コロナウイルスの影響で以前のような運営ができなくなり、お店の運営を見直しされていらっしゃるスペイン料理店の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
のように、
「少しでも、コロナウイルス以前のようにお客様を感じながら運営する方法はないのか・・?」
と、考えていらっしゃる経営者の方やスタッフの方もいらっしゃるようです。
そのような想いでスペイン料理店を運営されている方へお伝えしたいのが、
「キッチンカー(移動販売車)」を活用する方法です。
キッチンカーといえば、「クレープ」や「カレー」をイメージされるかもしれません。
しかし、最近では店舗運営がメインだった「大手企業」や「ホテル」「ラーメン屋」などが、新たな方法として、キッチンカーを導入する流れが生まれています。
なぜなら、キッチンカーを取り入れることで、低コストでキッチンカーを運営でき、私たちからお客様の元へ伺うことができるからです。
また、飲食店を運営してきた実績がある方は、飲食店をしていない方がはじめてキッチンカーを展開する場合より、培ってきたオペレーションの経験・料理の腕を活用し、特色を出すことが可能です。キッチンカーを展開を展開するタイミングで、差別化がすでにできています。
では、どのように経験を活かし、キッチンカーを取り入れていくといいのでしょうか?
この記事では、
2.キッチンカーでスペイン料理を始める方法
について、まとめています。
ぜひご参考いただけると幸いです。
1.スペイン料理店がキッチンカーをするメリット
キッチンカーを運営する為には、他のキッチンカーとの差別化が重要となります。スペイン料理店がキッチンカーをするメリットは3つです。
・・売上を稼ぎやすい。
②本格的なスペイン料理を提供できる。
・・他のキッチンカーと違い、出店時から料理に信頼がある。
③出張キッチンカーでコースのようなメニュー提供も可能。
・・他のキッチンカーと違い、出店先の確保が難しい場合の選択肢がある。
それぞれ、詳しく確認してみましょう。
①他のキッチンカーと違い、高単価でメニューが出せる
通常、キッチンカーで提供するメニュー単価は、「700円前後」が主流となります。
そのため、1000円以上のメニューを出した場合、お客様に「高い」イメージがつき、なかなか購入に繋がりません。
しかし、常に店舗を構えて、スペイン料理を運営していることから、
「料理長こだわり」「長年愛されている味」のようなキャッチフレーズで、お店のこだわりをしっかり打ち出すことが可能です。
飲食店をしていないキッチンカーと異なり、「特別感」や「レア感」をお客様へ持っていただくことができます。
すると、900円~1200円のメニューでも高すぎない印象をあたえることができ、高単価で出店し、売上を稼ぐことが可能です。
その結果、通常より高い価格で販売を行っても、お客様に納得いただけき購入に繋がります。
②本格的なスペイン料理を提供できる
キッチンカーでメニューを選ぶお客様としては、
「安心して、美味しい料理を食べたい。」
「本格的な料理を食べれてらいいな・・」
と思っているお客様も多くいらっしゃいます。
そのお客様の想いをくみ取れるのが、店舗で実績を重ねてきたキッチンカーです。
キッチンカーは、年々増えていますが、飲食店をはじめる前にまずはキッチンカーからという方も多くいらっしゃいます。
その中で、実績や経験はお客様の目にとまる差別化となります。
また、本格的なスペイン料理をメニューにしているキッチンカーも少ないため、早めに展開し、固定客を確保するといいでしょう。
③出張キッチンカーでコースのようなメニューを提供できる
キッチンカーの活用方法は、出店だけではありません。
スペイン料理で運営している場合、コースメニューを店舗で展開されているお店の方がほとんどかと思います。
ですので、出店がない日は、出張キッチンカーとして活用することも可能です。
特別なホームパーティーや個人のお家でされるイベント、会社での集まりや結婚式などシチュエーションは様々です。
出張の際は、普段のキッチンカーのメニューだけでなく、お店側が考えたコースのようなメニューの提供もできます。
特別な時間のためにお客様のご自宅や開催場所に行き、ご要望に合わせたメニュー展開も対応できるキッチンカーだと、喜んでいただけることでしょう。
出張のため、テイクアウト用の容器ではなく、こだわりの食器でおもてなしすることもできます。
外食が思うようにできない中で、特別な時間を提供できるキッチンカーは、お客様もキッチンカーを運営する方も思い出に残る時間を過ごすことが可能です。
さらに、事前予約での対応で、仕込みも適正量を準備できるので、ロスがなく対応できます。
キッチンカーの出店と併せて、出張キッチンカーとしても活用するといいでしょう。
ここまで、スペイン料理店がキッチンカーを展開するメリットをご紹介いたしました。
今までの店舗運営をスライドすることで、キッチンカーで売上を確保していくことができると、想像いただけたのではないでしょうか?
では、実際キッチンカーを始めるにはどのような流れで進めたらいいのでしょうか?
ここからは、キッチンカーを始める流れを確認していきましょう。
2.スペイン料理店をキッチンカーで始める方法
キッチンカーでスペイン料理を始める流れは、おおまかに4つポイントがあります。
②キッチンカー・必要な設備を手に入れる。
③必要な保険を確認する。
④営業場所を確保する。
それぞれ詳しく確認していきましょう。
①キッチンカーの営業許可を保健所で取得する
キッチンカーを始める場合、保健所で「営業許可」を取得する必要があります。以下の流れで取得します。
- 保健所に事前の相談(商材・出店場所・キッチンカーの設計図を元に担当者と打ち合わせ)
- 申請書類に記入(記入方法がわからない場合は保健所の担当者に確認)して申請書提出
- キッチンカー入手後、施設検査の日程調整
- キッチンカーを保健所に持ち込み施設検査の実施 (指摘事項を受けた場合には改善して後日再検査を実施)
- 許可証の交付
営業許可の申請は、店舗を運営する場合と異なり、「販売する地域を管理している保健所」で申請・取得を行います。
営業許可を取得する都道府県によって、ある都道府県では営業許可は「1つ」でよい場合と、同じ都道府県内でも販売する地域によって2・3つ営業許可が必要な場合があります。
必ず届け出をする保健所で確認の上、「どこの地域で販売するか?」しっかり検討したうえで、取得を行うようにしましょう。
参考リンク▶https://foodtruck.co.jp/hajimete/food_sanitation_act02/
営業許可の有効期限は、発行から5年間で、更新が必要となります。
例えば、大阪府で営業する場合
・堺市で営業する場合⇒堺市地域の保健所に申請をします。
※販売する地域が大阪市・堺市の場合、2つの保健所で営業許可が必要です。
大阪市すべての地域でキッチンカーの販売できるようにと考えた場合、9箇所で許可が必要となります。
よって、「どの地域で販売するか」しっかり戦略を立て、営業許可を取得することをおすすめいたします。
お酒も販売したい場合は、こちらの記事を参照ください。
ここで、注意が必要な点は、1つ営業許可は1台のキッチンカーのみで使用となります。2・3台に使い回しが出来ませんので、お気をつけください。
※2021年6月より営業許可の改正が入ります。キッチンカーを開業される場合は、注意が必要です。
参考リンク:2021年6月に施行されるキッチンカーでの保健所の営業許可・食品衛生法の詳細と対策
【注意3】営業許可の申請に必要なもの
営業許可の申請に必要な書類も各保健所で異なります。
作成前に各保健所で確認をしておきましょう。
東京都の場合を記載ておりますので、ご参照ください。
①営業許可申請書
②営業設備の大要・配置図
③営業の大要
④仕込場所の営業許可書の写し(営業許可がある場合)
⑤許可申請手数料
⑥登記事項証明書(法人のみ)
⑦食品衛生責任者の資格を証明するもの(食品衛生責任者手帳等)<補足>④仕込み場所について
店舗を仕込み場所として設定することが可能ですので、仕込み場所の準備は不要です。
ここまで、営業許可の取得方法についてご紹介してきました。
では、この内容を踏まえてキッチンカーを手に入れるにはどのような方法があるか確認していきましょう。
②キッチンカー・必要な設備を手に入れる
営業許可の基準や必要な準備が掴めたところで、キッチンカーの準備へ取り掛かります。キッチンカーを手に入れるには、3パターンとなります。
②中古車のキッチンカーを購入する
③キッチンカーをレンタルする
それぞれ、メリット・デメリットを簡単に確認してみましょう。
①新車のキッチンカーを購入するメリット・デメリット
【メリット】
・外観を自社ブランドイメージに合わせたキッチンカーに出来る。
・オペレーションがしやすい内装に出来る。
【デメリット】
・初期費用が180万~かかる。(ただし、その後の費用は抑えることが可能)
参考リンク:https://foodtruck.co.jp/hajimete/ido_hanbaisha/
②中古車のキッチンカーを購入するメリット・デメリット
【メリット】
・移動販売を始める際の製造費用が軽減できる。
・車内の改装が不要。
・営業する際に必要な器具や看板などの備品の準備のみでよい。
・新車やベース車両を購入し改造する車と比べてコストパフォーマンスが非常に高い。
・新車を購入するよりも迅速なスピードで開業することが可能です。
【デメリット】
・車両本体の整備が新車より劣っていること。
・動作確認のみでの販売のため、見た目より劣っている場合もある。
・車両によっては、あたりハズレがある。
・「使用感」が残っていて、自分向きの仕様ではない。
参照リンク:https://foodtruck.co.jp/hajimete/buy-used/
※2021年6月の食品衛生法の施行改訂により、キッチンカー設備で気をつける点が変わっていますので、ご留意ください。
③キッチンカーをレンタルするメリット・デメリット
【メリット】
・出店の準備がすぐにできる。
・低コストで経営することが出来る。
・初めての場合色々な設備を調べるためにレンタルすることもできる。
【デメリット】
・キッチンカーのデザインが自由にできない。
・細かいところを自分がやりたい仕様にはできない。
・長期でレンタルする場合、購入した方が経費を抑えることが可能。
・キャンセル料が100%かかってしまう。
参考リンク:https://foodtruck.co.jp/hajimete/hiyou_souba/#i-5
費用の回収やコスト、キッチンカーを手に入れた後の手間などを考えた場合、新車でキッチンカーを入手されることをおすすめいたします。
また、キッチンカーの種類は、
・軽バン
・普通車バン
・1tトラック
と種類があります。
キッチンカーの種類を決めるには、「どんなメニューを提供するか」をしっかり決めておく必要があります。
たとえば、
・仕込みをお店で多く行い、冷蔵庫や冷凍庫にストックしておくのか
・キッチンカーで準備できるだけにするのか
・お酒を扱うのであれば、どのような対応をするか など・・
メニューによって、作業スペースが多く必要が冷蔵庫の大きさやコンロの数など、使う調理設備が異なってきます。
調理設備や保健所の許可によって、トラックの大きさや水の量も異なってくる可能性がありますので、キッチンカー作成前に決めておくといいでしょう。
簡単にに軽トラック・普通車バン・1tトラックのメリット・デメリットを記載しておきますので、ご参考いただければと思います。
軽トラックのメリット・デメリット
【メリット】
・窓が大きいので提供がしやすい。
・車両の維持費やメンテナンス費用のコストを抑えれる。
・駐車しやすいので、狭い場所でも出店できる。
【デメリット】
・調理設備にこだわると狭い可能性がある。
・荷台にキッチン部分を追加する必要があるため、車代に別途費用が必要。
普通バンのメリット・デメリット
【メリット】
・製作費があまりかからない。
・車内が広いので2・3人乗ることが可能。
【デメリット】
・天井が高くないので、座った状態での調理となる。
・長時間営業の場合、腰やひざに負担がかかる。
・軽自動車より、車両の維持やメンテナンス費用が掛かる。
1tトラックのメリット・デメリット
【メリット】
・荷台に搭載したキッチンを立ったまま調理することができる。
・走行性能が高いので、広いエリアで出店が可能。
・車体に貼った店名が読みやすくなるので、ラッピングデザインの宣伝広告の効果が高くなります。
【デメリット】
・キッチンカー製作費用が高くなる。
・スペースによっては、出店場所が限られる。
どの方法でキッチンカーを開業するにしても、営業を行う地域の保健所の許可が取れる仕様になっていることが重要です。
特に、2021年6月に食品衛生法の改訂により、保健所での営業許可の基準に変更がありました。
例えば、水道設備が今まではひねる蛇口でも問題なかったのですが、非接触型の水道の導入へと条件が変わっています。
その他、使ってはいけない素材・水タンクの大きさなど・・留意点が増えています。
その意味では、保健所の営業許可の情報に強いキッチンカーの製作会社やキッチンカーのレンタル会社に問い合わせることが大切です。
ここまで、キッチンカーの選び方と必要な設備について記載してきました。
それでは、キッチンカーでスペイン料理を展開するために、必要な保険も併せて確認していきましょう。
③必要な保険を確認する
キッチンカーで必要になる保険は自動車保険・PL保険となります。
任意で、レンタカーの場合、ドライバーズ保険も検討に入れるといいでしょう。
自動車保険(対人・対物賠償、搭乗者・車両保険)
キッチンカーを購入する場合は、入っておく必要がある保険です。
レンタルの場合は、レンタル会社が基本入っておりますので、どの保険でどのような保証かをしっかり確認しておきましょう。
PL保険
万が一食中毒や提供中の事故などが起きてしまった時に使う保険です。販売場所を提供する会社や地主さんから信頼されるためにも、飲食業であれば必ず入るPL保険には必ず加入するようにしましょう。
保険会社が提供しているPL保険もおすすめですが、公益社団法人日本食育衛生協会が提供している「あんしんフード君・スーパーあんしんフード君」は安価で説明も分かりやすいのでオススメです。
キッチンカーの営業許可を保健所で取得する時に同時に申し込むことができます。
ドライバーズ保険
レンタル会社などからレンタルしたキッチンカーを運転している時に起こしてしまった事故を保証する保険です。
ドライバーズ保険は任意で自分が入る保険になりますので、心配な方は入っても良いかと思います。
その場合は、一般的な自動車保険にどの会社で入っているか、レンタル会社に聞き同じ会社を検討するのが安くすむ秘訣なので、そのヒアリングも忘れずに行ってください。
最後に、キッチンカーを続ける要となる営業場所を確保する方法についてもご紹介いたします。
④営業場所を確保する
キッチンカーで営業する際に重要となるのが「出店場所」です。
実は、キッチンカーで失敗する要因の1つに「積極的に出店場所を探さなかったこと」が上がってくるほど、継続して運営するには大切な点となります。
下記にキッチンカーで販売できる場所を参考に掲載してます。
考え方によっては、さらに展開できる場所がでてきます。
ぜひ、「ここでキッチンカーを展開することはできないか?」と常にアンテナを張っていただければと思います。
【キッチンカーの候補地】
・タワーマンションや住宅街
新型コロナウイルスの影響で、テレワークなど生活スタイルが変わり、自宅でご飯を食べる方が増えてきています。
それでも、「本格的なスペイン料理が食べたい!」方や「今日は、手を抜きたいからキッチンカーやテイクアウトを活用したい」という隠れユーザーに寄り添うことが可能です。
ここで、購入していただいたお客様が、今後店舗に来店いただける可能性もでてきます。
そのために、タワーマンションや住宅街で出店の場合、事前にチラシを各家庭に配っておくことも有効です。
・ビジネス街のランチ
「コロナの影響で、お店の中で食べるのはちょっと抵抗がある・・」
そのようなお客様にアプローチすることができます。
テレワークを導入していない製造系やオフィス街を狙って出店するといいでしょう。
すでに出店されているキッチンカーがいる場合もありますが、いつも同じメニューやテイクアウトを選んでいるお客様は、新しいキッチンカーが出店されると、まず食べてみようとなります。
ぜひ、メニューやレパートリーの入れ替えを行いつつ、固定客を確保していきましょう。
ただし、道路での営業は警察の取り締まりの対象となります。道路ではなく、ビルのオーナーなどに交渉して駐車場を借りるなどもいいでしょう。
・スーパーや催事の駐車場
コロナの影響もあり、以前よりは厳しくはなっていますが、スーパーの駐車場も絶えず人がいる場所のため、選択肢とすることは可能です。
スーパーによっては、あえてキッチンカーを導入するように店舗もあるようです。
「ここはちょっと・・」と思う場所や今は出店しているキッチンカーがいない場所も、どんどん想像力を膨らませてチャレンジしていくといいでしょう。
最近は、雑貨屋さんや車屋さんなど色々な業種の駐車場や空きスペースでもキッチンカーを活用されることが増えているようです。
・移動販売用の企画(公園やイベント)
最近では、自治体が主体でキッチンカーに力をいれている地域もあります。
たとえば、大手のチェーン店が自治体の企画を活用し、公園等でキッチンカーの社会実験を行っています。
また、マルシェなどでは、移動販売車がたくさん集まるイベントも今後増えてきています。
そのような場所に、スペイン料理で参加の交渉をしていくのもいいかもしれません。
本格的なスペイン料理だからこそ、出店した際は、出張キッチンカーとして、「事前予約受付や出張しています」とご案内して営業をしておくと、次に繋がる展開を確保できます。
そのために、出店の際チラシの配布、TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSの活用も行っておくといいでしょう。
広島県では、キッチンカーが今どこにいるかお客様が把握できるサービスもあるようです。地域地域でキッチンカーの取り組みを増えてきていますので、参加するのもいいかもしれませんね。
また、既存のお客様の顧客情報を管理されている場合、ダイレクトメールやメールなどでご案内をお送りするのもいいでしょう。
なお、その他にキッチンカーを出店した際に他のキッチンカーの方と仲良くしておくことで、出店場所を入手することも可能です。以上、営業場所を確保する方法をご紹介いたしました。こちらの記事もぜひご参考ください。
参考リンク:コロナの影響でキッチンカーの需要は 下がるのか?上がるのか?
イタリア料理の営業にキッチンカーを導入予定のご担当者様へ
「少しでも早く導入したい!」
「経験がしっかりある会社にお願いしたい!」
そんな想いで、キッチンカー導入を検討されている方のご相談を随時、フードカンパニーでは、承っています。
フードカンパニーでは、
①貴社に変わり、保健所や警察署など情報収集を徹底的に行い質の高い情報提供
②大手企業や行政を中心に年間1000件以上の方に開業支援
③開業時に関わってくる車両・暖房・食品仕入れ関連会社との連携
の特徴を生かし、キッチンカーの開業コンサルをさせていただいています。
貴社の今後の発展手段の1つとして、キッチンカーをご検討いただければと思います。
こちらからお問い合わせいただけます。