「公園でキッチンカーを見かけることがあるけど、自分でも出店できるのかな?」
「キッチンカーを公園で出店するのに許可は必要?必要なら誰から許可をもらったらいいの?」
「公園でのキッチンカー出店許可取得に必要な書類って何?」
こんな疑問を持っていませんか?
その気持ちはよく分かります。なぜなら、私自身も公園にキッチンカーが出店している様子を見て、特に誰も管理している様子がないから勝手に出店できるのかな?さすがに誰かに許可をもらっているんだろうけど、誰が許可を出しているんだろう?と疑問を感じたことがあるからです。
この記事は、飲食業の経験0(ゼロ)からキッチンカーを開業した経験がある私が、公園でのキッチンカー出店許可制度について、実際に市役所などに電話して聞き取りして分かったネットにはない情報も交えて解説します。
この記事では、
- キッチンカー出店を募集している公園の探し方
- 公園への出店許可を得る方法
- 公園でキッチンカーを出店するなら知っておくべき基礎知識
- 公園に出店するときのおすすめメニュー
をお伝えします。
ネット上ではバラバラになっている公園でのキッチンカー出店に関する情報を、公園管理者に直接聞いて初めて分かった情報と一緒にキッチンカー運営経験者の視点でまとめたので、ぜひ最後までお読みください。
キッチンカーの出店を募集する公園の探し方
公園にキッチンカーを出店するためには、出店者を募集している公園を探し、その公園の管理者から出店許可を取得する必要があります。公園へのキッチンカー出店者を募集している地方自治体の探し方と実際に募集している8自治体の情報を紹介します。
公園への出店者を募集する地方自治体を探す
公園へのキッチンカー出店のためには、最初にキッチンカー出店者を募集している公園の管理者を見つけなければなりません。一般的に公園を管理するのは地方自治体なので、公園へのキッチンカー出店を募集している地方自治体の情報を探します。情報はgoogle検索で探すのが基本で、「(地域名) 公園 キッチンカー 出店」「(公園名)キッチンカー 出店」と検索すれば、必要な情報が見つかるでしょう。
希望している地域の公園でキッチンカー出店者を募集していることが分かれば、あとはそのページの記載内容に基づいて手続きを進めます。地域によっては募集期間が決められている場合があるので注意が必要です。
例えば東京都内の複数の公園でのキッチンカー出店を管理する「公益財団法人東京都公園協会」の場合は、年1回の募集で次年度1年間の出店者登録を完了します。同様に東京都町田市の場合は、公園へのキッチンカー出店者の登録申請は年2回(2月、8月頃)です。反対に千葉県市川市のように公園へのキッチンカー出店者の登録を随時行っている自治体もあります。
地方自治体の公園での出店者募集情報を紹介します
公園でキッチンカーを出店する場合には、公園管理者から出店許可を取得することが必要です。公園によって、都道府県(および外郭団体)が管理する場合と市町村が管理する場合があります。また、出店許可を得るための申請期間が決まっている場合と随時申請可能な場合があります。
さらにキッチンカーの出店料は出店場所によって「定額制」「歩合制」の両方があり、中には東京都町田市のように出店にかかる費用が0円の地域もあります。実際に公園へのキッチンカー出店者を募集している8地域を直接電話で聞き取りした内容も含めて紹介します。
公益財団法人 東京都公園協会 (東京都内23カ所)
東京都内の都立公園を管理する「公益財団法人 東京都公園協会」の「都立公園キッチンカー(移動販売車)出店事業者」に選定されると、同協会が管理する葛西臨海公園・駒沢オリンピック公園・代々木公園など都内23カ所の公園でのキッチンカー出店が可能になります。
キッチンカー出店事業者の選定は1年に1回のみ実施され、審査に合格すると1年間の出店が可能になります。2023年度(契約期間:2023年3月1日~2024年2月29日)の場合は、以下のスケジュールで募集されました。
- 2022年10月24日~11月16日:東京都公園協会のホームページにて募集要項を配布
- 2022年11月16日:申込期限
- 2022年11月中旬~下旬:審査
- 2022年12月上旬~中旬:審査結果の通知
都立公園に出店できるのは、原則として土日祝日などの繁忙日で、出店日の約2カ月前に東京都公園協会から出店依頼が来ます。東京都公園協会と協議の上、最終的な出店日・販売メニューが決定します。営業時間は原則として、午前9時~午後4時30分です。出店料は「歩合制」となっており、売上金額(税込)の20%です。
【参考1】2022年度 都立公園キッチンカー出店事業者10/24(月)募集スタート!|NEWSCAST
【参考2】2022 年度 都立公園キッチンカー(移動販売車)出店事業者 募集要項 |NEWSCAST
神奈川県横浜市(横浜動物の森公園(里山ガーデン)・大通り公園)
神奈川県横浜市では、市内2カ所の公園(横浜動物の森公園(里山ガーデン)・大通り公園)でのキッチンカー出店が横浜市公式サイトでの募集を経て実施されています。それぞれの公園ごとに別案件として募集が行われました。
横浜動物の森公園(横浜市旭区・緑区)では、2022年6月29日にキッチンカーの出店を許可された事業者が決定し、第1期:2022年7月16日~9月4日、第2期:2022年11月1日~30日の期間に出店されました。
1年に1回しか募集がないので、横浜動物の森公園でのキッチンカー出店を考えているなら、募集状況について随時確認が欠かせません。
2022年度については、キッチンカー出店を申し込んだ8件のうち7件が許可を得られたので、募集要項の内容に沿って申し込みができれば、出店許可を得ることは難しくないでしょう。記事を執筆している2023年3月19日時点では、横浜市公式サイトによると、2023年度も継続してキッチンカー出店事業者を募集する予定です。
大通り公園(横浜市中区)では、2023年2月27日にキッチンカー出店を認められた事業者が決定し、第1期:2023年4月1日~5月31日(5月28日を除く)、第2期:2023年6月1日~7月31日、第3期:2023年9月1日~10月31日の日程で出店されます。
出店者の募集が1年に1回のみなので、募集状況については随時情報を確認する必要があります。2023年度については、申し込みした24件のうち23件が大通り公園でのキッチンカーの出店を許可されました。募集要項に沿って申し込みすれば、出店許可を得ることは難しくないでしょう。
横浜動物の森公園と大通り公園のいずれも1日の営業時間は9時30分~16時30分(準備・撤収を含む)で、出店料(公園使用料)は1日:1千200円です。土日祝日を中心に人通りがかなり多い公園にもかかわらず、この価格で出店できるのは、キッチンカー経営を考えるとかなり有利なので、積極的に出店したい場所です。
【参考1】キッチンカーによる飲食物販売事業者の募集【横浜動物の森公園(里山ガーデン)】(公募型行為許可の試行実施)|横浜市公式サイト
【参考2】キッチンカーによる飲食物販売事業者の募集【大通り公園】(公募型行為許可の試行実施)|横浜市公式サイト
東京都世田谷区(世田谷区内14カ所)
東京都世田谷区では、区役所で必要な手続きをすると公園をはじめとする世田谷区内14カ所でのキッチンカー出店が可能になります。キッチンカーを出店できるのは、世田谷公園・二子玉川公園・玉川野毛町公園などの公園に加えて、世田谷区役所本庁舎・喜多見まちづくりセンター・世田谷区立教育総合センターなどの庁舎も含まれています。
キッチンカーを出店できる場所に多様性があるので、客層・来店日時に合わせてさまざまなメニュー展開が可能です。2023年3月の各公園・庁舎でのキッチンカー出店予定を見ると、公園での出店は土日祝日に集中し、区役所本庁舎での出店は平日のランチタイムのみとなっています。
世田谷公園のみ「世田谷区 みどり33推進担当部 公園緑地課」で出店許可を得るための手続きを行い、その他の13カ所は「世田谷区 経済産業部 産業連携交流推進課」で手続きを行います。
【参考1】公園にキッチンカー(移動販売車)が出店しています|世田谷区公式サイト
【参考2】区有地でキッチンカー等の移動販売を実施しています!|世田谷区公式サイト
東京都杉並区(杉並区内7カ所)
東京都杉並区では、区役所で必要な手続きをして、キッチンカーの出店許可を得られると、区内7カ所の公園(井草森公園、下高井戸おおぞら公園、桃井原っぱ公園など)での出店が可能になります。出店時間は午前10時~午後4時30分で、各公園とも土日祝日の出店がほとんどです。
公園でのキッチンカー出店事業者の募集は1年に1回のみで、2023年度(出店期間:2023年4月1日~2024年3月31日)の受付期間は2023年1月13日~3月10日でした。募集要項の内容に沿って、必要書類を準備し、杉並区都市整備部みどり公園課管理係への窓口提出が必要でした。
【参考】移動販売車(キッチンカー)の出店者を募集します|杉並区民ニュース
東京都江戸川区(江戸川区内12カ所)
東京都江戸川区では、キッチンカー事業者に登録されると区内12カ所(行船公園、小松川千本桜、新左近川親水公園など)での出店が許可されます。登録申請は随時行っているので、キッチンカーの開業準備が整ったらすぐに申請が可能です。
実際にキッチンカーを出店する際には、出店予定日の前月中旬までに出店希望日・出店希望場所を江戸川区に提出します。その後、江戸川区が過去の販売実績・メニューなどを考慮して、出店するキッチンカーを決定します。
どの公園でも出店時間は午前10時~午後4時です。江戸川区公式サイトでキッチンカー出店予定を確認すると、ほとんどの出店日が土日祝日で、特に行船公園と小松川千本桜での出店が多くなっています。出店料は「定額制」で1日:4千50円です。
【参考】キッチンカー(移動販売車)事業者の募集について|江戸川区公式サイト
東京都町田市(市内8カ所)
東京都町田市のキッチンカー出店者登録が完了すると市内8カ所の公園(芹ヶ谷公園、つくし野セントラルパーク、薬師池公園など)への出店が可能となります。出店するためには「登録申請手続き」と「出店手続き」が必要です。
登録申請期間は1年に2回(2月、8月頃)実施予定なので、申請期間を見逃さないよう注意が必要です。2023年2月の審査では、2月8日~28日が登録申請受付期間で3月7日頃に審査結果が通知されました。この審査で合格すると2023年4月8日~2024年3月31日の出店が許可されます。
実際のキッチンカー出店日は各登録者が提出した出店日程表を基に町田市の方で調整し、出店場所・日時が出店者へのメールおよび町田市ホームページで公表されます。
営業時間は原則午前10時~午後4時(7月1日~9月30日までは、午前10時~午後6時まで)です。出店料は無料となっているので、町田市近郊を活動拠点としているなら、ぜひとも出店を検討したいところです。
【参考】2023年度町田市内の公園でキッチンカー等の出店者を募集します!|町田市公式ホームページ
公益財団法人 埼玉県公園緑地協会(埼玉県内18カ所)
埼玉県公園緑地協会のキッチンカー登録審査に合格すると、同協会が管理する埼玉県内18カ所の公園(埼玉スタジアム2002公園、熊谷スポーツ文化公園、こども動物自然公園、上尾運動公園(さいたま水上公園)、戸田公園など)への出店が可能です。
登録審査は1年に1回しかないので注意が必要です。原則、前年度中に登録審査を実施し、合格すると翌年度(4月)から出店ができます。大まかなスケジュールは、1月頃に登録審査申込書類を配布し、2~3月で書類受付・審査・審査結果通知・契約、4月1日から出店開始となります。
応募には飲食業での3年以上の優良な経営実績が必要なので、キッチンカー開業直後では出店は難しいかもしれません。出店日は出店者の希望を聞いた上で公園管理事務所とスケジュールを調整して決定します。
【参考】公園でケータリングカーを出店できますか?|埼玉県公園緑地協会公式サイト
千葉県市川市(市内5カ所)
千葉県市川市では市役所で「キッチンカー事業者登録」が完了すると、大洲防災公園・里見公園・行徳中央公園・駅前公園・広尾防災公園の市内5カ所の公園でキッチンカーを出店できます。事業者登録は随時受け付けているので、思い立ったらすぐに登録手続きが可能です。
実際にキッチンカーを出店する際には、出店予定日の2か月前から2週間前の間に、市川市役所への「都市公園制限行為許可申請書」の提出が必要です。1日あたり1つの公園で3台までのキッチンカー出店が認められ、先着順での受付になります。
市川市役所に電話で確認したところ、申し込み開始日で3台の枠が埋まることはほぼないとのことでしたが、土日は3台の枠が埋まることも珍しくないそうなので、早目の行動が必要です。また、5カ所の中でも、「大洲防災公園」へのキッチンカー出店が一番多いとのことでした。
キッチンカー1台につき25平方メートルの出店場所が与えられ、出店料は1日:1千125円(税別)と非常に少ない費用での出店が可能です。営業時間は午前10時から午後4時まで(午前9時から午後5時まで入退出可能)となっています。
【参考】公園におけるキッチンカーの出店について|市川市公式ホームページ
公園でのキッチンカー出店許可の取得方法
公園でのキッチンカー出店許可を取得するためには、各募集要項に基づいて必要な書類を提出し審査を受けなければなりません。提出書類は共通のものもあれば、各地方自治体で異なるものもあります。出店許可申請の方法が明らかになっている「東京都公園協会」「東京都江戸川区」「千葉県市川市」の事例を紹介します。
事例1.公益財団法人 東京都公園協会 (東京都内23カ所の公園での出店許可申請)
公益財団法人 東京都公園協会が管理する東京都内23カ所の公園でキッチンカーを出店するためには、同協会のキッチンカー事業者選定に合格し出店許可を得なければなりません。事業者の募集は1年に1回のみ実施され、2023年度(契約期間:2023年3月1日~2024年2月29日)の場合は、2022年10月24日~11月16日が申込期間でした。
応募の際に必要な書類の中に、「食品安全衛生法に係る許可書(移動販売許可書の写し)」があるため、保健所での営業許可を取得した後でないと応募できません。東京都公園協会への応募方法はWebフォームのみで、申込時にはWebフォームに必要事項を入力し、指定書類のPDFデータを提出します。
法人が申し込む場合のWeb フォームでの提出内容および提出書類は以下の通りです。
- 応募申請
- 会社(団体)概要
- 企画提案
(以下、提出書類)
- 商業登記簿謄本
- 定款、寄付行為その他これらに準ずるもの
- 決算書等(連結および単独、最新のもの)
- 事業税及び法人税の納税証明書その3(最新のもの)
- 食品安全衛生法に係る許可書(移動販売許可書の写し)
- 出店を予定する該当キッチンカー(移動販売車)の車検証(写し)
個人が申し込む場合のWeb フォームでの提出内容および提出書類は以下の通りです。
- 応募申請
- 会社(団体)概要
- 企画提案
(以下、提出書類)
- 住民票又は外国人登録済証明書
- 決算書等(連結および単独、最新のもの)
- 源泉徴収票、納税証明書、住民課税証明書(最新のもの)
- 食品安全衛生法に係る許可書(移動販売許可書の写し)
- 出店を予定する該当キッチンカー(移動販売車)の車検証(写し)
東京都公園協会では申込内容を「事業の安定性・継続性」「利用者へのサービス」「安全衛生対策」の観点から審査し、キッチンカー出店事業者を選定します。申込時点で既に東京都公園協会と契約実績のある事業者は、さらに「出店状況」「営業状況」「コンプライアンス」の観点からも審査されます。
東京都公園協会から都立公園へのキッチンカー出店事業者に選定され、出店許可が取得できた場合には、2023年度のスケジュールでは、2022年12月中旬から業務委託契約について協議して、2023年3月1日から都立公園での出店開始です。
【参考】2022 年度 都立公園キッチンカー(移動販売車)出店事業者 募集要項 |NEWSCAST
事例2.東京都江戸川区(区内12カ所の公園での出店許可申請)
東京都江戸川区内の公園でキッチンカーを出店するためには、「江戸川区環境部水とみどりの課調整係」に必要書類を送付し、キッチンカー事業者に登録され、出店許可を得なければなりません。キッチンカー事業者への登録は随時申し込み可能です。申し込み書類の中に「営業許可書」があるので、先に保健所の検査に合格しなければなりません。
「キッチンカー (移動販売車)事業者登録申請要領」に記載されている、江戸川区のキッチンカー事業者登録申請に必要な書類は下記の通りです。
- キッチンカー事業者登録申請書
- 営業許可証一式の写し
- (車両をリース契約している者は)リース契約書一式の写し
- 食品衛生責任者(又はそれに代わる資格証明書)の写し
- 食品賠償保険等の証明書の写し
- 車検証の写し
- (法人の場合は)定款
- 事業概要書(法人は会社案内で代用可)
- 販売車写真画像数枚(車幅・車高を記入。ナンバープレート確認可能な写真)
江戸川区の審査には7日前後かかります。審査に合格すると、行船公園、小松川千本桜、新左近川親水公園など区内12カ所でのキッチンカー出店が許可されます。実際に出店するためには出店予定日の前月中旬までに出店希望を江戸川区に提出した後、各事業者の出店希望内容を江戸川区が調整し、認められた内容での出店が可能になる流れです。
出店後には出店日を含む3日以内に「販売実績報告書」を江戸川区に提出しなければなりません。
【参考】キッチンカー (移動販売車)事業者登録申請要領|江戸川区公式サイト
事例3.千葉県市川市(市内5カ所の公園での出店許可申請)
千葉県市川市の公園でキッチンカーを出店するためには、「市川市役所 水と緑の部 公園緑地課 (調整グループ)」で出店許可を取得しなければなりません。出店許可を受けるための申請は随時受け付けています。応募のためには、保健所での営業許可を先に取得する必要があります。
市川市で公園への出店許可を取得するためには、「キッチンカー事業者登録申請要領」に記載されている提出資料一式をメール・郵送・持参のいずれかの方法で提出するだけです。登録が認められると市内5カ所の公園(大洲防災公園・里見公園・行徳中央公園・駅前公園・広尾防災公園)へのキッチンカーの出店が可能になります。
提出資料一式:
- 登録申請書
- 営業許可書の写し(千葉県内の保健所が発行したもの)
- 食品衛生責任者の写し
- 生産物賠償責任保険(PL 保険)の証明書の写し
- 車検証の写し
- 事業概要書(会社案内可)
- 販売車写真画像(ナンバープレートが確認できること)
市川市への登録が完了し、実際にキッチンカーを公園に出店する際には、市川市役所へ「都市公園制限行為許可申請書」を提出しなければなりません。提出期限は出店予定日の2週間前までとなっています(提出は出店予定日の2か月前から可能です)。1公園3台まで出店制限が毎日設けられており、先着順での受付になるので、早目の提出が必要です。
【参考1】公園におけるキッチンカーの出店について|市川市公式ホームページ
【参考2】キッチンカー事業者登録申請要領|市川市公式ホームページ
キッチンカーの出店場所としての公園の特徴
公園に来る人たちの属性や公園そのものの特性から、キッチンカーの出店場所として公園を考えたときの特徴をまとめました。公園に来る客層・公園での出店にピッタリなメニュー・公園に出店する際の注意点について解説します。
主な客層は家族連れで土日の終日営業が基本
公園でのキッチンカー出店の場合は、人出が多い土日祝日の営業が基本です。出店時間は管理者によって決められている場合が多く、午前10時~午後4時頃までが中心となります。公園の種類(場所・駐車場の有無・遊具の有無など)によっても異なりますが、基本的には主な客層は家族連れになります。
また、多くの地方自治体では、各キッチンカー事業者の計画に基づいて、出店日時・場所・販売メニューを調整した上で出店者が確定するので、出店日当日のメニュー被りの心配は不要です。
子どもが好む軽食系・スイーツ系メニューが中心
公園でのキッチンカー出店の営業日時や客層を考えると、販売には子どもたちが好み・1日を通して販売が見込めるメニューが適しています。ボリューム満点の食事系メニューよりも、気軽に食べられる軽食系メニューやスイーツ系メニューが好まれる傾向にあります。
また、家族連れが多いことから珍しいメニューよりも定番メニューの方が好まれるでしょう。さらに、ゆっくり座って食べる場所がない公園に出店する場合には立ったままで片手で手軽に食べられるメニューが良いです。これらの点を考慮して、公園でのキッチンカー出店におすすめのメニューを6種類紹介します。
クレープ
クレープは子どもから大人まで幅広い年齢に人気がある定番メニューであり、片手で手軽に食べられるので公園に出店するキッチンカーで販売するのにピッタリです。チョコバナナやイチゴホイップなどの定番スイーツ系メニューはもちろん、ハムチーズやツナサラダなどのおかず系メニューを販売すれば、軽く食事したい需要にも応えられます。
クレープを販売するキッチンカーが多いため競合に注意が必要ですが、公園での出店の場合は市区町村役場などの公園管理者の方でメニュー被りがないよう調整してくれることがほとんどなので、その点の心配が不要です。
ドリンクとのセットメニューやフルーツ・ホイップなどのトッピングメニューを提供することで、単価アップも図れます。クレープを販売するキッチンカーについては、下記の記事で詳しく解説しています。
» ボンビーガールで紹介!クレープのキッチンカーを開業して利益を得る方法まとめ
たこ焼き
たこ焼きは子どもから大人まで誰でも知っていて、小腹がすいたときにピッタリの定番軽食系メニューの代表格です。公園で家族連れが購入することを考慮して、持ち運びしやすい・焼きたてでも熱くないなど容器にもこだわりたいところです。
基本はソース味ですが、各種トッピング(ネギ塩だれ・明太子マヨネーズ・チーズなど)、コンビメニュー(複数の味を一度に味わえる)、個数を増やしたメニューを設定することで単価を上げられます。キッチンカーのたこ焼き販売については、次の記事を参考にしてください。
鶏の唐揚げ・フライドポテト
鶏の唐揚げとフライドポテトはキッチンカーの定番メニューであり、大人から子どもまで幅広い年齢層の多くの人が大好きなメニューです。爪楊枝があれば立ったままでも手軽に食べられます。基本的には軽食系メニューですが、唐揚げ弁当・唐揚げ丼にすればランチメニューとしても販売できます。
鶏の唐揚げとフライドポテトはどちらもキッチンカーでの調理工程は、揚げるだけですし、唐揚げなら、おろしポン酢・香味ねぎソース、フライドポテトならバーベキューソース・チーズソースなどで単価を簡単に上げられるのも魅力です。もちろん、鶏の唐揚げとフライドポテトのセットメニューの販売も単価を上げるためにピッタリの方法です。
唐揚げとフライドポテトをキッチンカーで販売することについては、以下の記事で詳しく解説しています。
» からあげのキッチンカー(移動販売車)に必要な準備や許可など
ホットドッグ・フランクフルト
ホットドッグ・フランクフルトは、誰でも知っていてその味を想像できる定番メニューなので、公園に出店したキッチンカーが販売するメニューとしてピッタリです。調理工程も簡単なので、公園来訪者の数によっては1人での店舗運営も可能なメニューです。
チーズソースやチリソースをトッピングしたり、フライドポテトやソフトドリンクとのセットメニューを販売したりすることで、単価を上げられます。屋外で食べるのにピッタリなホットドッグを販売するキッチンカーについて詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
» キッチンカー(移動販売車)でホットドックを開業するときの準備
アイスクリーム・ソフトクリーム・かき氷
暖かい季節限定になりますが、公園でキッチンカーを出店する際に販売するメニューとして、アイスクリーム・ソフトクリーム・かき氷はピッタリです。天気が良ければ、行列ができるほどの売れ行きになっても不思議ではありません。
反対に夏であろうと曇天・雨天では売れ行きがイマイチになる可能性があるので、専門店にはせずに、他に軽食系メニューを販売しつつ、一緒にアイスクリーム・ソフトクリーム・かき氷を取り扱うことを考えても良いでしょう。
アイスクリームだったら、ダブル・トリプルといったメニューを作れば簡単に単価を上げられます。ソフトクリームやかき氷なら、果実入りのイチゴソース・ブルーベリーソースなどのトッピングメニューを作ることで単価を上げることが可能です。
キッチンカーでのアイスクリームとソフトクリーム販売については、次の記事で詳しく解説しています。
» ソフトクリームのキッチンカー(移動販売)を始めるために知っておきたいこと
コーヒー・ソフトドリンク
コーヒーをはじめとするソフトドリンクは、飲食メニューの営業許可が取得できれば、一緒に販売することが可能なので、公園でのキッチンカー出店時には販売したいメニューです。単体での販売はもちろん、スイーツ系メニュー・軽食系メニューの両方とセットにすることも可能なので、単価アップの強い味方です。
また、ソフトドリンク類は原価率が低いので、キッチンカー事業の利益率を上げることにも貢献してくれます。飲食店営業許可があれば、カップに注げばアルコール飲料の販売も可能ですが、公園側でアルコール飲料の販売を禁止していることがあるので、販売前の確認が欠かせません。
公園での出店に限らず、キッチンカーでのドリンク販売については次の記事で詳しく解説しています。
» キッチンカーの営業許可でドリンク販売が可能!タンク容量に注意!
発電機などの設備が必要
キッチンカーを公園で出店する場合には、ショッピングモールなどの店舗駐車場で出店する場合よりも、準備すべき設備が増える可能性があります。例えば、ショッピングモールなどでは、コードリールを準備すれば、営業に必要な電気を使える場所も少なくありませんが、公園に出店する場合には、自分で発電機を用意する必要があると考えておくべきです。
その他にも、横浜市の横浜動物の森公園・大通り公園に出店する際には、お客様たちが食事する際に使えるテーブル・イスをキッチンカー出店者が準備することも条件となっていました。このように、他の場所では不要な設備を公園で出店する場合には準備しなければならないこともありえるので、事前に出店条件の確認が欠かせません。
まとめ
公園でキッチンカーを許可なしで出店するのはダメなので、必ず都道府県や市町村など公園を管理する団体から出店許可をもらった上で出店しましょう。各団体が定める応募条件を満たせば、誰でも公園でのキッチンカー出店は可能です。ただし、公園によっては1年の決まった期間しか出店者登録ができない場合があるので、普段から情報収集が欠かせません。
出店許可を得るために必要な書類は、各団体によって異なりますが、保健所の営業許可書の写しは必ず必要です。その他の書類は、申し込み要項を確認の上、準備しましょう。
公園でのキッチンカー出店にも使える、キッチンカーの開業・運営ノウハウが学べる無料セミナーは全国4カ所の会場とオンラインで随時開催中です。私自身もこのセミナーに参加して、自分の開業準備がとてもスムーズに進んだので、どなたにも自信をもって進められるセミナーです。