しても問題ない機材です。
綿あめ(綿菓子)の材料を安く仕入れる方法
メリットで説明した通り、原価が安いことが綿あめの魅力です。1番大切な材料であるザラメでも、手が届かないほど高価な商品ではありません。ザラメは味に直結する素材なので、納得いくものを採用しましょう。その分、綿あめを入れるカップや袋などの物品を安く仕入れて、利益を最大化するのがベターです。
綿あめ(綿菓子)の販売で成功しているキッチンカーの紹介とその施策
ここからは、綿あめの販売で成功しているキッチンカーとその取り組みを紹介します。
銀平・山形農園
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本業としてお茶を栽培する傍ら、フルーツ味のレインボー綿あめをキッチンカーで販売しています。レインボーにちなんだカラフルなバナーやぬいぐるみを使い、目を引く外観に仕上げています。ジャスミンティーなどに綿あめを添えた飲み物も提供しています。
barbe de papa(バルブデパパ)
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埼玉や東京で活動している綿あめ専門のキッチンカーです。フルーツの風味や酸味を活かした数種類を販売しています。鞄に入れて持ち帰ることができるよう、2パターンのテイクアウト容器も用意しています。四国で生産される丸いアラレの一つ「おいり」でカラフルさとかわいらしさを演出。複数のフレーバーを取りそろえており、消費者を飽きさせない工夫をされています。
CANDYAMEKICHI
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富山県や石川県など北陸地方で営業しています。大型ショッピングセンターの駐車場にも出店しています。時間は午前10時から午後7時がメインです。キャラクター綿あめが子どもからの支持を得ています。バレンタインデーの時期には、チョコをふんだんに使った商品が人気を集めています。
ソフクルキッチン
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山口県防府市でカップ入りの綿あめを販売しています。価格は350円。イチゴやマンゴー、メロン、レモンといったフルーツ系のほか、コーラとソーダ味を揃えています。調理師免許を取得されており、消費者に信頼と安心感を与えて営業しています。